強く、咲く。※不定期掲載

zakura

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朝から教室に入ってきたまどかに挨拶をした。

「おはよー、まどか」

まどかは頭をかきながら眠そうに挨拶を返してくれる。

「おは、るいと、、」

いつも完璧なメイクが今日は少しのりが悪いみたいだ。

私の前に座ったまどかの顔を心配してみる。

「まどか、なんか元気ない?」

まどかは「体調はすこぶるいいんだけど」と言葉をにごした。

私はくびをかしげる。

しばらくいうのをためらっていたまどかはなにかを決心したのか私に話し始めた。

「あのさ、るいと、紹介したい人が、いるんだけど」

絶句。

紹介したい、ひと。

思い浮かぶのは立花組、皇花。

まさかこんなにはやくくるとは思わなかった。

任務じたい早く終わりそうだけど、さすがにここで私が皇花に目をつけられたら、、

こんなこと悟られないように、私はにっこり笑った。

「えー!!誰?」

まどかは気まずそうに。

「篝。」

といった。

…………、だよねぇー、

篝は情報に強い。

しかも流星のことを気にしている。

流星と関わりがある私に接近するのは当たり前だ。

ここで困るのが反応だ。

私は今は族とか組とかしらない一般人だ。

これに対する普通の反応てなんだろう。

私は篝が好き、だといってしまったことを思い出した。

えーと、、。

今時きゃあきゃあ女子かぁ、、。

うーん、

と反応を考えているとまどかの私をよぶこえがきこえた。

「るいと?」

まどかは悪そうに「ごめんね。でも篝好きって言ってたから、、」といった。

私は一息心のなかでつく。

これも、任務のため。

私は声のトーンをひとつあげた。

「!!えーっと!それ、マジでいってる!?ちょっちょ!神すぎて、無理!!」

篝推しとしての反応としては間違ってない、なず。

神すぎて、会えない。アピールを繰り返す私。

自分でやっててドン引きだ。

まどかは私に「そうだよね、いきなりいっても、だよねー」といっている。

まどかはつづけた。

「だよねぇー、でも今日クラスに行くって「おはようっ!逢坂さんっ!」」

聞きたくなかった声が響く。

まどかの後ろから篝がひょこっとでてきた。

っ!!まじか!!

紹介って、、いまか。

どんどん進む、いきなりのことに私は処理することでいっぱいいっぱいだ。

ここでこられたことで、「神々しくて会えない」戦法は終わりになった、

会ってしまった。

私はとりあえず篝に挨拶をする。

「っ!、、お、おはよう篝くん、、」

まどかは私の様子を見て篝の頭を叩いた。

「いったいなぁ」とまどかにむけてきつい視線を向ける篝。

「ちょっとぉ、紹介できるか聞いてから紹介するていったじゃん!」

どうやらまどかもいきなり来ることを知らなかったようだ。

怒るまどかに篝は知らんふりして飴をなめ始める。

「まちきれなーい」 

まどかははぁーっとため息をついて私に頭を下げた。

「ったく、ごめんね。少し付き合ってあげて」

このやろ。けっきょく話さなきゃならないのかよ。

周りが私たちを見ているのがわかる。

目立ってる、どうしよう。

会ってしまった。

どうすればこいつから目をつけられない、

嫌われる?

気に入られたら終わりだ。

調べられる。

普通の女だったら、どうする。

組も族もしらない、普通の女だったら。

「………」

私は心のなかで息をついた。

任務のため。

「僕の名前知ってるんだねぇ!改めて篝だよーよろしくねー」 

手を出してきた篝の手をこれでもかというほど握りしめた。

「…に、にに人気者だし、てか、やばすぎ、

あ、あの!!
よかったら、ライン教えてくださいっ!

今度遊びにいきません?」

上目遣い+ぶりっ子

どうだ。うざいだろ。

身を引け。ドン引きしてくれ。

そこらへんにいる女でしょ。

お前らが嫌うきゃあきゃあいうやつだよ!

たのむ。

篝はにやにやしながらいった。

「あれぇ?りゅーせーくんはいいのぉ?」

ドン引いてもらうために私はさらに最低になる。

「……、流星くんとは、付き合ってないので」

「へぇー、地味なわりに遊ぶ人なんだねぇ」

興味をもっているようだ。

そんな簡単に身は引いてくれないみたいだ。

私は篝の地雷を踏むことを決意する。

「あのっ!私、篝くんと仲良くなりたくて、
よかったら、、仲良くしてくださいっ!」

「俺のどこがそんなにいいわけ?」

私は心のなかで笑った。

きた。

私は悪びれずに話し始める。

「篝くんて、生徒会長の立花さんと幼馴染みですよね。あと生徒会のみなさんとも!

篝くんならみなさんの好きなものとかしってるかなぁ、、って。

よかったら、紹介してくれると嬉しいんですけどぉ、」

最低だ。

でも、篝には効いているはず。

多分今までの興味はすべて怒りに変わったはず。

こういうタイプは

利用されるのが


「ちっ、」


大嫌いだ。

私は篝の様子を見て確信した。

興味はなくなったな。

それは見せずに首をかしげる。

いかにも「どーですかぁ?」と声をあげているような感じで。

「?」

篝の目からは光がなくなった。

そのままにっこり笑う。

「なーんだ、結局美王か、期待して損したー」

仲良くすることは諦めたみたいだ。

だが、ここで引き下がると怪しまれるため私は粘る。

「え!?なんでですか?私は篝くんと、、みなさんと仲良くなりたくてっ!」

篝は手をふった。

「なーんか、がっかり、

いっとくけど、君なんかが美王と釣り合うわけないから

てか、俺を利用するなんて、いい度胸してんね」

殺気。

篝の殺気を感じてなるほどと思った。

喧嘩はできないて聞いてたけど

厚はある。

鍛えればいいのに。

と思いながら私はこわばった顔をして謝った。

「!!!!す、すいません。」

「仲良くはできない、あんたみたいなやつとはじゃーね」

そういうと教室を出ていってしまった。

「なっ!ちょっと篝!」

まどかもはっとして、篝に声をかけるが篝は無視して出ていった。

そんな篝の様子を見て私は顔をしたに伏せた。

、、、、、、、、。

「………、、」

私を除き混んでくるまどか。

「るいと?」

顔を見られたら終わると思ったため、私はばっと立ち上がった。

「っ、。ごめ、ちょっとトイレ」

泣いてると思われているみたいだ。

まどかは背中をさすってくれる。

「うん。ごめんね。るいと。」

まどかは悪くない。

私は言葉を吃りながらいった。

「っ全然大丈夫、次の授業少し休むから、」

「うん。ごまかしとく、ほんとごめん。」

「んーん。大丈夫だから、、」

そのまま足早にトイレにかけこんだ。



………、

トイレの個室に入る。


誰かの気配はしない。

しっかり確認した上で、私は顔をあげた。

口角がどんどん上がっていく。

そのまま面白くなって私は声をあげて笑いだした。

「っぷ、あっはははははははははははは!」

こんな上手くいくとは、

けっこう行けるんじゃない普通の女。

あまりにもうまくいきすぎた状況に笑いが止まらない。

「あっはははははははははははははは、おもろすぎるやん、それは!」

どうしよう。笑いが止まらない。

ドアを叩いて笑いまくる。

「きゃはははは、はははーっ、はーっ、おもろ」

するとドアをこんこんとノックする音が聞こえた。

気配で誰かわかったから無視してたけどそいつは話しかけてくる。

「琉生斗、どんだけ笑っとるねん」

流星、ここ女子トイレよ。

でもそんなことは関係ない。

私は笑いまくる。

「流星。だぁぁぁってぇ、あはっ、あはは」

「上手くいったのか?」

私はトイレのドアを開けた。

流星が流台でかみをととのえていた。

私は隣に並ぶ。

鏡越しに流星をみた。

「上手くいきすぎた。

やっぱり、あーいうたいぷは、利用するのはすきだけどされるのは嫌いなのよー、あはははっ、咲也みたい」

咲也も利用されたってわかった瞬間に相手をぼこぼこにしたりする。ことを思い出してやっぱり篝に似ていると思った。

それに怪訝そうな顔をして流星がはなす。

「悪女やん、それは」

その言葉に私は自信満々にいった。

「何を今さら笑、」

今までなんだって演じてきた。

心のなかでは最低だ、と思っている。

それだけで十分じゃないか。

「そうやな」

私は息を整えて流星ににっこり笑った。

「流星もがんばらな」

流星も軽く笑った。

「せやなー、」

私はさっきの篝の話を詳しく話した。

「あは、あー、見てほしかったわぁ、もっといろんなパターン考えとったんにー、もー、おれるの早いわー」

流星も羨ましそうにいう。

「見たかったわ俺も、琉生斗がびくびくしとるとこ」

「主演女優賞もんでしたわ」

私が明るくいうと流星が軽く笑ったあと真剣な顔をしていった。

「これで、女も離れていくといいな」

まどか、のことか、、

「………、」

黙り混んだ私に流星はつづける。

「まー、美王や他の幹部らに近づくために篝に近づく女つっーのをはっきり見られたしな、

琉生斗の本性見て離れるんやない?」

まどかは謝っていたけど、謝らなきゃいけないのはこっちのほうだ。

利用した。

まどかの大切な人を利用しようとした。

離れていっても当然だ。

「………、どうやろな」

「突き放すん?」

「自分からはせん。あっちが突き放してきたらそれまでや」

去るもの追わず。つねに、やって来たことだ。

けど、つらい。

仲良くなればなるほどつらい。

「離れたくないんやな」

「しゃーない、それは」


まどか、せっかく仲良くなったけど、、、。

心が少し寂しくなった。







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