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第四章 星天燃ゆる雪の都
六幕 「星喰と星天と希望の翼」 四
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デュランダ公との謁見の日から三日が経った。
アス、エラル、シオンの三人は多数の群衆が集まるユフムダルの中央広場におり、集まった群衆と共に中央広場の真ん中に造られた特設の処刑台と、その処刑台で鎖に繋がれた大柄の男を見つめていた。
男は先日見たユリクシエの調査ノートで被験者となっていたウィルマである。
調査ノートのあまりに惨い内容にアスたちは既にウィルマが命を落としているのだと思い込んでいたが、あくまで賊徒は公の場で処刑するのだとするデュランダ公の意思の下、ユリクシエはウィルマを殺さないように十分配慮しながら生体調査を行なっていたのだ。
処刑台の上で膝をつき頭を垂れているウィルマは四肢の腱を切られており、目もつぶされている。更に生体調査の傷跡が無数にあり、いつ命の炎が消えてもおかしくないようなぼろぼろの姿に見えた。
晴天の陽光が雪の都ユフムダルを暖かく包み込む今日、オグルスピア城ではエルダワイス国の各地から招かれた貴賓達の前でデュランダ公が世紀の発見と称するアーティファクトをお披露目するための式典が催される予定で、その開催に合わせて城下の中央広場ではウィルマの処刑を行うこととなっている。
本来なら祝賀の式典に際して処刑を行うことは縁起が良くないということで避けられるところであるが、リアスたちの攻撃があることを知ったデュランダ公は、その目的をウィルマの奪還と世紀の発見であるアーティファクトの奪取もしくは破壊であると推測し、あえて手の出しやすい中央広場にウィルマを配置することで、まずはそこにリアスたちを誘い込もうと考えたのだ。
「かなりの厳戒体制だけど、本当にリアスたちは今日攻撃してくるのかな・・・」
エラルが処刑台の厳重な警備を見ながらポツリとこぼす。
アスたちはユフムダルの兵士ではないため当然ながら警備の中には入れない。それでもリアスたちの攻撃があった場合に人々をできるだけ守れるようにと処刑台の近くで待機していた。
「可能性は高いと思うよ。攻撃するなら国の要人が列席する式典の最中が最も混乱させやすいだろうからね」
「まぁそうだよなぁ・・・。あとはこのあからさまな罠に引っ掛かるかどうかだよな」
「そうだね、僕もかなりあからさまだと思う。だけどこれが罠であっても仲間が生きていてこれから処刑されるってなれば、救出のために何かしらの行動には出るんじゃないかな。・・・ただ、処刑の告示は昨日だったから作戦変更はせずにウィルマを見捨てて主目的の達成を図る可能性も少なからずあるけどね」
「主目的ってなんだろな」
「そこまでは分からない。デュランダ公の推測通り、世紀の発見と称するアーティファクトを狙っているのかもね」
「となると、オグルスピア城が先に攻撃される可能性もあるってことか」
エラルが腕を組んで遠目に見えるオグルスピア城を見つめると、ここまで黙っていたシオンが口を開く。
「もしそうなったらオグルスピア城にいるレンちゃんとモードレッドさんが心配ね。大丈夫かしら・・・」
先日の謁見の際にレンとモードレッドは正式に式典に招待されたため、アスたちは二手に分かれてリアスに備えることにしていたのだ。
「オグルスピア城はここよりも更に厳重な警備になっているから大丈夫だと思うよ。モードレッドさんは拳聖と呼ばれるくらいの強者だし、ユフムダルにいる志征もほぼ城内に配置されているからね」
「それはそうなんだろうけど、なんだか胸騒ぎがして・・・」
シオンは不安そうな表情でオグルスピア城に視線を向けた。
程なくして正午を知らせる鐘が街中に響き渡る。
その鐘の音を境に中央広場に集まっていた群衆は皆一様に口を閉じて公共放送用の魔伝機に注目した。
正午の鐘を合図に式典が開始されることになっており、デュランダ公による開催の挨拶が街の各所に設置された魔伝機を通じて街全体に放送されることとなっていたからだ。
「・・・いよいよ始まるな」
「うん、デュランダ公が何を発表するのか気になるところだけど、リアスたちの攻撃が始まる可能性もあるからエラルもシオンも気を抜かないようにね」
街全体が静寂に包まれる中、デュランダ公の声が魔伝機を通してユフムダルの街全体に放送され始めた。
アス、エラル、シオンの三人は多数の群衆が集まるユフムダルの中央広場におり、集まった群衆と共に中央広場の真ん中に造られた特設の処刑台と、その処刑台で鎖に繋がれた大柄の男を見つめていた。
男は先日見たユリクシエの調査ノートで被験者となっていたウィルマである。
調査ノートのあまりに惨い内容にアスたちは既にウィルマが命を落としているのだと思い込んでいたが、あくまで賊徒は公の場で処刑するのだとするデュランダ公の意思の下、ユリクシエはウィルマを殺さないように十分配慮しながら生体調査を行なっていたのだ。
処刑台の上で膝をつき頭を垂れているウィルマは四肢の腱を切られており、目もつぶされている。更に生体調査の傷跡が無数にあり、いつ命の炎が消えてもおかしくないようなぼろぼろの姿に見えた。
晴天の陽光が雪の都ユフムダルを暖かく包み込む今日、オグルスピア城ではエルダワイス国の各地から招かれた貴賓達の前でデュランダ公が世紀の発見と称するアーティファクトをお披露目するための式典が催される予定で、その開催に合わせて城下の中央広場ではウィルマの処刑を行うこととなっている。
本来なら祝賀の式典に際して処刑を行うことは縁起が良くないということで避けられるところであるが、リアスたちの攻撃があることを知ったデュランダ公は、その目的をウィルマの奪還と世紀の発見であるアーティファクトの奪取もしくは破壊であると推測し、あえて手の出しやすい中央広場にウィルマを配置することで、まずはそこにリアスたちを誘い込もうと考えたのだ。
「かなりの厳戒体制だけど、本当にリアスたちは今日攻撃してくるのかな・・・」
エラルが処刑台の厳重な警備を見ながらポツリとこぼす。
アスたちはユフムダルの兵士ではないため当然ながら警備の中には入れない。それでもリアスたちの攻撃があった場合に人々をできるだけ守れるようにと処刑台の近くで待機していた。
「可能性は高いと思うよ。攻撃するなら国の要人が列席する式典の最中が最も混乱させやすいだろうからね」
「まぁそうだよなぁ・・・。あとはこのあからさまな罠に引っ掛かるかどうかだよな」
「そうだね、僕もかなりあからさまだと思う。だけどこれが罠であっても仲間が生きていてこれから処刑されるってなれば、救出のために何かしらの行動には出るんじゃないかな。・・・ただ、処刑の告示は昨日だったから作戦変更はせずにウィルマを見捨てて主目的の達成を図る可能性も少なからずあるけどね」
「主目的ってなんだろな」
「そこまでは分からない。デュランダ公の推測通り、世紀の発見と称するアーティファクトを狙っているのかもね」
「となると、オグルスピア城が先に攻撃される可能性もあるってことか」
エラルが腕を組んで遠目に見えるオグルスピア城を見つめると、ここまで黙っていたシオンが口を開く。
「もしそうなったらオグルスピア城にいるレンちゃんとモードレッドさんが心配ね。大丈夫かしら・・・」
先日の謁見の際にレンとモードレッドは正式に式典に招待されたため、アスたちは二手に分かれてリアスに備えることにしていたのだ。
「オグルスピア城はここよりも更に厳重な警備になっているから大丈夫だと思うよ。モードレッドさんは拳聖と呼ばれるくらいの強者だし、ユフムダルにいる志征もほぼ城内に配置されているからね」
「それはそうなんだろうけど、なんだか胸騒ぎがして・・・」
シオンは不安そうな表情でオグルスピア城に視線を向けた。
程なくして正午を知らせる鐘が街中に響き渡る。
その鐘の音を境に中央広場に集まっていた群衆は皆一様に口を閉じて公共放送用の魔伝機に注目した。
正午の鐘を合図に式典が開始されることになっており、デュランダ公による開催の挨拶が街の各所に設置された魔伝機を通じて街全体に放送されることとなっていたからだ。
「・・・いよいよ始まるな」
「うん、デュランダ公が何を発表するのか気になるところだけど、リアスたちの攻撃が始まる可能性もあるからエラルもシオンも気を抜かないようにね」
街全体が静寂に包まれる中、デュランダ公の声が魔伝機を通してユフムダルの街全体に放送され始めた。
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