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小さな違和感

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週が明けた月曜日、今日は配達はなく店内でレジをしていた。
おじさんやおばさん、石山さんという男性が厨房で料理をしている。
パートの人や私は接客やレジ、弁当を詰めたり、惣菜の陳列などが主な仕事。
たまに野菜を切ったり食材の下処理も手伝っている。
あと、私はポップを任されている。
惣菜のおすすめポイントなどを的確にまとめ、お客さんの目を引くように研究している。
書きたいことはたくさんあるけど、グダグダ書いても読みにくいだけ。
お客さんの目線で書くのが一番だ。
お年寄りも多いので、字を大きく書いたり分かりやすいようにも心掛けている。

「こんにちは。これ、お願いします」

最近、よく買いに来てくれるサラリーマンがレジに弁当を持ってきた。
見かけるようになったのは一ヶ月前ぐらいかな。
お店の弁当を気に入ってくれてるのか、かなりの頻度で利用してくれている気がする。

うちの店は配達弁当の他に、数量限定の日替わり弁当を販売している。
これは店頭のみでの販売だ。
この弁当はサラリーマンやOLの人に人気で、あっという間に売り切れる。
最初から数量限定にしているのは、売れ残ったりする心配がないという理由からだ。
でも、あまりに人気過ぎて売り切れるのが早いので、もう少し数量を増やそうかとおじさんは検討している。

今日の日替わりはメンチカツ弁当だ。
サラリーマンが手に持っていた弁当を受け取りレジを打つ。

「メンチカツ弁当、六百円です」

「最近、配達が多いんですか?」

ビニール袋に弁当を入れていると、サラリーマンがおかしなことを聞いてきた。

「そうですね。ありがたいことに配達も増えているので」

言われた内容に首を傾げながらも答える。

「そうなんですね。突然話しかけてすみません。あなたがいつもレジに立っていたのに、最近いない日が多いから気になってお店の人に聞いたんです」

えっ、どういうこと?
さっきからこの人の話す言葉に若干の違和感を覚える。
目の前のサラリーマンは、きっちりとセットされた黒髪にスクエアフレームの眼鏡、穏やかそうな優しい顔立ちで、いかにも真面目って感じの人。
おばさんが好きそうな好青年のイケメンだ。

まぁ、私の周りでイケメンの筆頭と言えば……。
ゲッ、どうしてテツのことを思い出してんのよ!
いきなり脳内にテツの自信満々に笑う顔が浮かんだ自分に動揺してしまう。
今までだったら、そんなことは微塵も考えなかったと思う。
絶対にテツと再会したからだ。
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