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それぞれの旅立ち
ガラバ・グランロッド
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ガキィィ!
ガキィィィン!
閃光の如き煌めきと共に、金属が擦り合う音が周囲に響き渡る。
「ガラバ、軍を抜けるとは何事だ! 我が子とはいえ、許さんぞ!」
ガラバ・グランロッド
白き鎧を身につけた青年は容姿端麗であり、女性のような綺麗な顔立ちに、スラッとした長い手足……まるでモデルのような体型だ。
そのガラバの手に握られるのは、聖剣ガラディーン。
聖剣の代名詞であるエクスカリバーの姉妹剣である。
そのガラバと剣を交えているブレスタ・グランロッドの手に握られているアロンダイトも、エクスカリバーの兄弟剣だ。
ブレスタはガラバに年を重ねさせたような容姿であり、ナイスミドルと呼ぶに相応しく思慮深さも兼ね備えている。
ブレスタはガラバの父親であり、数々の激戦をくぐり抜けている為、その出で立ちも魅力的だ。
「父さん、なんで僕達はヨトゥン軍なんだ! 先祖達は人間の為に戦ってたって聞いている! この剣だって、人の為に振るわれなければいけない筈だっ!」
ガラバは、ガラディーンを振りながら叫ぶ。
2人の剣は金色に輝き、剣の軌跡には黄金の輝きが残る。
「そんな変な情報を、どこで仕入れて来た! ロキ殿の理想の為に戦う事が、将来ミッドガルドを良くするんだ! つまり、人の為に戦っているという事が、何故分からん!」
「それが……本当に事実なのか? 僕は、あの鳳凰の翼……彼の戦いが頭から離れない。人々を守り戦い抜いた、あの姿が! 僕はこの目で世界を見て、本当に正しいと思う事をしたいんだ! 誰かに命令されるまま……信念も無く戦いたくはない!」
ガラバの繰り出した渾身の一撃に、ブレスタの身体は後退を余儀なくされた。
「我が子ながら……良い腕だ。だが、強い力には責任が伴う。ガラディーンに認められた力……自分勝手に使う事は許さん!」
ブレスタの声に反応したアロンダイトは、更に金色の輝きを放ち、その力を解放する。
「なにが、責任が伴う……だ! だいたい、僕達の先祖は女性問題で人間を裏切ったんだろ! 責任を持って力を使うなら、そんな無責任な事は出来ない筈だ!」
ガラバの言葉に、ブレスタの表情が険しいものに変わった。
「ご先祖様を侮辱するか……貴様など、もう息子だとは思わん! どの道、脱走兵は死刑だ。ならば、私が引導を渡してやる……死ね!」
力を解放したアロンダイトは光を纏い、その光が閃光を生み出しガラバを襲う!
「ぐわぁっ!」
閃光を辛うじてガラディーンで受け止めたガラバだったが、その身体は宙に浮き、そのまま地面に叩き付けられる。
「ぐっ! 聖剣の力の使い方が上手い! やっぱり、父さんには勝てないのか……」
それでも、信念を曲げたくない……ガラディーンを支えにしながら、ガラバは立ち上がった。
「ブレスタの子よ……なかなかの青年に育ったな。一度、旅に出すのも悪い事ではない」
2人は思わず剣を収め、頭を垂れる。
「そう畏まるな。そなた達は、我が軍でも貴重な聖剣使いだ。もっと、堂々としていろ。それより、旅に出たいと言うなら出してみたらどうだ?」
「ロキ様! 私情で軍を抜けるなど、重罪です! 我が子と言えど例外では……」
ブレスタの言葉を、ロキが手を広げて遮った。
「勝手に出て行けば重罪だが、我が命で行くなら問題はないだろう? ガラバ、聖杯伝説は知っているな? アースガルズに隠されていると言われているオリジナルの聖杯を探し出してくれ。今後の世界を統治する上で、大切な任務だ。その過程で、どの軍に……騎士団に入ろうが自由という事にしておけば、心置きなく旅立てるだろ?」
ロキが悪戯な笑みを向けた相手……何を言われたか半信半疑でポカンとするガラバの頭をブレスタが掴み、頭を下げさせる。
「ロキ様、ありがとうございます! お前も礼を言え! 普通の部隊なら、反旗を翻した時点で死罪決定なんだぞ! それを、こんな恩情まで……」
ブレスタに促され、訳も分からずガラバも頭を下げた。
「若いうちに色々見ておく事は良い事だ。人間の一生は短いからな」
ロキはブレスタとガラバに立ち上がるように促すと、踵を返す。
そして、独り言の様に……誰にも聞こえないような声で呟く。
「辿り着く場所は結局一緒だ。バルドルがどんなに抵抗しようが、この世界を救う方法は1つしかない。だが、奴の元には人が集まる。厄介な程にな……」
と……
そんなロキの背中に向かってもう一度頭を下げると、ガラバは反対側に歩き始める。
自分の先祖が、何故ヨトゥン軍に協力したのか?
自分も、ヨトゥンの為に剣を振わなければいけないのか?
そもそも、剣とは弱き者を守るモノではないのか?
そんなガラバの頭の中には、自分の主と互角に戦っていた騎士の姿が常にいる。
大地に……人に落とされる雷を身を挺して止め、そして自らを犠牲にして人を守る為に戦い続けた鳳凰の翼を纏いし騎士……
理想……と言うには、おこがましい。
それでも、その騎士と共に歩んでみたいと思う。
反逆罪で殺されても、信念も無く、命令されるがまま戦うより遥かにマシだ。
そうガラバに思わせる程に、その騎士の影響力は凄かった。
確かに、ロキは主として支えるに足りる人物だとは思う。
ただ、自分の理想の騎士を追い詰めたロキにガラバは嫌悪感を覚える。
ガラバは一度も振り返らず、ロンスヴォを後にした。
ガキィィィン!
閃光の如き煌めきと共に、金属が擦り合う音が周囲に響き渡る。
「ガラバ、軍を抜けるとは何事だ! 我が子とはいえ、許さんぞ!」
ガラバ・グランロッド
白き鎧を身につけた青年は容姿端麗であり、女性のような綺麗な顔立ちに、スラッとした長い手足……まるでモデルのような体型だ。
そのガラバの手に握られるのは、聖剣ガラディーン。
聖剣の代名詞であるエクスカリバーの姉妹剣である。
そのガラバと剣を交えているブレスタ・グランロッドの手に握られているアロンダイトも、エクスカリバーの兄弟剣だ。
ブレスタはガラバに年を重ねさせたような容姿であり、ナイスミドルと呼ぶに相応しく思慮深さも兼ね備えている。
ブレスタはガラバの父親であり、数々の激戦をくぐり抜けている為、その出で立ちも魅力的だ。
「父さん、なんで僕達はヨトゥン軍なんだ! 先祖達は人間の為に戦ってたって聞いている! この剣だって、人の為に振るわれなければいけない筈だっ!」
ガラバは、ガラディーンを振りながら叫ぶ。
2人の剣は金色に輝き、剣の軌跡には黄金の輝きが残る。
「そんな変な情報を、どこで仕入れて来た! ロキ殿の理想の為に戦う事が、将来ミッドガルドを良くするんだ! つまり、人の為に戦っているという事が、何故分からん!」
「それが……本当に事実なのか? 僕は、あの鳳凰の翼……彼の戦いが頭から離れない。人々を守り戦い抜いた、あの姿が! 僕はこの目で世界を見て、本当に正しいと思う事をしたいんだ! 誰かに命令されるまま……信念も無く戦いたくはない!」
ガラバの繰り出した渾身の一撃に、ブレスタの身体は後退を余儀なくされた。
「我が子ながら……良い腕だ。だが、強い力には責任が伴う。ガラディーンに認められた力……自分勝手に使う事は許さん!」
ブレスタの声に反応したアロンダイトは、更に金色の輝きを放ち、その力を解放する。
「なにが、責任が伴う……だ! だいたい、僕達の先祖は女性問題で人間を裏切ったんだろ! 責任を持って力を使うなら、そんな無責任な事は出来ない筈だ!」
ガラバの言葉に、ブレスタの表情が険しいものに変わった。
「ご先祖様を侮辱するか……貴様など、もう息子だとは思わん! どの道、脱走兵は死刑だ。ならば、私が引導を渡してやる……死ね!」
力を解放したアロンダイトは光を纏い、その光が閃光を生み出しガラバを襲う!
「ぐわぁっ!」
閃光を辛うじてガラディーンで受け止めたガラバだったが、その身体は宙に浮き、そのまま地面に叩き付けられる。
「ぐっ! 聖剣の力の使い方が上手い! やっぱり、父さんには勝てないのか……」
それでも、信念を曲げたくない……ガラディーンを支えにしながら、ガラバは立ち上がった。
「ブレスタの子よ……なかなかの青年に育ったな。一度、旅に出すのも悪い事ではない」
2人は思わず剣を収め、頭を垂れる。
「そう畏まるな。そなた達は、我が軍でも貴重な聖剣使いだ。もっと、堂々としていろ。それより、旅に出たいと言うなら出してみたらどうだ?」
「ロキ様! 私情で軍を抜けるなど、重罪です! 我が子と言えど例外では……」
ブレスタの言葉を、ロキが手を広げて遮った。
「勝手に出て行けば重罪だが、我が命で行くなら問題はないだろう? ガラバ、聖杯伝説は知っているな? アースガルズに隠されていると言われているオリジナルの聖杯を探し出してくれ。今後の世界を統治する上で、大切な任務だ。その過程で、どの軍に……騎士団に入ろうが自由という事にしておけば、心置きなく旅立てるだろ?」
ロキが悪戯な笑みを向けた相手……何を言われたか半信半疑でポカンとするガラバの頭をブレスタが掴み、頭を下げさせる。
「ロキ様、ありがとうございます! お前も礼を言え! 普通の部隊なら、反旗を翻した時点で死罪決定なんだぞ! それを、こんな恩情まで……」
ブレスタに促され、訳も分からずガラバも頭を下げた。
「若いうちに色々見ておく事は良い事だ。人間の一生は短いからな」
ロキはブレスタとガラバに立ち上がるように促すと、踵を返す。
そして、独り言の様に……誰にも聞こえないような声で呟く。
「辿り着く場所は結局一緒だ。バルドルがどんなに抵抗しようが、この世界を救う方法は1つしかない。だが、奴の元には人が集まる。厄介な程にな……」
と……
そんなロキの背中に向かってもう一度頭を下げると、ガラバは反対側に歩き始める。
自分の先祖が、何故ヨトゥン軍に協力したのか?
自分も、ヨトゥンの為に剣を振わなければいけないのか?
そもそも、剣とは弱き者を守るモノではないのか?
そんなガラバの頭の中には、自分の主と互角に戦っていた騎士の姿が常にいる。
大地に……人に落とされる雷を身を挺して止め、そして自らを犠牲にして人を守る為に戦い続けた鳳凰の翼を纏いし騎士……
理想……と言うには、おこがましい。
それでも、その騎士と共に歩んでみたいと思う。
反逆罪で殺されても、信念も無く、命令されるがまま戦うより遥かにマシだ。
そうガラバに思わせる程に、その騎士の影響力は凄かった。
確かに、ロキは主として支えるに足りる人物だとは思う。
ただ、自分の理想の騎士を追い詰めたロキにガラバは嫌悪感を覚える。
ガラバは一度も振り返らず、ロンスヴォを後にした。
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