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深夜の出来事と元カノの存在
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しおりを挟むテツと再会できたのが運命……それは私にも言えることだ。
配達した先で再会できたんだから。
「夏木さん、ただの幼なじみなら邪魔をしないでくれる?」
「邪魔?」
不躾な言葉に思わず眉間にシワが寄った。
「そう。どういう経緯であなたが哲平の部屋に転がり込んだのか知らないけど、さっさと出ていったら?私は哲平とやり直したいと思ってるのに、あなたがいたら邪魔なのよ」
「それこそ、私とテツの間でのことだから、あなたに関係ないと思います。テツのことが好きなら私のことなんて気にしなければいいでしょ」
堂島さんの言葉にムカついたけど、努めて冷静に言葉を紡ぐ。
「確かにそうね。でも、邪魔になるような芽は例え小さくても取り除いておきたいのよ」
さっきから邪魔邪魔と連呼し、自分の方が立場が上だとばかりの物言いにイライラしていた。
私、この人とは絶対に気が合わない。
「呼び止めて悪かったわね。あなたとは二度と会うことはないと思うけど、邪魔だけはしないで。惨めになる前に早く出ていきなさいよ。それじゃ」
堂島さんは買い物かごを手にスーパーの中へと消えていった。
あー、ムカつく!
何よ、あの人!
ゴシゴシとスポンジで浴槽の掃除をしながら怒りをぶつける。
帰ってすぐに晩ご飯の下ごしらえをした。
今日は二十時過ぎには帰ってくると言っていたので、それに合わせていろいろと準備した。
あの人と会ってなければ、もう少し余裕をもってできたのに!
ある程度、支度が出来たのでバスルームで風呂掃除を始めていたら、さっきの出来事を思い出して悪態をついていた。
好き勝手に言いたいことを言って、惨めになる前に出ていけ?
二度と会うことはない?それはこっちの台詞だし!
でも、あのスーパーを利用しているってことはまた会う可能性はゼロじゃない。
ホント最悪だ。
それより、嫌いで別れた訳じゃないって本当なんだろうか。
あの人はやり直したいって言ってるけど、テツはどうするのかな……。
洗剤を洗い流そうと水栓に手を掛けたら、なぜか頭上から水が降ってきた。
考え事をしてイライラしていたからなのか、私はシャワーヘッドを手に持っていなかったのだ。
「うわーっ!」
冷たさと驚きのあまり大声を出してしまった。
慌てて止めたけど後の祭り。
私は全身びしょ濡れになっていた。
何やってるんだろう。
はぁ、とため息をついていたらバタバタと足音がし、バスルームのドアが開いた。
そこから血相を変えて飛び込んできたのは、スーツ姿のテツだった。
「美桜、大丈夫か?叫び声が聞こえたけど何があったんだ?」
「あ、お帰り」
「お帰りじゃねぇよ、ってどうしたんだ?びしょ濡れじゃないか」
私の姿を見てテツが驚いている。
「お風呂掃除していてシャワーヘッド持たないままお湯を出しちゃったんだよね。そしたら水が降ってきて」
最初に出るのは水で、それから温かなお湯が出る。
いきなりお湯が出てこないので、私は頭から水を被るはめになった。
「何やってんだよ。心配しただろ」
「ごめん。それよりお腹空いてるよね。すぐにグラタンを温めるから」
盛り付けは全て終わっていて、後はオーブンで焼くだけにしていた。
テツが帰る時間に合わせてセットしようと思っていた。
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