何でも検索できるパソコンを手に入れました。ーBPCー

木岡(もくおか)

文字の大きさ
115 / 117

word45 「もしも 世界に男が僕1人だけになったら」①

しおりを挟む
 もしも僕が空を飛べるとしたら――。

 たまにこんな妄想をすることがある。ふとした時に、学校の教室で、親が運転する車の中で、窓の外を見ながら思うのだ。

 あの広い大空を飛ぶことができたら、どれほど気持ちいいだろうかと――。

 景色の見え方はどうだろう。あの遠くに見える山を空から見下ろせば、どう感じるのだろう。綺麗だと思うのか。はたまた高くて怖いと思うのか。

 風の受け方はどうか、匂いはどうか、周囲からはどんな姿に見えるのか、頭の中で思い描いてみる。

 ただの暇つぶしだ。暇だけど、スマホをいじったりできないときにやるくらいのしょうもない暇つぶし。やったところで意味は無い。実際飛べるようになる訳がないし、頭の中だけじゃ空を飛んだらどうなるかの答えも分かる訳がない。

 けれども、そんなことに没頭してしまう瞬間がある。目を開けたまま眠っているかのように、体の動きを止めて、口を開いて考える。自分だけの世界に入り込むって楽しい……。

 ……そして、またある瞬間に肩を叩かれたり、話しかけられたりして、そんな窓の外の世界から現実に連れ戻されるのだ。

 ――妄想と言ったら、みんな日常的にやっていることだと思う。誰にも言わない自分の頭の中だけの世界を創造する。そのジャンルは十人十色で様々であるだろうがきっと人類みんな。

 女性だったら、恋愛の妄想をする人が多い。もしもあの人と付き合ったら、結婚したら、どんな生活が待っているだろうか。その相手は芸能人かもしれないし、好意を抱いているけれど理由があって絶対にそれを伝えられない人かもしれない。そういうケースだった場合、正に頭の中だけの世界。

 中学二年生だったら、自分が超能力を持っていた場合だとか、学校にいきなり不審者が侵入してきて、それを華麗に撃退するだとかの妄想をよく聞く。自分が他人とは違う特殊な人間だという妄想だ。

 自分の中にもう1人の自分を飼っている人もいるだろう。現実の自分とはかけ離れている……大人気アーティストである自分、超売れっ子アイドルである自分、日本代表のスポーツ選手である自分。そういった理想の自分を作り上げて、その生活ぶりを妄想する。

 僕はと言えば、最近は好きな女子である折原とのデートを妄想することが多い。色々とシミュレーションした結果、折原との理想のデートは天気の良い日に素敵な公園を散歩して、雰囲気の良いカフェでスイーツとお茶を頂くのが1番という結論に至った。カラオケとかではなく、敢えて公園とカフェ。ミステリアスな彼女から色々な話を聞きたい。

 そんな各々持っている妄想の世界に……実際行くことはたぶんどう頑張っても無理。行けるケースもあるだろうが、その場合でも難しくはあるだろう。

 しかし、僕が持っている1つの道具を使えば、行けないにしろ妄想をよりリアルなものにすることができる。

 もしも何々だったら……に対して、最も正確な答えを出すことができるのだ――。

『もしもあなたが想像しているように、あなただけが空中を自在に飛ぶことができるようになると、しばらく自宅にも学校にもマスコミが押しかけ、国の内外問わず様々な人間から体を調べさせてほしいと依頼が届き、個人情報をネットに晒されるでしょう。』

 こんな風に、身も蓋もないことを言われてしまうこともあるが……。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

交換した性別

廣瀬純七
ファンタジー
幼い頃に魔法で性別を交換した男女の話

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

処理中です...