「化け猫」

夢幻

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「蛇女郎」9

「蛇女郎」 エピローグ2

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朝の清い、神社の気に混じって黒く濁った気が、煙草や香水、シャンプーの匂いと一緒に混じってる


見なくてもわかる
人数は6人。社の裏にいる



笑えて仕方ない。人を仕留めにくる時は匂いを消してくるモノだ


この長い神社の階段を、朝早く登ってくる事に感心する。頑張って、早起きするくらいかりんをとっちめるのに、よい場所と思ってるからだ


私の気分は、朗らかだ
お腹の中から笑いが込み上げてきて、口端が上がる
この長い階段を、物凄い勢いでススススーと登ってしまうのを堪えたのだが、ついつい2、3段飛びで10m程駆け上がってしまった


いつも、神社の石畳の階段を上がる時は、古巣に帰ってきたように、気分が弾むっw
木々やシダ類の鬱蒼とした匂いに、陽の当たらぬ木々暗い影、湿った土の匂い


かりんが、このまま戻らなかったらどうしよう
今後の進路!
かりんの好きな絵か、植物学者とどっち?と悩んでいる事も吹っ飛んでいる


彼らがいるとなると、つい気分が高揚してルンルンする
顔が上に向いて、鳥居に張り付いているように見える青い空に、最後の階段の段は、弾んで着地をしてしまう


前の時は、爆走してしまったっw
神社は、山の頂きにあると言っても、他の高い山に比べたら、中腹位の高さ
一直線に、結構急な高さの階段
いつ何時、下から人に見られないとも限らないのに
うっかり人に見られたらたら、猿か、忍者のように思われるだろう「what!!!」って


私は、かりんが早朝ジョギングをする事を、神社に寄る事を、かりんの友達にクラスメイトに喋っている


それを聞いてきたのだろう


かりんを見て、つけて、習慣を調べ、後をつけてくる物がいる


他校生やストーカー、痴漢もどき
私は、かりんが意識を戻さなくなった時から、一定数の人間がかりんを、子供を女性を狙う人間がいる事を理解した


寄せ付けてしまうなら、防げないなら、そう言う彼らを、かりんを使って葬っていけばよいと、日々少しづつ思っていった



私は、賽銭箱にお金を投げ、手を合わせ、顔を上げる


ジャリジャリと音を立て、わらわらと出てくる彼ら
甘い匂いが漂う
ストロベリーの匂い
どの子と思う


(女の子もいて、6人か)
黒Tに下紫のスエット、白Tに半ズボン、ダメージジーンズにダボパーカ2人色違い、スケーター風の子、黒Tは後に龍の絵があった。彼らはイラつく様子を態度に出して「ヤンキー」って感じ、きっとヤンキーなんだなと思い、そして女の子が一人。キャップにダボパーカー、ショーパン、口がモゴモゴ動いていて、この子かと思う。キャンディーの子は


髪は、全員黒。服装ヤンキー、学校では普通に通してるのか、中学生だしなと思うも、高校生が2名いるよう(ガタイと雰囲気)
他校生と思ったけど、何かの遊び仲間
女の子はかりんより一個二個上か、かりんと同じ学校?が気になった、どうなんだろうって


「へへっへ」


「よう」


「朝、早いねー」と、ゾロゾロとかりんを囲む


「朝早くから頑張るんだ。でも、危ないんじゃない。この場所に一人で」


「同じ学校?」


「何俺ら、そんなに幼く見える?心外だな」


「こっち来いよ、歳上だって教えてやるよ」
高校生と思った奴らは、互いに目配せをする


「聞くほど、可愛くないじゃん。こんなのに、ちょっかい出したの」


「いいだろ!ちょっと揶揄った位、第一こいつじゃない。揶揄ったの。何発もパンチ入れやがって」



(まあ、あの子も可愛いよな。人間基準だと)
中学生と思ったのは中学生で、声で分かった
かりんの友達に絡んで、胸触った奴だ
警察に電話すれば良かったな、痴漢ですって言って
目論むタイプかと思った。まあ、なんらかの繋がりか、この女の子誰かの幼馴染、妹か。にしてもこの子、なんかふてぶてしい感じが...


「仕返しか、ぞろぞろと」


「お前ら、年下の言う事ヘラヘラ聞くのか」


「生意気な口だな」と脅すように言い、一気にかりんに詰め寄り、かりんの胸ぐらを掴むように手が伸びるのを、思いっきり手を払う


「なになに?なんなの?」
と余裕かましてるふうに言っていたが、払われた手は思いのほか、痛かったと思う


元凶の男の子とちょっと口喧嘩になった女の子は、まだ何か言い合っていて、3人がかりんに詰め寄ってきて、私は、その場に座り込んだ


以外な、かりんの動作に


「あれれ、どうしちゃったの?腰が抜けたの?」
「怖くなった?」と揶揄い囃し立てる彼らを気にする事なく、私はかりんのウェストポーチから、蛇の私を取り出し、私は両手に私を持た


「ナニ?」


「なんなの?」
と彼らは、偉そうなそぶりで、座り込んだ、かりんが取り出した物を、見下ろしガン見し始めた。緑色の渦を巻いた物を、最初はよくわからなかったようだ

私は首を上げ彼ら全員、ぐるっとひと睨み


「えっ」

「あっ」彼ら何人かから驚く声が出る


彼らの見る中、私の体はスルスルと大きくなるにつれて、彼らは見下ろし見ていた私を、どんどん首を上げていき、見上げ、私は賽銭箱の前の社よりも大きくなった


続く→
「蛇女郎」 エピローグ3
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