「化け猫」

夢幻

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「蛇女郎」9

「蛇女郎」 エピローグ6

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無意識にふらふら二歩、三歩、七歩八歩と前に進んだ、見ようとして


突如、黒T少年の両腕が上に上がった
驚いて、上を見る黒T少年
すると、スプリングのバネのように体がピョンピョン飛び、慌てて自分の足元を、回りを見るも何もなく、ただそのまま何回も立ち跳びがピョンピョン続き、急に止まる


猫耳尻尾を見ると、コスプレ猫娘のような、ニャとした動きをキメている


ニャニャとコスプレ娘の両手が動いたと思うと、右頬がバチン!左頬がバチン、また右頬がバチン!


(なんだ?!痛い!痛い!痛い!痛い!勝手に自分の手が、、、、自分を叩いている!?)
一つ、一つが容赦のない一発


(さっきから、勝手に身体が、手が動く!よける事も、止める事もできないなんて!痛い!なんで!!止めたくても、手が勝手に!!!)
バチン!バチン!と続く連続!!に黒Tが、そう思っていると、急に止まる


今度は、一階のリビングの窓ガラスに向かって突進、手を振ってダッシュしてる自分に驚き、窓ガラスに、頭突き一発!!
バン!!
怯まずに、首をふってもう一発!!
バン!!
窓ガラスは割れていない

意識がフラフラ
頭もフラフラ
黒T少年は、自分の目が回ってる?ように思った


(なに、なんで!痛い、痛いよ。なんで、頭ぶつけてるんだよ!!俺)と下にしゃがみ込み、暫く窓ガラスに額を擦りつけ、息を肩でしているようで


すると、また続いて窓ガラスに向かって頭突きを連続でゴンッ、ゴンッ、ゴン、ゴッゴッゴッゴッゴッ勢いよく続くも窓ガラスは割れてない


(なんで、なんで俺窓に頭打ちつけているんだよ!どうしてだよ!猫耳が現れたと思ったら、これってなんだよ!ホントに化け猫かよ!本当なら、俺がサンドバックしてる立場だろ!)
黒T少年は、本当なら窓ガラスに打ちつけ頭を窓ガラスに、付けたままでいたかった


でも誰かに頭を掴まれ、そーれって感じで額が、顔が窓ガラスにぶつけられるように、自分で自分の顔を額をぶつけていく
信じられなかった


ぶつかるたびに...


そのまま窓ガラス伝いに、下に地面に転がりたかった


けれど、後ろに身体が引き戻される度に、目に映る青い空に白い雲、額から流れる汗を拭いたいと思っても、窓ガラスにぶつかる度に増していく痛みに、汗が拭いきれないのも鬱陶しく感じる事ができない


窓ガラスに映る空に雲、屋根や塀、自分の間抜けなこわばった情け無い顔、自分の気持ちをとは逆に窓ガラスに額がぶつかる


そして、また後に引き戻される度に、口をパクパクさせる鯉のように口を開けている


情け無い、歪んで泣き叫ぶような顔を、いつも見ていた俺が


窓ガラスに鏡のように映る、今の俺の顔はなんだよ
カモになる、弱いやつの顔じゃないか!


はなじだして、口も情けなくひらいて


何度もの額や顔面のガラスへの強打は、回数を重ねる毎に、骨を砕くような痛みに...・


最初の一撃は、目から星や火花が出たと思う程だった


もう、口で息してるしか、悲鳴にならない悲鳴で口を開けているように思える、マヌケなガラスに映る俺の顔


自分が仲間が、頼まれて呼び出した知らない奴を、他校にはりついて仲間とーーー
ボコったあいつらの事が、フラッシュバックのように、思い出す



魂を傷つけるように...
痛みを刻んでやったあいつらと同じ顔

俺は、あいつらに
一息つかせてやったぜ

おどけさせたり、馬鹿ヤらせたり、情け無い事言わせて、みんなと仲間と嘲って


俺にも、一息つかせろ!
いいから、いいから、一息つかせろ
お願いだから

息をするのも、苦しい


(やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ、もう、やめてくれーーーーーーー)と呻き声で叫ぶ、黒T少年の声は響くも、辺りは誰一人も通らず静か


空は明るく、鳥の鳴き声が聞こえるだけで、人の歩く音も声も聞こえない
車の音も、自転車の走って行く音も、窓の開け閉めの音、洗濯物を干す音、玄関の開く音もまったくしない


黒T少年は、昼間って、家のまわりってこんなに静かだった?
鳥の鳴き声は聞こえるのに、時が止まったような静けさを呻き声と叫び声混じりの中で思い、聞こえるのは自分の、無様な叫び声ばかりと...


何十回目だろう


急にプッツリと糸の切れた人形のように下にヘタリ込む。黒T少年は、何度も打ち付けたい額を手で押さえて疼くまっている


「意外に割れないニャ」


「ヒビも入らないんだな、、」
猫耳尻尾の首に巻き付いている蛇が言い


「ヘロヘロのようだニャ」
少年は手をついて起き上がろうとしていたが、起き上がれず四つん這いになり、ぐったりしている


「水が飲みたい」と疲労困憊の声で言い


「ふーん❣️」と猫耳尻尾が言うと、黒T少年の身体は起こされ、両手後で縛られ、お縄になって奉行の前の罪人のような状態に
少年は、両手首が後ろでピッタリくっつき、吃驚し奮闘するも、全然外れず


「チクショ....ぅ、ちくしょぅ…ぅう、なん...で、グス、ヒック、外れないんだ」鼻血と汗で塗れた顔、少しろれつの回らない泣き声の言葉で奮闘を繰り返すばかりで、その姿はかなり弱々しい


「凄いな。そんな事も可能なのか」


「どうニャ」と、猫耳尻尾はフフンと自慢げだ。耳もピンっと立っている「お茶のこさいさいニャ。みんなもできるニャ」


「ほぉ~。いい能力だ」蛇は、ほとほと感心する


「さぁ、頼むにゃ。私は、この姿でないと、できないからニャ」


へろへろな黒T少年は、急にスクッと立ち上がり、腕を組んでフフンとしてる猫耳尻尾の方に向き、歩いていく


(首の!蛇か... 蛇、蛇、なんで)
蛇の眼が、キュィィーと光る


「あっ、待ってニャ」


操られるように黒T少年の両腕が、自分の黒Tを胸元で鷲掴み掴み、勢いよく引き千切り破き、自分で自分に驚く黒T少年


「なんだよ、これ!なんだよっっっっw」
グズグズ鼻を鳴らしって、喚いている黒T少年は、自分でどんどんTシャツを破っていき、首元の回りのTシャツは伸びて幾らか残り、方回り袖はそのまま、キ印感が出ていて


(good だニャ)と、親指立てる猫耳尻尾


「おまえ達が、俺達をあの駅迄運んだんだっ、か?俺達をバラバラにしたのがァ?答えろ!答えろよ!、あいつらどこだよ!!」泣きながら、叫び出す黒T少年


「知る必要ないニャ」


猫耳尻尾の首元の緑の蛇が、スッと自分の方に伸び、カッと口が開き、眼が光る


黒T少年は、踵を返し玄関の前に落とした銃を拾い上げ、右手に銃を下げおろし門扉を開け、道路に出てズンズン歩いて行く
どんどん、どんどん遠くに


「直ぐに、捕まるニャ」


「拳銃持って歩いているんだ。パトカーも鳴ってるし、どんな立ち回りになるかな」




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