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『勇者ヴァルの物語』では語られない物語
辺境の冬 第三話
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暖炉の火を絶やさないように、薪をくべ火かき棒でうまく崩す。
パチパチの小さな音を立て、火の粉を散らして薪は燃えていく。
もうすっかり深夜を回っていた。
アレクはあれからたまに起きつつも、ゆっくりと睡眠を取っている。
熱はなかなか下がらないものの、果物や甘くした牛乳など、とにかく口にしやすいものを出してやるよう心掛けた。
少しでも腹の足しになっていたのならいいのだが。
早く元気になってほしいと俺は願った。
辺境の夜は本当に静かで、火の粉の音とアレクの寝息だけが俺の耳に届いてくる。
俺は適当にいろいろとぶち込んだ具沢山のスープをすすりながら、本を読み進めていた。
この本『魔導工学の入口』の著者であるフューラー先生は、俺の魔導器学の先生で子供の頃にとても世話になった人だ。魔導具や魔導器の原理や使い方、魔石に関していろんなことを教えてくれた。
紺色の髪を掻き上げながら眉根を寄せて困ったように笑う、そんな先生の様子が思い出された。
先生にちょっと連絡してみようかな。
魔導具のこと、相談してみようか。
うちは風呂くらいしか魔導具を導入していない。金のある家なら部屋の灯りから温度調整、台所や氷室まで、一般家庭でも台所周りはひと通り魔導具だ。
俺は今の環境を特段不便だと思っていないが、子供の頃からここに来るまでは魔導具に囲まれて生活してたわけだから、便利さを十分理解している。
アレクにも使わせてやりたいなと思うのだ。俺が使わないからって、アレクも使うなって話じゃないんだ。
そうだな。雪深くなる前に、フューラー先生に手紙を書いて出そう。
そんなことを考えながら本を読んでいると、小さく名を呼ばれた。
「ヴァル……」
「どうしたアレク」
声のした方に顔を上げると、アレクが毛布から顔を出している。少し苦しそうだ。
本を閉じて膝の上に置き、アレクの方へと身を寄せる。
額に手を当ててみたが、もちろん熱は下がっていなかった。
手洗いには少し前に行ったはず。喉でも乾いたか。
「つらいか……?」
「大丈夫……」
「どうしたんだ?」
心配になって顔を覗き込んでやる。
潤んだ瞳が俺を見返し、小さく力なく訴えた。
「寒くて……、寒くて目が覚めちゃった……」
まさかと思い立ち上がって、窓の方へ寄った。
こちら側は、ベッドの反対側と全く気温が違った。
こんなに冷え込んでいたのか。
カーテンをずらして外を見ると、白くチラつき始めていた。部屋から漏れた光に照らされるのが視認できる。
このタイミングでの雪。
俺は眉根を寄せて、カーテンを厳重に閉じた。
ベッドの際に外からの冷気が流れ込んできているのをしっかりと感じる。
そう言えば、俺の部屋は寒かったので少し壁板を増やしたんだ。冬に客間を使うなんて考えてなかったから、完全に忘れてた。冬は俺が王都に向かうのが常だったんだ。
「すまないアレク、俺の失態だ」
「ヴァルは、何も悪くないよ……」
あぁ、こんな時までこいつは。
すまないなと呟きながら、毛布を肩口までかけてやる。
今から何か用意することはできない。
かと言って俺の部屋に連れて行くか?
いや俺が寒くないだけで、アレクにとっては寒いかもしれない。
なら暖かい状態を維持しているこの部屋がいいだろう。
俺が眉間にしわを寄せていると、アレクは心配そうに見上げてくる。
あぁ、そんな顔をさせたいわけじゃないんだ。
壁自体に何かするのは今は無理だ。
ベッドを動かすのも、それ以外の調度品との兼ね合いで大きな作業になる。
どちらも難しい。
ならアレクを寒さから守れる何かだな。
すぐに用意できて。
しっかり冷気を防ぎ。
決して冷たくならず。
できるなら温かさがあるもの。
そんな便利なものなんか……。
あった。
解決策に至った俺は、アレクを安心させるように頭を撫でた。
俺の表情が柔んだのを認めたアレクは、ふにゃっと笑って毛布に埋もれている。
「ちょっと待ってろよ」
ストーブの火種を暖炉に移す。暖炉は薪が切れれば、火は小さくなりいずれ消えるから大丈夫だ。火種の除かれたストーブを壁の方へと押しやった。
テーブルへと避けていたやかんに手を伸ばし、湯をコップに移し適温にした後、アレクに飲ませてやる。温かいねと小さく笑うので、よしよしと撫でてやった。数回喉を潤わせたらコップを受け取って、サイドテーブルに置いておく。ここならすぐに取れるから、アレクが欲しい時に手が伸ばせるだろう。
アレクは忙しない俺をベッドから見上げている。
安心させるように軽く笑んでやった。
最後に椅子に置きっぱなしの本を、アレクの勉強机へ避けておく。椅子はベッドから遠ざけて、と。
これでいいかな。
ランタンの灯りを消すと、部屋が暗闇に支配される。
暖炉の火だけが小さく揺れていた。
「ヴァル……?」
少し不安そうなアレクの声へ大丈夫と静かに答えた後、光魔法で小さな光を数個飛ばした。
柔らかな光球が部屋に浮かぶ。
キラキラと室内を照らし、ふわりふわりと俺たちの周りを舞った。
「わぁ……」
そのキラキラした光が、驚いて見開かれたアレクの瞳に映り込む。
これを見せるのは初めてだったか。
アレクが光球に手を伸ばす。
俺は魔力を操作して、アレクの傍に寄せてやった。
手で包むようにすると、指の間から光が漏れる。指で撫でるように手を横切らせると、部屋の中に大きく影を作った。
「これ……、きれいだね……」
見惚れるようにつぶやくアレクを微笑ましく見守りながら、俺は羽織っていた上着を脱いで椅子にかけた。
そしてベッドの向こう側に回り込む。
薄手のチュニックだけでは、こちら側は少々寒いな。
「どうしたの……?」
アレクが不思議そうに見上げてくる。
「俺がこっちで寝るよ」
「一緒に、寝てくれるの?」
俺の言葉に驚いたようなアレク。
ああとうなずいて窓側からベッドへと腰を掛けて、アレクを少し部屋の中側へ寄せた。
アレクを転がした後、毛布や枕を整えつつ俺も毛布の中へと身を横たえる。
「これで、寒いの来ないだろ?」
でかい、丈夫、温かい。
今の我が家で俺に勝るものはない。
我ながら良い案だ。
「ヴァル……」
アレクは、熱で火照った顔をこちらに向けつつ、俺の名を呼んだ。
あぁなんだ、最初からこうしておけばよかったのか。
ずぅっと不安そうにしていたアレクの顔は、今はほっとした、安心した顔になっていた。
「これで寒くないか?」
「うん……、大丈夫……」
ぎゅっとしがみついてくるアレクを撫でながら、毛布で包み込んでやる。
体は熱いが、手足は冷えてしまっていた。おそらく自身の熱量が寒さに勝てていないのだろう。
その手を握りながら、冷たい足に俺の脚を添えてやる。
「どうだ。よかったらもっとくっつけていいぞ」
アレクはまるで甘える子猫のように俺へと寄り添った。
つらくて、不安で、そして寂しかったのかもしれない。
本当は一人で寝させた方が、しっかり寝れてよいのだろう。よく寝付けるだろうし、疲れも取れるし、体調も整うだろうな。
それでも、今夜は一緒にいてやろう。
優しく抱き込んでやると、俺の胸板にすりすりと頬を寄せた。
父母が亡くなり一人で生きることになって、実はこういうのに飢えているのかもしれないな。お利口なことはお利口なのだろうが、それは今までずっと我慢していたからなのだろう。
俺はちゃんと父母の代わりになれているだろうか。
周りの光球を少し小さくし、アレクの傍をふわりと漂わせた。
今までの苦しかった表情は落ち着き、柔らかで穏やかな様子で光を眺めている。
光を反射する瞳は、やはり宝石のようで、俺にとって宝のような気がしてくる。
今、俺の胸の内に湧き出ている気持ちは、愛おしさなのだろうなと思い至り、アレクの額の上へ銀の髪越しに唇を落としてやる。
アレクは驚いたのか慌てて俺へと視線を移した。
そして、恥ずかしかったのだろう、アレクは大層照れた様子で俺の胸元に隠れてしまった。
それを可愛らしく思った俺は、ふふっと微笑みを溢す。
両親がこうしてくれたのはもっと小さな頃のことだったのだろうし、気恥ずかしかったのだろうかな。
「されるの嫌だったか?」
「嫌じゃない、よ……」
「そうか」
俺はそうつぶやいて、もう一度、今度は頭に口づけると、アレクを潰さないように気をつけて毛布をしっかりと被せてやった。
「おやすみ、アレク。よく眠るんだぞ」
「うん……、おやすみなさい、ヴァル……」
「ああ、よい夢を」
そうして、俺たちは瞳を閉じた。
パチパチの小さな音を立て、火の粉を散らして薪は燃えていく。
もうすっかり深夜を回っていた。
アレクはあれからたまに起きつつも、ゆっくりと睡眠を取っている。
熱はなかなか下がらないものの、果物や甘くした牛乳など、とにかく口にしやすいものを出してやるよう心掛けた。
少しでも腹の足しになっていたのならいいのだが。
早く元気になってほしいと俺は願った。
辺境の夜は本当に静かで、火の粉の音とアレクの寝息だけが俺の耳に届いてくる。
俺は適当にいろいろとぶち込んだ具沢山のスープをすすりながら、本を読み進めていた。
この本『魔導工学の入口』の著者であるフューラー先生は、俺の魔導器学の先生で子供の頃にとても世話になった人だ。魔導具や魔導器の原理や使い方、魔石に関していろんなことを教えてくれた。
紺色の髪を掻き上げながら眉根を寄せて困ったように笑う、そんな先生の様子が思い出された。
先生にちょっと連絡してみようかな。
魔導具のこと、相談してみようか。
うちは風呂くらいしか魔導具を導入していない。金のある家なら部屋の灯りから温度調整、台所や氷室まで、一般家庭でも台所周りはひと通り魔導具だ。
俺は今の環境を特段不便だと思っていないが、子供の頃からここに来るまでは魔導具に囲まれて生活してたわけだから、便利さを十分理解している。
アレクにも使わせてやりたいなと思うのだ。俺が使わないからって、アレクも使うなって話じゃないんだ。
そうだな。雪深くなる前に、フューラー先生に手紙を書いて出そう。
そんなことを考えながら本を読んでいると、小さく名を呼ばれた。
「ヴァル……」
「どうしたアレク」
声のした方に顔を上げると、アレクが毛布から顔を出している。少し苦しそうだ。
本を閉じて膝の上に置き、アレクの方へと身を寄せる。
額に手を当ててみたが、もちろん熱は下がっていなかった。
手洗いには少し前に行ったはず。喉でも乾いたか。
「つらいか……?」
「大丈夫……」
「どうしたんだ?」
心配になって顔を覗き込んでやる。
潤んだ瞳が俺を見返し、小さく力なく訴えた。
「寒くて……、寒くて目が覚めちゃった……」
まさかと思い立ち上がって、窓の方へ寄った。
こちら側は、ベッドの反対側と全く気温が違った。
こんなに冷え込んでいたのか。
カーテンをずらして外を見ると、白くチラつき始めていた。部屋から漏れた光に照らされるのが視認できる。
このタイミングでの雪。
俺は眉根を寄せて、カーテンを厳重に閉じた。
ベッドの際に外からの冷気が流れ込んできているのをしっかりと感じる。
そう言えば、俺の部屋は寒かったので少し壁板を増やしたんだ。冬に客間を使うなんて考えてなかったから、完全に忘れてた。冬は俺が王都に向かうのが常だったんだ。
「すまないアレク、俺の失態だ」
「ヴァルは、何も悪くないよ……」
あぁ、こんな時までこいつは。
すまないなと呟きながら、毛布を肩口までかけてやる。
今から何か用意することはできない。
かと言って俺の部屋に連れて行くか?
いや俺が寒くないだけで、アレクにとっては寒いかもしれない。
なら暖かい状態を維持しているこの部屋がいいだろう。
俺が眉間にしわを寄せていると、アレクは心配そうに見上げてくる。
あぁ、そんな顔をさせたいわけじゃないんだ。
壁自体に何かするのは今は無理だ。
ベッドを動かすのも、それ以外の調度品との兼ね合いで大きな作業になる。
どちらも難しい。
ならアレクを寒さから守れる何かだな。
すぐに用意できて。
しっかり冷気を防ぎ。
決して冷たくならず。
できるなら温かさがあるもの。
そんな便利なものなんか……。
あった。
解決策に至った俺は、アレクを安心させるように頭を撫でた。
俺の表情が柔んだのを認めたアレクは、ふにゃっと笑って毛布に埋もれている。
「ちょっと待ってろよ」
ストーブの火種を暖炉に移す。暖炉は薪が切れれば、火は小さくなりいずれ消えるから大丈夫だ。火種の除かれたストーブを壁の方へと押しやった。
テーブルへと避けていたやかんに手を伸ばし、湯をコップに移し適温にした後、アレクに飲ませてやる。温かいねと小さく笑うので、よしよしと撫でてやった。数回喉を潤わせたらコップを受け取って、サイドテーブルに置いておく。ここならすぐに取れるから、アレクが欲しい時に手が伸ばせるだろう。
アレクは忙しない俺をベッドから見上げている。
安心させるように軽く笑んでやった。
最後に椅子に置きっぱなしの本を、アレクの勉強机へ避けておく。椅子はベッドから遠ざけて、と。
これでいいかな。
ランタンの灯りを消すと、部屋が暗闇に支配される。
暖炉の火だけが小さく揺れていた。
「ヴァル……?」
少し不安そうなアレクの声へ大丈夫と静かに答えた後、光魔法で小さな光を数個飛ばした。
柔らかな光球が部屋に浮かぶ。
キラキラと室内を照らし、ふわりふわりと俺たちの周りを舞った。
「わぁ……」
そのキラキラした光が、驚いて見開かれたアレクの瞳に映り込む。
これを見せるのは初めてだったか。
アレクが光球に手を伸ばす。
俺は魔力を操作して、アレクの傍に寄せてやった。
手で包むようにすると、指の間から光が漏れる。指で撫でるように手を横切らせると、部屋の中に大きく影を作った。
「これ……、きれいだね……」
見惚れるようにつぶやくアレクを微笑ましく見守りながら、俺は羽織っていた上着を脱いで椅子にかけた。
そしてベッドの向こう側に回り込む。
薄手のチュニックだけでは、こちら側は少々寒いな。
「どうしたの……?」
アレクが不思議そうに見上げてくる。
「俺がこっちで寝るよ」
「一緒に、寝てくれるの?」
俺の言葉に驚いたようなアレク。
ああとうなずいて窓側からベッドへと腰を掛けて、アレクを少し部屋の中側へ寄せた。
アレクを転がした後、毛布や枕を整えつつ俺も毛布の中へと身を横たえる。
「これで、寒いの来ないだろ?」
でかい、丈夫、温かい。
今の我が家で俺に勝るものはない。
我ながら良い案だ。
「ヴァル……」
アレクは、熱で火照った顔をこちらに向けつつ、俺の名を呼んだ。
あぁなんだ、最初からこうしておけばよかったのか。
ずぅっと不安そうにしていたアレクの顔は、今はほっとした、安心した顔になっていた。
「これで寒くないか?」
「うん……、大丈夫……」
ぎゅっとしがみついてくるアレクを撫でながら、毛布で包み込んでやる。
体は熱いが、手足は冷えてしまっていた。おそらく自身の熱量が寒さに勝てていないのだろう。
その手を握りながら、冷たい足に俺の脚を添えてやる。
「どうだ。よかったらもっとくっつけていいぞ」
アレクはまるで甘える子猫のように俺へと寄り添った。
つらくて、不安で、そして寂しかったのかもしれない。
本当は一人で寝させた方が、しっかり寝れてよいのだろう。よく寝付けるだろうし、疲れも取れるし、体調も整うだろうな。
それでも、今夜は一緒にいてやろう。
優しく抱き込んでやると、俺の胸板にすりすりと頬を寄せた。
父母が亡くなり一人で生きることになって、実はこういうのに飢えているのかもしれないな。お利口なことはお利口なのだろうが、それは今までずっと我慢していたからなのだろう。
俺はちゃんと父母の代わりになれているだろうか。
周りの光球を少し小さくし、アレクの傍をふわりと漂わせた。
今までの苦しかった表情は落ち着き、柔らかで穏やかな様子で光を眺めている。
光を反射する瞳は、やはり宝石のようで、俺にとって宝のような気がしてくる。
今、俺の胸の内に湧き出ている気持ちは、愛おしさなのだろうなと思い至り、アレクの額の上へ銀の髪越しに唇を落としてやる。
アレクは驚いたのか慌てて俺へと視線を移した。
そして、恥ずかしかったのだろう、アレクは大層照れた様子で俺の胸元に隠れてしまった。
それを可愛らしく思った俺は、ふふっと微笑みを溢す。
両親がこうしてくれたのはもっと小さな頃のことだったのだろうし、気恥ずかしかったのだろうかな。
「されるの嫌だったか?」
「嫌じゃない、よ……」
「そうか」
俺はそうつぶやいて、もう一度、今度は頭に口づけると、アレクを潰さないように気をつけて毛布をしっかりと被せてやった。
「おやすみ、アレク。よく眠るんだぞ」
「うん……、おやすみなさい、ヴァル……」
「ああ、よい夢を」
そうして、俺たちは瞳を閉じた。
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