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word45 「もしも 世界に男が僕1人だけになったら」③
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次の日、僕は暇があればどんなもしもを検索するのか考えた……。その結果検索するワードを……。
「もしも 世界に男が僕1人だけになったら」
これに決めた――。
思いついた候補の妄想の中から選りすぐりに選りすぐった結果である。1つ1つの妄想を自分の頭の中でやってみると、これを1番黒いパソコンに聞いてみたいと思った。
他の候補はもしもゲームの世界に入ることができたらとか、もしもかわいい女の子になることができたらとか……あとは、もしも世界にいる人間が僕1人きりになってしまったらというもの。
それを思いついて妄想していると、やはり寂しくて死にたくなると感じたので、どうせなら男が僕1人きりになるなんてどうだと考え着いたのだ。
ちょっとしたハーレムの妄想ならよくあるものだけど、男1人対女数十億人なんていうとんでもハーレム状態が実現すると一体どうなるのかなんてのは、さすがに想像がつかない。
黒いパソコンに頼るに相応しいもしも検索が見つかった。
もしも僕以外の人間が黒いパソコンを持ったら何を検索するかというのも検索してみたいと思ったが、それはまた別の機会に――――。
僕は机の上にパソコンを用意すると、まずは窓の外を見た。夜になると僕の部屋からは、街のほうがよく見える。近所とは違って、背の高い建物が山のように聳え立っていて、重なる光が眩しい。
世界中で男が僕1人になれば、あの街に何万と住んでいる女性も全て僕だけのものになるというか、女性側から僕以外の選択肢が無くなる。付き合ったり結婚したり、子供が作りたいと思えば僕しかいないのだ。
学校の同級生も先輩も後輩も当然そうな訳で、普段目にしているあの子もその子も……。
そう考えるとちょっと可哀想ではある。逆の立場になったことを考えて、異性の選択肢がたった1つしかないなんて思うと、とんでもなく退屈な世界だ。
1人になった男側も、初めのうちは幸せでもいつしか疲れてしまう気がする。嫌でも人類存続のために、その身を捧げることを強要され、世界中に自らの精子が飛んでいき、各所で自分の子供が生まれるなんてことになれば気が狂いそうだ。そのうち同性の友達が恋しくなって孤独も感じそうである。
そんな想像をした僕は溜め息を吐いて、下心全開というよりは、本当にどうなるんだろうという好奇心で検索を実行した………。
「現在の時刻から、あなたが想像するようにあなた以外の世界中の男性が突然いなくなると、まずあなたがその原因ではないかと疑われます。あなたは徹底的な取り調べを受けることになるでしょう。――」
黒いパソコンは最初にそんな文を表示して、それを見た僕は確かにと思った。
「それを考慮せず、世界中の人間が男性1人になったことに疑問を持っていないとすると、あなたは翌日から堅牢な地下シェルターに護送され、しばらくそこに住むことになります。男性にしかできない決まりとなっている役職の穴を埋めるためなどの理由で、各国や宗教団体のような組織に身柄を狙われる可能性があるためです。そこでは複数の女性に生活の世話をしてもらえますが、あなたが望むような性的な行為をする機会はすぐにはやってきません。――」
今回の黒いパソコンはただ疑われて終わるという結果だけでなく、僕が想像する世界についてもちゃんと教えてくれた。
「世界では、冷凍保存されていた精子が貴重な資源として何よりも価値があるものになります。自国に何リットルくらいの精子を保有しているかが国の強さを表す指標になり、精子の取引額は何千倍もの高額となります。そして、それを巡って第三次世界大戦と呼ばれる戦争が起こります。当然、冷凍保存されていた精子だけでは量が足りず、あなたも狙われる資源の1つとなります。日本で任意の精子提供を繰り返し、過ごしていたあなたですが、2か月後にはアメリカ軍に拉致されます。アメリカでは任意ではなく、それ専用に選抜された若く容姿も腕も優秀な女性達から、強制的に精子を搾取され続ける生活を送ることになります。あなたが不活発で売り物にならないレベルの精子しか提供できなくなる47歳までずっとです。ちなみに、あなたの精子は瞬間最高額1ml当たり、1億2000万円もの値が付き、あなたが死ぬまでに2万1256人あなたの子供が産まれます。」
思ったよりも危険なことになるんだな……どちらかと言えばMだし、そんな生活も悪くない……長い文を読んでいる間いくつか感想を抱いた。
ただそういった感想たちは最後の情報で一気に塗り替えられてしまった。衝撃の文字、精子1ml当たり1億円――笑うしかない数字で、この検索をしなかったら人生でまず見ることが無かったであろうものだった。
そうか、そうなのか……僕の精子が1億円……それなら、股間についているものが金玉と呼ばれるのも納得である。
「もしも 世界に男が僕1人だけになったら」
これに決めた――。
思いついた候補の妄想の中から選りすぐりに選りすぐった結果である。1つ1つの妄想を自分の頭の中でやってみると、これを1番黒いパソコンに聞いてみたいと思った。
他の候補はもしもゲームの世界に入ることができたらとか、もしもかわいい女の子になることができたらとか……あとは、もしも世界にいる人間が僕1人きりになってしまったらというもの。
それを思いついて妄想していると、やはり寂しくて死にたくなると感じたので、どうせなら男が僕1人きりになるなんてどうだと考え着いたのだ。
ちょっとしたハーレムの妄想ならよくあるものだけど、男1人対女数十億人なんていうとんでもハーレム状態が実現すると一体どうなるのかなんてのは、さすがに想像がつかない。
黒いパソコンに頼るに相応しいもしも検索が見つかった。
もしも僕以外の人間が黒いパソコンを持ったら何を検索するかというのも検索してみたいと思ったが、それはまた別の機会に――――。
僕は机の上にパソコンを用意すると、まずは窓の外を見た。夜になると僕の部屋からは、街のほうがよく見える。近所とは違って、背の高い建物が山のように聳え立っていて、重なる光が眩しい。
世界中で男が僕1人になれば、あの街に何万と住んでいる女性も全て僕だけのものになるというか、女性側から僕以外の選択肢が無くなる。付き合ったり結婚したり、子供が作りたいと思えば僕しかいないのだ。
学校の同級生も先輩も後輩も当然そうな訳で、普段目にしているあの子もその子も……。
そう考えるとちょっと可哀想ではある。逆の立場になったことを考えて、異性の選択肢がたった1つしかないなんて思うと、とんでもなく退屈な世界だ。
1人になった男側も、初めのうちは幸せでもいつしか疲れてしまう気がする。嫌でも人類存続のために、その身を捧げることを強要され、世界中に自らの精子が飛んでいき、各所で自分の子供が生まれるなんてことになれば気が狂いそうだ。そのうち同性の友達が恋しくなって孤独も感じそうである。
そんな想像をした僕は溜め息を吐いて、下心全開というよりは、本当にどうなるんだろうという好奇心で検索を実行した………。
「現在の時刻から、あなたが想像するようにあなた以外の世界中の男性が突然いなくなると、まずあなたがその原因ではないかと疑われます。あなたは徹底的な取り調べを受けることになるでしょう。――」
黒いパソコンは最初にそんな文を表示して、それを見た僕は確かにと思った。
「それを考慮せず、世界中の人間が男性1人になったことに疑問を持っていないとすると、あなたは翌日から堅牢な地下シェルターに護送され、しばらくそこに住むことになります。男性にしかできない決まりとなっている役職の穴を埋めるためなどの理由で、各国や宗教団体のような組織に身柄を狙われる可能性があるためです。そこでは複数の女性に生活の世話をしてもらえますが、あなたが望むような性的な行為をする機会はすぐにはやってきません。――」
今回の黒いパソコンはただ疑われて終わるという結果だけでなく、僕が想像する世界についてもちゃんと教えてくれた。
「世界では、冷凍保存されていた精子が貴重な資源として何よりも価値があるものになります。自国に何リットルくらいの精子を保有しているかが国の強さを表す指標になり、精子の取引額は何千倍もの高額となります。そして、それを巡って第三次世界大戦と呼ばれる戦争が起こります。当然、冷凍保存されていた精子だけでは量が足りず、あなたも狙われる資源の1つとなります。日本で任意の精子提供を繰り返し、過ごしていたあなたですが、2か月後にはアメリカ軍に拉致されます。アメリカでは任意ではなく、それ専用に選抜された若く容姿も腕も優秀な女性達から、強制的に精子を搾取され続ける生活を送ることになります。あなたが不活発で売り物にならないレベルの精子しか提供できなくなる47歳までずっとです。ちなみに、あなたの精子は瞬間最高額1ml当たり、1億2000万円もの値が付き、あなたが死ぬまでに2万1256人あなたの子供が産まれます。」
思ったよりも危険なことになるんだな……どちらかと言えばMだし、そんな生活も悪くない……長い文を読んでいる間いくつか感想を抱いた。
ただそういった感想たちは最後の情報で一気に塗り替えられてしまった。衝撃の文字、精子1ml当たり1億円――笑うしかない数字で、この検索をしなかったら人生でまず見ることが無かったであろうものだった。
そうか、そうなのか……僕の精子が1億円……それなら、股間についているものが金玉と呼ばれるのも納得である。
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