103 / 115
愛を確かめ合う
12
しおりを挟む
子供の頃にテツを好きになったのは、可愛くて優しかったという理由だったから、容姿が先というのは否めない。
でも、それは幼さゆえだと思う。
大人になるにつれてそれなりに出会いも増えて、容姿がいい人だってたくさん見てきた。
だけど、本当に付き合いたいと思う人には出会えなかった。
単に、恋愛にはあまり興味がなかったのが原因かもしれないけど。
そんな時、テツと再会した。
やっぱり私の気持ちを動かすのはテツしかいないんだなと改めて思った。
意地っ張りで意地悪なところもあるけど、優しくて真面目な人。
誰よりも私のことを考えて守ってくれていて、テツのことを知るたびにスキが増えていくんだ。
テツの良さは私だけが知っているだけでいい。
堂島さんに言うのはもったいない。
「何言ってるの?顔だけで好きになっただけじゃないって綺麗ごとを言わないで。容姿と肩書は付き合う上で一番大事なことでしょ。あなた、哲平が不細工や無一文でも付き合えるっていうの?」
堂島さんは馬鹿にしたように鼻で笑う。
無一文って突拍子もない話を持ち出してきたな。
それにしても、この人はテツの中身じゃなく容姿と肩書きしか興味ないんだなというのが伝わってきた。
「付き合えますよ。あなたには綺麗ごとのように聞こえるかもしれないけど、私はテツだから好きになったんです。それにテツが無一文になっても私も働いているのでどうにかなります。お互いに足りないものを補えば問題ないでしょ」
テツが御曹司と知ったのは最近のことだ。
私がテツを好きになったのは、それを知る前だ。
だけど、それを堂島さんに言ったところで信じないだろう。
「働くってたかが知れているでしょ。生活していく上でお金は大事なのよ」
「確かにお金は大事だと思います。だけど、あなたみたいにブランド物ばかり買ったりしなかったら十分生活できますよ」
全身ブランド物で着飾った堂島さんならお金がいくらあっても足りないでしょ。
この人は苦労したことがないんだろう。
人のお金ばかりあてにしている感じがして、すごく嫌だ。
根本的な部分で私とは合わない。
私は両親が離婚したこともあり、お金には苦労した過去がある。
だけど、お母さんが一生懸命働いてくれて、私を短大まで行かせてくれたんだ。
私も高校からバイトを始めて、少しでも生活の足しになるように働いた。
贅沢をせず、普通に暮らせるなら十分だ。
「堂島さんは本当にテツのこと好きなんですか?容姿と肩書きだけならテツじゃなくてもいいと思いますけど」
正論をぶつけてみたけど、彼女の答えを聞きたくて言ったわけじゃない。
私は堂島さんが口を開くより先に言葉を続けた。
「申し訳ないけど、今更あなたがテツを好きだと言っても、私と付き合っているので堂島さんが入る余地はありませんよ」
意地悪な言い方だったけど、これ以上引っかき回されたくなかった。
「その通りだ」
私の言った言葉に同意する男性の声が背後から聞こえた。
誰の声だなんて、振り返らなくても分かる。
でも、それは幼さゆえだと思う。
大人になるにつれてそれなりに出会いも増えて、容姿がいい人だってたくさん見てきた。
だけど、本当に付き合いたいと思う人には出会えなかった。
単に、恋愛にはあまり興味がなかったのが原因かもしれないけど。
そんな時、テツと再会した。
やっぱり私の気持ちを動かすのはテツしかいないんだなと改めて思った。
意地っ張りで意地悪なところもあるけど、優しくて真面目な人。
誰よりも私のことを考えて守ってくれていて、テツのことを知るたびにスキが増えていくんだ。
テツの良さは私だけが知っているだけでいい。
堂島さんに言うのはもったいない。
「何言ってるの?顔だけで好きになっただけじゃないって綺麗ごとを言わないで。容姿と肩書は付き合う上で一番大事なことでしょ。あなた、哲平が不細工や無一文でも付き合えるっていうの?」
堂島さんは馬鹿にしたように鼻で笑う。
無一文って突拍子もない話を持ち出してきたな。
それにしても、この人はテツの中身じゃなく容姿と肩書きしか興味ないんだなというのが伝わってきた。
「付き合えますよ。あなたには綺麗ごとのように聞こえるかもしれないけど、私はテツだから好きになったんです。それにテツが無一文になっても私も働いているのでどうにかなります。お互いに足りないものを補えば問題ないでしょ」
テツが御曹司と知ったのは最近のことだ。
私がテツを好きになったのは、それを知る前だ。
だけど、それを堂島さんに言ったところで信じないだろう。
「働くってたかが知れているでしょ。生活していく上でお金は大事なのよ」
「確かにお金は大事だと思います。だけど、あなたみたいにブランド物ばかり買ったりしなかったら十分生活できますよ」
全身ブランド物で着飾った堂島さんならお金がいくらあっても足りないでしょ。
この人は苦労したことがないんだろう。
人のお金ばかりあてにしている感じがして、すごく嫌だ。
根本的な部分で私とは合わない。
私は両親が離婚したこともあり、お金には苦労した過去がある。
だけど、お母さんが一生懸命働いてくれて、私を短大まで行かせてくれたんだ。
私も高校からバイトを始めて、少しでも生活の足しになるように働いた。
贅沢をせず、普通に暮らせるなら十分だ。
「堂島さんは本当にテツのこと好きなんですか?容姿と肩書きだけならテツじゃなくてもいいと思いますけど」
正論をぶつけてみたけど、彼女の答えを聞きたくて言ったわけじゃない。
私は堂島さんが口を開くより先に言葉を続けた。
「申し訳ないけど、今更あなたがテツを好きだと言っても、私と付き合っているので堂島さんが入る余地はありませんよ」
意地悪な言い方だったけど、これ以上引っかき回されたくなかった。
「その通りだ」
私の言った言葉に同意する男性の声が背後から聞こえた。
誰の声だなんて、振り返らなくても分かる。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
68
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる