「化け猫」

夢幻

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「蛇女郎」5 ☁️

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神社は、街を見渡せる位置にあり眺めはいい
山頂の頂き近くにあるため、木々は多く回りは柵で囲われている。鳥居近くの柵からは街が眺められるように木々はまばらで、街の景観は遠く迄見渡せて壮観だ


また、鳥居の左右離れた所に木々の緑陰がかかる木のベンチがある
長い階段を登ってきた人への配慮と思う
いつから、このベンチはあるのだろう


蛇は、ベンチの背もたれの上にいた


木でできたベンチは年月が立っているように見えるが、そんなに昔々と思えない、もうずっと昔からあって時と共に風化し姿形を変え、現在この形と思う


(最初は、岩や石だったかな)と蛇は思う
そして、色々思い出していった


「ここは、昔山々に囲われていた」と、何かの折に神主が参拝に来た客に言っていた
(あの時は、確か高い木の枝にひっそりいたんだっけ、暑くなかったから春だったかな)と蛇は思い、山の頂きの眺めのよい空に、スゥっと後ろから吹いた風に、スッと気持ちが大きくなったように感じた


ここら一帯の山々が切り開かれずにいたら、豊かな山の緑、岩の間から湧き出る澄んだ綺麗な水はそのままであっただろう


神社の手水に流れる水は龍の姿の口から流れ、水道を使わない山の水、それは時を超えて今も龍の口からチョロチョロと流れている毎日


蛇は、細長い胴でぐるっと見渡した
反対側の鳥居の向こうのベンチに目をやり、境内、手水の龍の口から流れる水、遠くに見える空と白い雲を


木々の山々の奥行きある連なり、山の合間から見える煙る白雲


5月ならば
鮮明に見える山の緑
山間から見える切り立った岩肌は白く


夏ならば
燃えさかる山の緑


暑さ緩む
残暑、山の頂きともなると
冷涼な気に、冬の寒さを見る心地


冬は、もうすぐそこと思った


前迄は
聳え立つ山の緑に、
山間からみる山の切り立った岩肌は白く
カッと眩しく暑く見えていたが、
涼しさの中に冷たさのある風に
煙る白雲のせいか木々の色と共に白く霞んで落ちついてみえ


連なる山々の澄みやかで冷たい気は、
今迄や山が蓄えてきた冷たい水に思え


それが
水底が見える透きとおった水が景観に沿い
空中一帯に広がっているような湖の様に、
何度身体を滑らせ、あるように見える水に入りたいと見渡したことか


今は山ではなく、遠くに翳むビル群を白い雲と共に見る


山々がないことで、確かに遠く迄見渡せるが
前のように湖に思うことはない


今では涼しく吹く風も、昔のように水に浸かってるような冷たさはなくなった


蛇は、神社から見える全景にふうっとため息をついた


自分は昔の風景なんて見た事ないのに、見たように思ってしまった事に、この神社に訪れるお年寄りが口にする事が、印象のようになっていて、そんなふうに思ったのか、又は一陣の風が通り過ぎた事でそう思ったのか、哀切なうような気持ちに、空の色がいつもより透明に見えている気がし


蛇は、最近訪れた老夫婦を思い出していた



続く→
「蛇女郎」6
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