「化け猫」

夢幻

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「蛇女郎」

「蛇女郎」9 ☁️

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あの日から、かりんの体に入ってから、かりんの好みを尊重しているかりんの本や描いたモノや集めたモノや両親があなたの好きなTV始まったわよ、今日は、あなたの好きなオカズよと言われれば、こう言うのが好きなのかと色々延長で考えた


かりんの好きなモノを趣味思考を、かりんと一緒に境内で遊んだ日々を思い出す

境内でかりんと過ごす日々の中
一度だけ、かりんと一緒に帰った


一緒に帰っていて、良かったと心底思った

帰っていなければ、かりんの家は分からず途方にくれていただろう


ある日、かりんが
「一緒に帰ろう。一回だけ、ね。一緒に家で過ごそう。絶対、家の人にわからないようにするから、ね」と言った

翌日、午前中には神社に戻った
神社と家は、100mも離れていない
坂道の一本道の一軒家

一緒に帰ろうと言われたあの日、初めてかりんにさわること許した
どきどきだった
人間に触られるのは
あの小さな手に触られるのは
かりんの砂のついた手は、
柔らかく暖かく想像以上だった
かりんの喜ぶ顔に、私はかりんの腕に巻きつき、かりんの顔近くで、チロチロと赤い舌を出した

何度繰り返しただろう
かりんのうれしそうな顔に、ついかりんの腕に一回二回巻きついていって近づき、かりんの顔近くに自分の顔を近づけたり、首にシュルっと巻きついてかりんの鼻の頭をペロと触る
かりんの、きゃとした顔

あの嬉しそうな顔は、忘れられない

かりんのうれしそうな顔に、つい気がのってした行動ではないと、今では思う

私が、かりんに甘えたのだ
撫ででもらって嬉しくて、私のことを好きだかっこいいと言ってくれたかりんに撫でてもらっているのが嬉しくて、私はかりんに甘えた


なんども、なんどもやさしく私を撫でるかりん
私を、肩にかけたポシェットに入れて帰った
ポシェットはチャックで、開けといてくれたから家迄の道は見えていた

家についてすぐにかりんは自分の部屋にいって、机の引き出しに私を入れた
「ちょっと、ここにいてね」といった

かりんといるのは楽しかったが、ハラハラドキドキしどおしだった
翌日、神社に帰ってきた時はホッとした
今は、いい思い出だ
私は両膝をきゅっつと抱え 
少し顔を持ち上げ部屋を見回した


この部屋は、私が来た時とまったく同じではない

ベッドは、新しいモノに変わった
カーテンも、新しいモノに変わった
机と本棚が増えた
増えたモノは沢山ある




続く→
「蛇女郎」10
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