再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

松本ユミ

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二人の関係を変えた夜

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「そうだ!テツの家で飲み直そう」

いいことを思いついたとばかりにポンと手を叩く。

「はぁ?お前、言っている意味分かってるのか?」

「何が?テツの家でお酒飲もうと思ってるんだけどダメ?」

「いや、ダメという訳ではないけど」

歯切れが悪く、少しテツが焦っているように見える。
怪しいな。

「分かった。家に彼女がいるから無理なんだ」

「彼女はいない」

「ホントに?」

「ホントだ。高校の時以来、そういう存在はいない。正直、その時は無理矢理付き合わされて、一週間もたたずに別れたから彼女といえるのか微妙だけど」

へぇ、一週間だけど高校の時に付き合った人がいるんだ。
胸の奥がモヤモヤするのはどうしてだろう。

「でも、テツはモテるでしょ」

「確かに苦労しなかったから、それについては否定しない。でも、今は落ち着いている」

「それって……」

彼女はいないけど、身体だけの関係の人はいたってことだよね。

「わー、テツ最低」

「最低でもなんでもいいよ。数年前のことだし、心が伴わない行為は何の意味も持たない。俺が心から欲しいと思った女は一人だけだから」

真剣味を帯びた眼差しで言う。
テツがそんな風に想う人って誰なんだろう。
気にはなったけど、ふわふわした気分の私は考えることを放棄した。

「じゃあ、テツの家に行こう!」

フラついた足で椅子から降りた。
バッグから財布を出そうとしたら、手が滑ってそのまま床に落としてしまった。
しゃがんで拾おうとしたら、テツに止められた。

「この酔っぱらいめ!お前は少しおとなしくしとけ」

テツは財布を拾い私に持たせた。
そして自分のポケットから財布を出して支払いを済ませた。
私もお金を払わなきゃ、と酔った頭で考える。

「あのー、おいくらですか?」

「お代はいただいてます。またのお越しをお待ちしています」

朔斗さんに聞くと、ニッコリと笑って答える。

「えっ?」

「ほら、行くぞ」

テツが私の腕を掴み、バーの外へと出る。
あれ、お金を払わずに出てきてしまった。

「テツ、私お金払ってないよ」

「俺が払ってるから大丈夫」

「何で?」

「今日は俺の奢り。それより、美桜。本当に俺の家に来るのか?」

「うん、行く。途中でお酒買って行こうね」

「……」

私は浮かれ気分でテツの車に乗った。

近所の二十四時間営業のスーパーに寄り、ビールやカクテル、おつまみを買ってテツの住んでいるマンションへ向かった。
モノトーンの家具で揃えられているリビングは広々としていた。
私はリビングのソファに座ってローテーブルに買った物を袋から出して並べた。

「どれを飲もうかなぁ」

目の前のビールやカクテルを見つめる。
ちょっと甘めが飲みたいかも。
お酒に酔い、少しフワフワした感覚で桃の缶チューハイを手に取った時、テツが話しかけてきた。

「男の部屋に行くことはよくあるのか?」

「えっ?テツの部屋が初めてだよ」

テツは驚いた表情で「マジか」と呟いた後に着替えてくると言って寝室に向かった。

着替えを済ませたラフな格好のテツがリビングに戻って来て私の隣に座る。
そうだ、一言文句を言わないと気が済まない。
私はテツの肩にもたれ掛かって口を開いた。

「テツ、私、傷ついたんだからね~」

「それについてはホントにごめん」

「謝ってくれたから許してあげるけど、好きな人からあんなこと言われてすっごい泣いたんだからね~」

もし、テツと再会してなかったらいまだに恨んでいたんだから!
頬を膨らませながら言うと、テツが目を見開いていた。
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