【短編】妹の代わりに謝り続けた人生を、今日で終わらせます

あまぞらりゅう

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 その日以来、ディアナは謝ることをやめた。
 妹が社交界で粗相をしても、もう知らない。「妹に優しくしなさい」と母にきつく咎められても、完全無視を貫いた。

 彼女は婚約者のアルベルトとも二度と取り合わなかった。

 彼は最初は「誤解を解きたい」などと言って彼女に付き纏っていたのだが、彼女は鉄の意志で徹底的に退けた。家令に根回しをして、家門の関する事柄も決して触れさせないようにした。

 しばらくして彼は「後悔することになる」と捨て台詞を吐いて、彼女のもとを去った。彼女は父が戻ったときに正式に婚約破棄が出来るように、水面下で着々と準備を進めていた。

 妹たちにかまける暇がなくなったら、なんだか心に余裕ができた。
 自由な時間も増えて、親しい令嬢と遊びに行ったり、趣味の音楽サロンに参加したり、何もせずにのんびり過ごしたりもした。

 ローゼは姉という後ろ盾をなくして、社交界から孤立していった。ディアナは、その真面目さと誠実さと優秀な面が社交界で高く評価されていたのだ。

 妹が何か事件を起こしても、もう姉は謝らないし、彼女自身からの謝罪の言葉が出ることは決してない。
 これまでは姉の顔を立てて渋々許していた令嬢たちは、もう二度とローゼを許すことはなかった。

 妹は結局、第二王子にも謝罪に行かなかった。
 王族を怒らせたという噂が静かに広がり、取り巻きの令息たちもさすがに王家を敵に回したくないと徐々にローゼから離れていった。

 ローゼも、母も、アルベルトも、じわじわと追い詰められていっていた。



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