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第二章 遠き日の約束
二章終幕 「その声をもう一度」 四
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明朝、ヴィエルニ家の正門前に、旅装束に着替えたジゼルとそれを取り囲むアス、ヴェルノ、オーべ、アレクシスの姿があった。
「ジゼル、緋雀が護衛についているといっても未開の地は危険な生物も多数いるだろうから無理はするなよ」
ヴェルノの言葉にジゼルは笑みを浮かべながら分かっているよと頷いた。
「ここからはヘンリクと共に馬車に乗ってもらい、途中の王郭西大門で他の緋雀と合流した後、そのまま旧都遺跡まで向かってもらうことになる。何かあればヘンリクを頼るといい、信頼できる男だ」
「はい。アレクシス様、色々準備いただいてありがとうございました。調査の任、しっかり果たします」
ペコリと頭を下げるジゼルにうんうんとアレクシスが頷く。
「ジゼル、気をつけてな」
「オーべさんも見送りに来てくれてありがとうございます。お母さんの姿を見れてすごく嬉しかったです」
「クレアの願いを叶えることができてよかったし、こちらこそジゼルには感謝してるよ。ありがとう」
オーべが軽く頭を下げるとジゼルは笑みを返した。
「あっそうだ。お父さんこれ」
ジゼルは鞄からシルバーに黒色が練り込まれたブレスレットを取り出し、ヴェルノに差し出した。
それは先日第三師団の出陣式の際に出店で買ったブレスレットだった。
「ん?くれるのか?」
「ちょっと早いけど、お父さんの誕生日プレゼント。しばらく会えなくなるから先に渡すね。アスと一緒に選んだんだよ」
「そうか。・・・二人ともありがとう。大切にするよ」
ヴェルノはブレスレットを受け取ると、早速左の手首に装着した。
「似合うか?」
ヴェルノがアスとジゼルにそれを見せながら嬉しそうな表情をした。
「うん、とっても似合ってる」
次にジゼルはアスに視線を移した。
「アス、色々あったけど戻ってきたらまたみんなで旅しようね。約束だよ」
「うん、お姉ちゃんも気をつけて。戻ったら、遺跡調査の話聞かせてね」
「ふふ、りょーかい。戻ったらいっぱい話をしてあげる」
ジゼルはそっとアスを抱きしめる。
「二人と離れるのはちょっと寂しいかな」
「うん、僕も寂しいよ」
二人の目に涙が溜まる。
「ジゼル様。そろそろお時間ですので馬車へ」
ヘンリクが声をかけると、ジゼルはアスから体を離して涙を拭う。
「それじゃあ、みんな行ってくるね」
皆に向かって笑顔で手を振ると、ジゼルは馬車に向きを変えて歩き出し馬車に乗り込んだ。
馭者がラッパの音を一つ鳴らすと、ジゼルを乗せた馬車はゆっくりと動き始める。
アス達は馬車が見えなくなるまで、その後ろ姿を見送った。
それから3ヶ月の月日が流れ、季節は寒さが身に染みる本格的な冬となっていた。
アスとヴェルノの二人は先日話していた通り、西の都メルウルハ内にあるセレンティート国民の自治特区を訪れ、そこを拠点に活動をしていた。
セレンティートの文化はアスにとって新鮮なものばかりであり、知的好奇心が満たされる毎日は充実したものであった。
だが、そんな日々もオーべの来訪によって突如終わりを迎えた。
久方ぶりに二人の前に現れたオーべのただならぬ様子にアスは一抹の不安を覚える。
オーべは気持ちを落ち着けるかのように呼吸を整えると、二人を真っ直ぐに見据えてから最悪の現実を告げた。
それは、調査に向かったジゼルの消息が途絶えたというものであった。
「ジゼル、緋雀が護衛についているといっても未開の地は危険な生物も多数いるだろうから無理はするなよ」
ヴェルノの言葉にジゼルは笑みを浮かべながら分かっているよと頷いた。
「ここからはヘンリクと共に馬車に乗ってもらい、途中の王郭西大門で他の緋雀と合流した後、そのまま旧都遺跡まで向かってもらうことになる。何かあればヘンリクを頼るといい、信頼できる男だ」
「はい。アレクシス様、色々準備いただいてありがとうございました。調査の任、しっかり果たします」
ペコリと頭を下げるジゼルにうんうんとアレクシスが頷く。
「ジゼル、気をつけてな」
「オーべさんも見送りに来てくれてありがとうございます。お母さんの姿を見れてすごく嬉しかったです」
「クレアの願いを叶えることができてよかったし、こちらこそジゼルには感謝してるよ。ありがとう」
オーべが軽く頭を下げるとジゼルは笑みを返した。
「あっそうだ。お父さんこれ」
ジゼルは鞄からシルバーに黒色が練り込まれたブレスレットを取り出し、ヴェルノに差し出した。
それは先日第三師団の出陣式の際に出店で買ったブレスレットだった。
「ん?くれるのか?」
「ちょっと早いけど、お父さんの誕生日プレゼント。しばらく会えなくなるから先に渡すね。アスと一緒に選んだんだよ」
「そうか。・・・二人ともありがとう。大切にするよ」
ヴェルノはブレスレットを受け取ると、早速左の手首に装着した。
「似合うか?」
ヴェルノがアスとジゼルにそれを見せながら嬉しそうな表情をした。
「うん、とっても似合ってる」
次にジゼルはアスに視線を移した。
「アス、色々あったけど戻ってきたらまたみんなで旅しようね。約束だよ」
「うん、お姉ちゃんも気をつけて。戻ったら、遺跡調査の話聞かせてね」
「ふふ、りょーかい。戻ったらいっぱい話をしてあげる」
ジゼルはそっとアスを抱きしめる。
「二人と離れるのはちょっと寂しいかな」
「うん、僕も寂しいよ」
二人の目に涙が溜まる。
「ジゼル様。そろそろお時間ですので馬車へ」
ヘンリクが声をかけると、ジゼルはアスから体を離して涙を拭う。
「それじゃあ、みんな行ってくるね」
皆に向かって笑顔で手を振ると、ジゼルは馬車に向きを変えて歩き出し馬車に乗り込んだ。
馭者がラッパの音を一つ鳴らすと、ジゼルを乗せた馬車はゆっくりと動き始める。
アス達は馬車が見えなくなるまで、その後ろ姿を見送った。
それから3ヶ月の月日が流れ、季節は寒さが身に染みる本格的な冬となっていた。
アスとヴェルノの二人は先日話していた通り、西の都メルウルハ内にあるセレンティート国民の自治特区を訪れ、そこを拠点に活動をしていた。
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だが、そんな日々もオーべの来訪によって突如終わりを迎えた。
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オーべは気持ちを落ち着けるかのように呼吸を整えると、二人を真っ直ぐに見据えてから最悪の現実を告げた。
それは、調査に向かったジゼルの消息が途絶えたというものであった。
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