24 / 117
word16 「魔法 習得方法」②
しおりを挟む
僕は丸まった紙くずを前にして床に座った。胡坐をかいて腕を組み、気の持ちようも勝ち誇ったもので。
お前の命もあと1日だ。せいぜいそこで這いつくばっていろ。そんな気分だ。
明日には手を触れずして紙くずをゴミ箱に入れてやる。もしくは炎を出して灰にしてやろうか。指をピロピロさせながら紙くずが泣いている姿を想像する。
――と、それよりもだ。もっと嬉しいのは魔法がこの世に存在していたことだ。紙くずが処理できるなんてことよりもそっちに意味がある。僕は明日魔法使いになれるのだ。
いや鍛錬が必要と書いてあったから明日は早いかもしれないけれど、その内。誰もが夢見る魔法使いになれる。
それから僕の精神年齢の低下は加速して小学生に戻ったくらいのテンションで魔法使いについての妄想とトレーニングの予習が始まった。
そもそもリアル魔法ってどう使うんだろう。杖は必要だろうか、必要だとしたらどのサイズだろうか。創作の類では、その辺に落ちてる木の棒サイズの杖と、ロッドと呼ばれるようなでかい奴がある。
ボールペンを振ったり物干し竿をかっこいい感じで持ったりしてみる。
もしかすると、魔法陣が必要なタイプかもしれない。だとしたら綺麗に円を描く練習とかもしといたほうがいいだろうか。
でもさすがにそれはちょっとめんどくさいな。
次の日になるまで僕の妄想は続きに続いて……。
魔法使いの生き残りでもない僕が突然使用した魔力を察知して、今も世界のどこかで隠れて暮らす魔法使いたちが僕を捉えに来る物語まで妄想した。
少しヤバい。でも、この先は強制的に魔法学園で若い魔法使いたちと魔法を学ぶ人生を送る。それも悪くないだろう。もしかしたら僕にはとてつもない魔法の才能があるかもしれないし……。
そして次の日、0時になってすぐ。僕は黒いパソコンで予定通りの検索をした。
「魔法 習得方法」
炎の魔法だとか水の魔法だとか限定して検索したほうが良いかとも思ったが、それは黒いパソコンなら色々教えてくれると信じてこのワード。
もう芽生えた気がする自分の中の魔力を感じながらEnterキーを押す。
「ある魔法を習得するには、その魔法を発動する姿をイメージしながらひたすら念じる精神修行を行う必要があります。魔法を発動するのに重要なのは念力と精神力。魔法は脳と心で使うものです。そして多くの魔法は、その習得修行に最低でも10年は必要になります。ちなみにあなたが今思い浮かべている物体を浮かせて操る魔法の場合では平均50年を要します。」
ええ、マジかよっ。ウィン〇ーディアム・レビ〇ーサでも使えるようになるのに50年もいるのっ。
騙された。詐欺じゃないか。口をハの字にして見えた文に驚く僕へ黒いパソコンは追い打ちをかける。
「ちなみに炎を出す魔法なら平均80年です。あ、でも毛を生やす魔法なんかは5年くらいでできますよ」
は?おもんな。この詐欺パソコンめ。ぬか喜びさせやがって。50年や80年はさすがに長えよ。
僕からしたら今日はちょっとイタズラだった黒いパソコン。なんだか笑われているような感情が奥に見える。
それに腹が立った僕は拾った紙くずをゴミ箱に強く投げ捨ててから、いじけて眠った。
お前の命もあと1日だ。せいぜいそこで這いつくばっていろ。そんな気分だ。
明日には手を触れずして紙くずをゴミ箱に入れてやる。もしくは炎を出して灰にしてやろうか。指をピロピロさせながら紙くずが泣いている姿を想像する。
――と、それよりもだ。もっと嬉しいのは魔法がこの世に存在していたことだ。紙くずが処理できるなんてことよりもそっちに意味がある。僕は明日魔法使いになれるのだ。
いや鍛錬が必要と書いてあったから明日は早いかもしれないけれど、その内。誰もが夢見る魔法使いになれる。
それから僕の精神年齢の低下は加速して小学生に戻ったくらいのテンションで魔法使いについての妄想とトレーニングの予習が始まった。
そもそもリアル魔法ってどう使うんだろう。杖は必要だろうか、必要だとしたらどのサイズだろうか。創作の類では、その辺に落ちてる木の棒サイズの杖と、ロッドと呼ばれるようなでかい奴がある。
ボールペンを振ったり物干し竿をかっこいい感じで持ったりしてみる。
もしかすると、魔法陣が必要なタイプかもしれない。だとしたら綺麗に円を描く練習とかもしといたほうがいいだろうか。
でもさすがにそれはちょっとめんどくさいな。
次の日になるまで僕の妄想は続きに続いて……。
魔法使いの生き残りでもない僕が突然使用した魔力を察知して、今も世界のどこかで隠れて暮らす魔法使いたちが僕を捉えに来る物語まで妄想した。
少しヤバい。でも、この先は強制的に魔法学園で若い魔法使いたちと魔法を学ぶ人生を送る。それも悪くないだろう。もしかしたら僕にはとてつもない魔法の才能があるかもしれないし……。
そして次の日、0時になってすぐ。僕は黒いパソコンで予定通りの検索をした。
「魔法 習得方法」
炎の魔法だとか水の魔法だとか限定して検索したほうが良いかとも思ったが、それは黒いパソコンなら色々教えてくれると信じてこのワード。
もう芽生えた気がする自分の中の魔力を感じながらEnterキーを押す。
「ある魔法を習得するには、その魔法を発動する姿をイメージしながらひたすら念じる精神修行を行う必要があります。魔法を発動するのに重要なのは念力と精神力。魔法は脳と心で使うものです。そして多くの魔法は、その習得修行に最低でも10年は必要になります。ちなみにあなたが今思い浮かべている物体を浮かせて操る魔法の場合では平均50年を要します。」
ええ、マジかよっ。ウィン〇ーディアム・レビ〇ーサでも使えるようになるのに50年もいるのっ。
騙された。詐欺じゃないか。口をハの字にして見えた文に驚く僕へ黒いパソコンは追い打ちをかける。
「ちなみに炎を出す魔法なら平均80年です。あ、でも毛を生やす魔法なんかは5年くらいでできますよ」
は?おもんな。この詐欺パソコンめ。ぬか喜びさせやがって。50年や80年はさすがに長えよ。
僕からしたら今日はちょっとイタズラだった黒いパソコン。なんだか笑われているような感情が奥に見える。
それに腹が立った僕は拾った紙くずをゴミ箱に強く投げ捨ててから、いじけて眠った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる