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word16 「魔法 習得方法」①
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この世に魔法って存在するんだろうか――。
ある午後に思った。我ながら馬鹿らしい疑問である――。
気持ちの良い昼寝から目覚めた僕は枕元に散らかったティッシュの紙くずたちを見つけた。
それを1つにまとめてゴミ箱に投げたが、見事に外した。ベッドに寝転んだ状況から投げられた紙くずは床に落ちて転がり、それを見た僕は舌打ちをした。
そんな時だ。魔法が使えたらいいのにと思ったのは。
立ち上がってゴミ箱に入れ直すのがめんどくさい。指を振れば離れた紙くずが浮き上がって、思いのままに動かすことができればとっても楽なのに……。
できる訳がないけど紙くずに向かって人差し指を振ってみたりして。
こんな願望は生きてきた中で何度も抱いたことだ。喉が渇いた時には魔法で水を生成できないか、忘れ物をした時は魔法で家からテレポートさせられないか、もしも道端でモンスターと遭遇することがあったら魔法で手から炎が出せないか。
床に落ちたままうんともすんともならない紙くずを見つめたまま、魔法を使えたらいいのにという妄想は飛躍して、今までの魔法を使えたらいいのにエピソードを思い返す。
ゲーム機が壊れてしまった時は本気で念を送ったし、空を飛べたらいいのになんて王道な妄想は何度もした。触れずに紙くずを持ち上げるなんて超能力の妄想も繰り返しのことだ。
妄想しながら、ああだろうかこうだろうかと手の動きを変えたりしてみても当然何も起こることは無いんだけれど……きっと魔法なんてこの世にはないのだから。
ああ。考えていても仕方がない。さっさと立ち上がって行動しよう。
僕は重い体を起こしてベッドから下りる。そして紙くずのほうへ歩き出した。
しかし、その足は紙くずの横を通り過ぎて、収納のほうへと向かう。
収納を開けると黒いパソコンを取り出して、僕は机の上に座った。
紙くずを投げ入れ損ねたけれど、立ち上がって拾い上げるのがめんどくさいのなら、立ち上がって黒いパソコンで寝転んだまま解決する方法を調べよう。
立ち上がったのは何も諦めた訳ではない。思い通りにならない紙くずを意地でも触れずに魔法で持ち上げる為だ。
さて、どうやって検索しようか……「紙くず 持ち上げ方」……それじゃダメだよな。そもそも魔法ってこの世にあるのか。
そう疑問に思った僕は検索ワードをこれにした。
「魔法 存在」
入力した後に画面を見た時、自分で自分の精神年齢に少し驚きを持った。この年でこんなファンタジックなことに期待しているなんて。
だけどあり得ない話じゃないと思う。ドラゴンだっていたんだし、何よりもこの黒いパソコンの存在が魔法みたいなものだ。
まずは存在を確かめて、無ければ無いで諦めて。あったらまた明日やり方を聞けばいい。黒いパソコンなら僕の意志を汲んでやり方まで教えてくれるかもしれないし。そんな考えでEnterキーを叩く――。
「この世に魔法と呼べるものはあります。それは人間が鍛錬により習得できるものです。」
今回の検索での黒いパソコンからの返答は短い文だけだった。しかし内容はすぐさま僕を興奮させてガッツポーズへ至らせる。
そして、僕は待っていろという気持ちで床に落ちた紙くずを睨んだ。
ある午後に思った。我ながら馬鹿らしい疑問である――。
気持ちの良い昼寝から目覚めた僕は枕元に散らかったティッシュの紙くずたちを見つけた。
それを1つにまとめてゴミ箱に投げたが、見事に外した。ベッドに寝転んだ状況から投げられた紙くずは床に落ちて転がり、それを見た僕は舌打ちをした。
そんな時だ。魔法が使えたらいいのにと思ったのは。
立ち上がってゴミ箱に入れ直すのがめんどくさい。指を振れば離れた紙くずが浮き上がって、思いのままに動かすことができればとっても楽なのに……。
できる訳がないけど紙くずに向かって人差し指を振ってみたりして。
こんな願望は生きてきた中で何度も抱いたことだ。喉が渇いた時には魔法で水を生成できないか、忘れ物をした時は魔法で家からテレポートさせられないか、もしも道端でモンスターと遭遇することがあったら魔法で手から炎が出せないか。
床に落ちたままうんともすんともならない紙くずを見つめたまま、魔法を使えたらいいのにという妄想は飛躍して、今までの魔法を使えたらいいのにエピソードを思い返す。
ゲーム機が壊れてしまった時は本気で念を送ったし、空を飛べたらいいのになんて王道な妄想は何度もした。触れずに紙くずを持ち上げるなんて超能力の妄想も繰り返しのことだ。
妄想しながら、ああだろうかこうだろうかと手の動きを変えたりしてみても当然何も起こることは無いんだけれど……きっと魔法なんてこの世にはないのだから。
ああ。考えていても仕方がない。さっさと立ち上がって行動しよう。
僕は重い体を起こしてベッドから下りる。そして紙くずのほうへ歩き出した。
しかし、その足は紙くずの横を通り過ぎて、収納のほうへと向かう。
収納を開けると黒いパソコンを取り出して、僕は机の上に座った。
紙くずを投げ入れ損ねたけれど、立ち上がって拾い上げるのがめんどくさいのなら、立ち上がって黒いパソコンで寝転んだまま解決する方法を調べよう。
立ち上がったのは何も諦めた訳ではない。思い通りにならない紙くずを意地でも触れずに魔法で持ち上げる為だ。
さて、どうやって検索しようか……「紙くず 持ち上げ方」……それじゃダメだよな。そもそも魔法ってこの世にあるのか。
そう疑問に思った僕は検索ワードをこれにした。
「魔法 存在」
入力した後に画面を見た時、自分で自分の精神年齢に少し驚きを持った。この年でこんなファンタジックなことに期待しているなんて。
だけどあり得ない話じゃないと思う。ドラゴンだっていたんだし、何よりもこの黒いパソコンの存在が魔法みたいなものだ。
まずは存在を確かめて、無ければ無いで諦めて。あったらまた明日やり方を聞けばいい。黒いパソコンなら僕の意志を汲んでやり方まで教えてくれるかもしれないし。そんな考えでEnterキーを叩く――。
「この世に魔法と呼べるものはあります。それは人間が鍛錬により習得できるものです。」
今回の検索での黒いパソコンからの返答は短い文だけだった。しかし内容はすぐさま僕を興奮させてガッツポーズへ至らせる。
そして、僕は待っていろという気持ちで床に落ちた紙くずを睨んだ。
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