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その日の仕事が終わり、私は副社長がいつも通勤で使っている車の助手席に乗っていた。
事の発端は社長の一言からだ。
『香澄ちゃん、ちょっといい?』
『はい。何か御用ですか?』
『明日は土曜だし、善は急げということで海里が住んでいるマンションに下見に行ってほしいんだけど』
『今日ですか?』
『ええ。もしかして予定があったかしら?』
仕事の話だと思っていたのにまさかの内容で、私は瞬時にあれこれ考えた。
悲しいかな、おひとり様を満喫中の私は特に予定は入っていない。
晩御飯は、昼のお弁当を作ったので炊飯器の中は空っぽだから適当にスーパーで惣菜でも買って帰ろうと思っていた。
社長の頼みだし、帰ってもなにもやることはないので下見に行ってみてもいいかなと思って口を開こうとしたら副社長が割り込んできた。
『母さん、いきなりすぎるだろ。伊藤さんだって予定があるはずだ』
『海里には聞いてないわよ。私は香澄ちゃんに聞いているの』
『あの言い方じゃ、伊藤さんが予定があっても断れないだろ。下手したらパワハラと言われても仕方ないぞ。今日に今日なんて無理に決まってる』
副社長の言葉に社長は表情を曇らせる。
そんなことより、予定があるはずだなんて言わないでほしかった。
私は嘘までついて予定があるなんて口には出来ない。
後日改めてと言われた方が緊張しそうだし、勢いのまま行った方がいいと判断した。
『香澄ちゃん、ごめんなさい。私の言い方がよくなかったみたい』
『いえ、大丈夫です。社長、特に予定はないので下見に行ってみてもいいですよ』
『いいの?』
『はい』
私の言葉に社長は顔を綻ばせた。
それに反応したのは副社長だ。
『伊藤さん、本気?予定があるなら断っていいんだよ』
『今日は予定はないので大丈夫です』
私はリア充ではないから自分の時間は無限大にある。
きっと、副社長は常に予定がある人なんだろう。
『ほら、こう言ってくれているんだから海里も今日はさっさと仕事を終わらせて帰りなさいよ』
『母さん!』
副社長は最後まで微妙な顔をしていたけど、社長の圧に押されて渋々納得したんだ。
ほどなくして、高級そうなマンションの地下駐車場に車が到着した。
車から降りた副社長と一緒にコンシェルジュのいるロビーを抜けてエレベーターに乗り込んだ。
副社長は二十三階のボタンを押し、ふうと息を吐いて首をゴキゴキと鳴らす。
最近、会社に寝泊まりするぐらい忙しそうにしていたから疲れているのかな。
でも、会社の応接室のソファで寝るより家のベッドとかで寝た方が断然疲れは取れると思うんだけど。
あっという間に二十三階につき、エレベーターを降りる。
副社長はカードキーで部屋の鍵を開けて私を招き入れた。
事の発端は社長の一言からだ。
『香澄ちゃん、ちょっといい?』
『はい。何か御用ですか?』
『明日は土曜だし、善は急げということで海里が住んでいるマンションに下見に行ってほしいんだけど』
『今日ですか?』
『ええ。もしかして予定があったかしら?』
仕事の話だと思っていたのにまさかの内容で、私は瞬時にあれこれ考えた。
悲しいかな、おひとり様を満喫中の私は特に予定は入っていない。
晩御飯は、昼のお弁当を作ったので炊飯器の中は空っぽだから適当にスーパーで惣菜でも買って帰ろうと思っていた。
社長の頼みだし、帰ってもなにもやることはないので下見に行ってみてもいいかなと思って口を開こうとしたら副社長が割り込んできた。
『母さん、いきなりすぎるだろ。伊藤さんだって予定があるはずだ』
『海里には聞いてないわよ。私は香澄ちゃんに聞いているの』
『あの言い方じゃ、伊藤さんが予定があっても断れないだろ。下手したらパワハラと言われても仕方ないぞ。今日に今日なんて無理に決まってる』
副社長の言葉に社長は表情を曇らせる。
そんなことより、予定があるはずだなんて言わないでほしかった。
私は嘘までついて予定があるなんて口には出来ない。
後日改めてと言われた方が緊張しそうだし、勢いのまま行った方がいいと判断した。
『香澄ちゃん、ごめんなさい。私の言い方がよくなかったみたい』
『いえ、大丈夫です。社長、特に予定はないので下見に行ってみてもいいですよ』
『いいの?』
『はい』
私の言葉に社長は顔を綻ばせた。
それに反応したのは副社長だ。
『伊藤さん、本気?予定があるなら断っていいんだよ』
『今日は予定はないので大丈夫です』
私はリア充ではないから自分の時間は無限大にある。
きっと、副社長は常に予定がある人なんだろう。
『ほら、こう言ってくれているんだから海里も今日はさっさと仕事を終わらせて帰りなさいよ』
『母さん!』
副社長は最後まで微妙な顔をしていたけど、社長の圧に押されて渋々納得したんだ。
ほどなくして、高級そうなマンションの地下駐車場に車が到着した。
車から降りた副社長と一緒にコンシェルジュのいるロビーを抜けてエレベーターに乗り込んだ。
副社長は二十三階のボタンを押し、ふうと息を吐いて首をゴキゴキと鳴らす。
最近、会社に寝泊まりするぐらい忙しそうにしていたから疲れているのかな。
でも、会社の応接室のソファで寝るより家のベッドとかで寝た方が断然疲れは取れると思うんだけど。
あっという間に二十三階につき、エレベーターを降りる。
副社長はカードキーで部屋の鍵を開けて私を招き入れた。
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