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二人の関係を変えた夜
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「ブツブツ言いながら現実逃避してるみたいだけど、これは夢じゃない。それに合意の上での行為だから」
「合意……?」
私、さっきの言葉を声に出してたの?
というか、合意って何?
「そう。俺は美桜のことが好きだから抱いた。美桜もそれを受け入れた」
テツが私のことを好き?
私も受け入れた?
信じられない思いで目の前のテツを見る。
「嘘だ……」
「嘘なんかじゃねぇよ。この年で好きでもない女を抱かねぇよ」
「でも、テツは女には苦労しないって……」
それを聞いて、誰でも抱ける最低な男だって思った。
私の言葉にバツの悪そうな表情で口を開く。
「っ、それは過去のことだし、普通の成人男性だから仕方ない部分もある……だろ。それについて言い訳はしない。だけど、俺の心にはただ一人の女の存在しかなかった。昨日言ったけど、俺が欲しいと思った女は一人だけだ。それは美桜、お前のことだ」
真っ直ぐに見つめられ動揺する。
テツが言ってた、心から欲しい女の人って誰なんだろうとは思っていたけど、まさかそれが私だなんて……。
昨日から立て続けにいろんなことがあり、頭が混乱する。
「それに、美桜は初めてだったんだろ」
「何が?」
キョトンとして聞き返す。
「セッ……」
「うわー!ちょっと待って!ストップ!」
テツの言わんとすることを察知し、言葉を遮った。
何てことを言い出すんだ!
ボッと顔に火がついたように熱を持つ。
「何でそんなことテツが知ってるの!」
「美桜が自分で言ったんだろ」
私が言った?
「初めてをもらったんだから責任は取る」
「責任って何?」
「結婚しよう」
いきなり言われた言葉に面食らった。
テツは何を言ってるの?
十何年ぶりに会って、そのセリフはおかしいでしょ。
急展開過ぎる言葉に意味が分からない。
「結婚て冗談でしょ」
「冗談でそんなこと言うわけがない。俺は美桜のことを忘れたことはなかった。いつか会えるだろうと信じて毎日を過ごしていて、やっと見つけたんだ。このチャンスを逃すわけにはいかない」
「だからっていきなり結婚って言われても、私テツのこと好きとかじゃないから……」
そう言って口ごもる。
私の初恋はテツだ。
幼いながらもテツのことを好きだと思っていたけど、今はそういう感情は持ち合わせていない……と思う。
だって会ったのは中学以来だし、何ならテツのことは記憶から抹消してたから。
「ホントに昨日のことを覚えてないんだな……」
ポツリ呟いた声は小さくて聞き取れなかった。
「だったら俺を好きになればいい」
不敵な笑みを浮かべて言い放つ。
「な、何を言ってるの……」
「確かに結婚は先のことかも知れないけど、俺はそのつもりだから。悪いけど、ガキの頃のようなヘマは二度としない。目の前に好きなヤツがいるんだ。順番は逆になったけど、俺は本気で攻めるから」
テツは両手で私の頬を包み込み、顔を近づけてきた。
私に向けられるテツの視線に目を逸らすことが出来ない。
あれ?
この表情はなんとなく覚えてる。
そして、この後に何をされたのかも……。
うわーーー!
ふっと昨日の記憶が断片的に蘇り、恥ずかしさから視線をさ迷わせた。
そうだ、私は確かにテツとセックスをした。
ハッキリとは覚えていないけど、私はテツを受け入れた。
さっきは焦っていて気がつかなかったけど、何気なく視界に入った私の胸元に赤い痕が点々とついていた。
これはいわゆる、キスマークというやつではないだろうか。
私の身体にテツの熱がまだ残っている気がする。
「覚悟しとけよ」
偉そうな言葉とは裏腹に、テツは私の唇に優しいキスをした。
「合意……?」
私、さっきの言葉を声に出してたの?
というか、合意って何?
「そう。俺は美桜のことが好きだから抱いた。美桜もそれを受け入れた」
テツが私のことを好き?
私も受け入れた?
信じられない思いで目の前のテツを見る。
「嘘だ……」
「嘘なんかじゃねぇよ。この年で好きでもない女を抱かねぇよ」
「でも、テツは女には苦労しないって……」
それを聞いて、誰でも抱ける最低な男だって思った。
私の言葉にバツの悪そうな表情で口を開く。
「っ、それは過去のことだし、普通の成人男性だから仕方ない部分もある……だろ。それについて言い訳はしない。だけど、俺の心にはただ一人の女の存在しかなかった。昨日言ったけど、俺が欲しいと思った女は一人だけだ。それは美桜、お前のことだ」
真っ直ぐに見つめられ動揺する。
テツが言ってた、心から欲しい女の人って誰なんだろうとは思っていたけど、まさかそれが私だなんて……。
昨日から立て続けにいろんなことがあり、頭が混乱する。
「それに、美桜は初めてだったんだろ」
「何が?」
キョトンとして聞き返す。
「セッ……」
「うわー!ちょっと待って!ストップ!」
テツの言わんとすることを察知し、言葉を遮った。
何てことを言い出すんだ!
ボッと顔に火がついたように熱を持つ。
「何でそんなことテツが知ってるの!」
「美桜が自分で言ったんだろ」
私が言った?
「初めてをもらったんだから責任は取る」
「責任って何?」
「結婚しよう」
いきなり言われた言葉に面食らった。
テツは何を言ってるの?
十何年ぶりに会って、そのセリフはおかしいでしょ。
急展開過ぎる言葉に意味が分からない。
「結婚て冗談でしょ」
「冗談でそんなこと言うわけがない。俺は美桜のことを忘れたことはなかった。いつか会えるだろうと信じて毎日を過ごしていて、やっと見つけたんだ。このチャンスを逃すわけにはいかない」
「だからっていきなり結婚って言われても、私テツのこと好きとかじゃないから……」
そう言って口ごもる。
私の初恋はテツだ。
幼いながらもテツのことを好きだと思っていたけど、今はそういう感情は持ち合わせていない……と思う。
だって会ったのは中学以来だし、何ならテツのことは記憶から抹消してたから。
「ホントに昨日のことを覚えてないんだな……」
ポツリ呟いた声は小さくて聞き取れなかった。
「だったら俺を好きになればいい」
不敵な笑みを浮かべて言い放つ。
「な、何を言ってるの……」
「確かに結婚は先のことかも知れないけど、俺はそのつもりだから。悪いけど、ガキの頃のようなヘマは二度としない。目の前に好きなヤツがいるんだ。順番は逆になったけど、俺は本気で攻めるから」
テツは両手で私の頬を包み込み、顔を近づけてきた。
私に向けられるテツの視線に目を逸らすことが出来ない。
あれ?
この表情はなんとなく覚えてる。
そして、この後に何をされたのかも……。
うわーーー!
ふっと昨日の記憶が断片的に蘇り、恥ずかしさから視線をさ迷わせた。
そうだ、私は確かにテツとセックスをした。
ハッキリとは覚えていないけど、私はテツを受け入れた。
さっきは焦っていて気がつかなかったけど、何気なく視界に入った私の胸元に赤い痕が点々とついていた。
これはいわゆる、キスマークというやつではないだろうか。
私の身体にテツの熱がまだ残っている気がする。
「覚悟しとけよ」
偉そうな言葉とは裏腹に、テツは私の唇に優しいキスをした。
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