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レンヴァル村の戦い
レンヴァル村の守護者
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「話をガラっと変えるケド、私の【天沼矛】から水の刃が出なくなっちゃったの!!将軍、なんでか分かる??」
何故か泣き真似をしながら、思い出したかのように絵美が話題を変える。
「神器は人の肉体・精神疲労に反応するんだ。閾値みたいなモノが存在し、それを越えると特性が全く使えなくなるんだ」
ランカストが答えると「成る程!」と航太が手を叩く。
「つまり、その閾値を超えるまでは普通に使えるケド、超えちゃうと全く使えなくなるのか!!」
「おっ!!航太は頭の回転が早いな!!」
航太の答えに、ランカストが大きく頷いて言った。
「じゃあ、閾値を超えないように、普段から疲労を抜く事が大切なんだね♪だから、飲み会開いてくれちゃったのかなぁ~?」
飲んでも無い絵美が、何故かランカストに絡み始める。
「肉体疲労より、精神疲労を抜く方が難しいからな。神剣を使う者として、常にそれを万全に使えるようにするのは当然の事だ………」
「それに、ランカスト将軍も自分の兵を失ったんだ。飲みたくもなるさ!!」
航太の言葉にランカストは頷くと、ジョッキのようなグラスに入った葡萄酒を一気に飲み干した。
「連戦の疲れと、智美を失った精神的ショックが重なったから、2人とも閾値を超えちゃったのかもね」
剣の力が引き出せなくなった事を聞いていたゼークが、2人に向かって声をかけた。
「智ちゃん…………無事でいてくれるかな?ご飯、ちゃんと食べてるよね?」
智美の話が出た途端、絵美から笑顔が消えて顔が曇る。
「大丈夫………………って信じたいけど、戦場で行方不明になったんだ…………実際、どうなんだろうな………」
航太も絵美も、激しい戦場で命懸けで戦ってきた。
その為、戦場で1人取り残され、逃げ延びる事がいかに難しいか…………頭で理解してしまっていた。
「まぁ心配ではあるが、フェルグスとロキの部隊だったんだろ?捕まっていても、手荒な事はされないだろう」
「捕虜になってれば、そのうち受け渡しの連絡が来るはずだから………智美を信じて待とう………………ねっ☆」
ランカストとゼークの言葉は力があり、不思議と安心できて、智美は本当に捕虜として無事なのではないか…………と思ってしまう。
「ねぇ…………聞きたかったんだけど、航太達は何をしにベルヘイムに来たの?4人とも神器を持ってるなんて、ただの旅行者って訳でも無いでしょ?」
突然のゼークの問いに、航太と絵美は顔を見合せ、その額からは汗が流れ落ちる。
「いやっ……………まぁねぇ…………一真が来たいってだけの話で、俺達は何をしに来たのかな?」
「やっぱ、カズちゃんに聞いてみないと分からないよね!!でも、コッチ来てから変わっちゃったから、話しかけ辛いなー」
2人のしどろもどろ感に、ゼークは頭の上から「?」マークを出している。
「まぁほら、お酒の席に相応しく無いよ!!それにしても、ランカスト将軍、兵隊さん達からメチャ人気高いよね♪」
絵美が話題を変えようと、おちゃらけて言う。
「それは当然よ☆なんたって、ランカスト将軍は正義の騎士なんだから☆」
「へー♪何か、格好いいエピソードなんて、あっちゃったりするの??」
ゼークが何か話したそうにしているので、うまく話を逸らせそうに感じた絵美も釣られてその話に乗っかっていく。
「おいおい、別に昔の話はいいだろ」
ゼークを止めようとするランカストに、航太は葡萄酒を注いで気を逸らす。
「ランカスト将軍、こんな日ぐらいしか話す機会ないんだから、昔話しましょうよ!!」
葡萄酒を飲みながら、航太も煽たった。
「昔ね、ベルヘイム国に【ユトムンダス】って巨体のヨトゥンが攻めて来た事があったの。ベルヘイムにヨトゥン軍の進行を許したのはユトムンダスの軍が始めてで、さらにユトムンダスは神剣【デュランダル】を持ってたの!!」
「【デュランダル】って、今ランカスト将軍が持ってる神剣と同じ♪」
「それに、ユトムンダスか……………さっき、慰霊碑でもその名前出てたよな」
ゼークの話に、絵美と航太が首を突っ込む。
「そう、神剣である【デュランダル】を持つユトムンダスに、レンヴァル村の村人も駐屯していた騎士も犠牲になったの。そこに現れたるは、ベルヘイムの誇り、白銀の騎士!!」
「………………」
エスカレートするゼークのテンションに、ランカストは呆れ顔になっていく。
そのゼークの膝からスルリと机に移動したガーゴが、クチバシについたテープを机の角を使って器用に剥がす。
そして、テープが外れ自由になったクチバシから、ついに声が漏れはじめる。
「そこで、ランカストVSユトムンダスが始まるんでしゅね~~~うひゃ~~痺れる展開でしゅね~~~~」
「ひゃあ~~♪楽しくなってきた♪♪」
ゼーク、絵美のハイテンションに、ガーゴまで絡み始め、いよいよ収拾がつかなくなり始めた。
(コイツら……………酒飲んでねーよな……………?)
最初は煽っていた航太だったが、3人?のテンションに若干引き始め、冷静になりつつあった。
酒を飲んでる側が冷静という不可思議な状況ではあるが、宴は続いていく………………
何故か泣き真似をしながら、思い出したかのように絵美が話題を変える。
「神器は人の肉体・精神疲労に反応するんだ。閾値みたいなモノが存在し、それを越えると特性が全く使えなくなるんだ」
ランカストが答えると「成る程!」と航太が手を叩く。
「つまり、その閾値を超えるまでは普通に使えるケド、超えちゃうと全く使えなくなるのか!!」
「おっ!!航太は頭の回転が早いな!!」
航太の答えに、ランカストが大きく頷いて言った。
「じゃあ、閾値を超えないように、普段から疲労を抜く事が大切なんだね♪だから、飲み会開いてくれちゃったのかなぁ~?」
飲んでも無い絵美が、何故かランカストに絡み始める。
「肉体疲労より、精神疲労を抜く方が難しいからな。神剣を使う者として、常にそれを万全に使えるようにするのは当然の事だ………」
「それに、ランカスト将軍も自分の兵を失ったんだ。飲みたくもなるさ!!」
航太の言葉にランカストは頷くと、ジョッキのようなグラスに入った葡萄酒を一気に飲み干した。
「連戦の疲れと、智美を失った精神的ショックが重なったから、2人とも閾値を超えちゃったのかもね」
剣の力が引き出せなくなった事を聞いていたゼークが、2人に向かって声をかけた。
「智ちゃん…………無事でいてくれるかな?ご飯、ちゃんと食べてるよね?」
智美の話が出た途端、絵美から笑顔が消えて顔が曇る。
「大丈夫………………って信じたいけど、戦場で行方不明になったんだ…………実際、どうなんだろうな………」
航太も絵美も、激しい戦場で命懸けで戦ってきた。
その為、戦場で1人取り残され、逃げ延びる事がいかに難しいか…………頭で理解してしまっていた。
「まぁ心配ではあるが、フェルグスとロキの部隊だったんだろ?捕まっていても、手荒な事はされないだろう」
「捕虜になってれば、そのうち受け渡しの連絡が来るはずだから………智美を信じて待とう………………ねっ☆」
ランカストとゼークの言葉は力があり、不思議と安心できて、智美は本当に捕虜として無事なのではないか…………と思ってしまう。
「ねぇ…………聞きたかったんだけど、航太達は何をしにベルヘイムに来たの?4人とも神器を持ってるなんて、ただの旅行者って訳でも無いでしょ?」
突然のゼークの問いに、航太と絵美は顔を見合せ、その額からは汗が流れ落ちる。
「いやっ……………まぁねぇ…………一真が来たいってだけの話で、俺達は何をしに来たのかな?」
「やっぱ、カズちゃんに聞いてみないと分からないよね!!でも、コッチ来てから変わっちゃったから、話しかけ辛いなー」
2人のしどろもどろ感に、ゼークは頭の上から「?」マークを出している。
「まぁほら、お酒の席に相応しく無いよ!!それにしても、ランカスト将軍、兵隊さん達からメチャ人気高いよね♪」
絵美が話題を変えようと、おちゃらけて言う。
「それは当然よ☆なんたって、ランカスト将軍は正義の騎士なんだから☆」
「へー♪何か、格好いいエピソードなんて、あっちゃったりするの??」
ゼークが何か話したそうにしているので、うまく話を逸らせそうに感じた絵美も釣られてその話に乗っかっていく。
「おいおい、別に昔の話はいいだろ」
ゼークを止めようとするランカストに、航太は葡萄酒を注いで気を逸らす。
「ランカスト将軍、こんな日ぐらいしか話す機会ないんだから、昔話しましょうよ!!」
葡萄酒を飲みながら、航太も煽たった。
「昔ね、ベルヘイム国に【ユトムンダス】って巨体のヨトゥンが攻めて来た事があったの。ベルヘイムにヨトゥン軍の進行を許したのはユトムンダスの軍が始めてで、さらにユトムンダスは神剣【デュランダル】を持ってたの!!」
「【デュランダル】って、今ランカスト将軍が持ってる神剣と同じ♪」
「それに、ユトムンダスか……………さっき、慰霊碑でもその名前出てたよな」
ゼークの話に、絵美と航太が首を突っ込む。
「そう、神剣である【デュランダル】を持つユトムンダスに、レンヴァル村の村人も駐屯していた騎士も犠牲になったの。そこに現れたるは、ベルヘイムの誇り、白銀の騎士!!」
「………………」
エスカレートするゼークのテンションに、ランカストは呆れ顔になっていく。
そのゼークの膝からスルリと机に移動したガーゴが、クチバシについたテープを机の角を使って器用に剥がす。
そして、テープが外れ自由になったクチバシから、ついに声が漏れはじめる。
「そこで、ランカストVSユトムンダスが始まるんでしゅね~~~うひゃ~~痺れる展開でしゅね~~~~」
「ひゃあ~~♪楽しくなってきた♪♪」
ゼーク、絵美のハイテンションに、ガーゴまで絡み始め、いよいよ収拾がつかなくなり始めた。
(コイツら……………酒飲んでねーよな……………?)
最初は煽っていた航太だったが、3人?のテンションに若干引き始め、冷静になりつつあった。
酒を飲んでる側が冷静という不可思議な状況ではあるが、宴は続いていく………………
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