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仲間
56.現地調査
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ギルドの組んだ調査団は、30人以上で編成されていた。
私の助言も全て採用されていたから、よく昨日の今日で準備できたと感心した。
目的の場所に着くまでは大変だった。
何せ道無き道だ。馬車を通すためにも道を切り開かなければならなかったからだ。
半日掛けて、私達は目的地近くに到着した。
「なんだこの異臭は...」
近付く程に腐敗臭とケミカルな匂いは酷くなり、皆鼻を摘んで顔を歪めていた。
最後の木を切り倒して土地に入ると、想像通りの風景が広がっていた。
「なんだこれは!!」
「マスター、不法投棄って知ってますか?」
「いや、聞いたことがない。」
こっちにはゴミの投棄の法律がないんだ。
「私の国にはありました。ゴミを捨てる場合の法律があるんです。こんな風に、捨て方によっては環境や人体に影響が出るからです。」
「これが水不足や井戸水の匂いの原因なのか。」
「おそらく。この下には水脈があります。それが街に水をもたらしている。だから井戸水が臭ったんです。水の枯渇は、これのせいで魔物や精霊が逃げてしまって、生態系が壊れたせいです。彼らが居ないから、今まで確保出来ていた水が無くなったんです。そして、魔物達が逃げてしまったから、この辺りの生態系の上位の魔物達が食料に困って、仕方なく麓に下りて来た。マスター、これは人災です。」
私は腐敗した液体をよく観察した。
「産業廃棄物と魔物の死体です。ポーションや薬剤が入った缶をそのまま捨てたり、とにかく何でもかんでもここに捨ててたんでしょう。ここまで酷いと、この辺りを除染するにはかなり時間が掛かりそうです。」
「みんな、運べる限りゴミを取り除け。冒険者も皆手伝うように。これでは魔物は寄って来ない。」
参加しようとしたら、マスターに呼ばれた。
「山の奥の魔物達の様子が気になる。一緒に確認に来てくれないか。」
「わかりました。」
2人で調査に向かうと、出会う魔物はみんな痩せていた。これでは下りてきても仕方ない。
「この魔物達は普段奥深くに生息しているから逃げはしなかったんだな。魔物達の食料をどうすべきか...」
「応急処置として、全域にヒールを掛けるのはどうでしょうか?」
「食事をしなくていい状態まで治すのか。」
「はい。空腹は変わりませんが、必要性は下がります。」
「山全体にヒールを掛けるなんて、できるのかい?」
「できるから言ってます。倒れたら連れ帰ってくださいね。」
「わかったよ。」
私は地面に手を付いて、術を掛ける範囲をイメージした。
少し長い詠唱が必要だったけど、動けなくなる程の疲れはなかった。
「本当にやってのけるなんてね。」
「これぐらいなら全然いけます。」
「恐ろしいねぇ。」
「私、除染が済むまで毎日ここに来てヒールを掛けます。それと、局地的に雨を振らせたいです。」
「君が気候を再現するの?」
「はい。雨を降らせるくらいはできますから。」
「だったらちゃんと計画を立てよう。専門家の意見を聞いて。」
「わかりました。」
こうして、ゴミの除去と土壌の除染作業が始まった。
私の助言も全て採用されていたから、よく昨日の今日で準備できたと感心した。
目的の場所に着くまでは大変だった。
何せ道無き道だ。馬車を通すためにも道を切り開かなければならなかったからだ。
半日掛けて、私達は目的地近くに到着した。
「なんだこの異臭は...」
近付く程に腐敗臭とケミカルな匂いは酷くなり、皆鼻を摘んで顔を歪めていた。
最後の木を切り倒して土地に入ると、想像通りの風景が広がっていた。
「なんだこれは!!」
「マスター、不法投棄って知ってますか?」
「いや、聞いたことがない。」
こっちにはゴミの投棄の法律がないんだ。
「私の国にはありました。ゴミを捨てる場合の法律があるんです。こんな風に、捨て方によっては環境や人体に影響が出るからです。」
「これが水不足や井戸水の匂いの原因なのか。」
「おそらく。この下には水脈があります。それが街に水をもたらしている。だから井戸水が臭ったんです。水の枯渇は、これのせいで魔物や精霊が逃げてしまって、生態系が壊れたせいです。彼らが居ないから、今まで確保出来ていた水が無くなったんです。そして、魔物達が逃げてしまったから、この辺りの生態系の上位の魔物達が食料に困って、仕方なく麓に下りて来た。マスター、これは人災です。」
私は腐敗した液体をよく観察した。
「産業廃棄物と魔物の死体です。ポーションや薬剤が入った缶をそのまま捨てたり、とにかく何でもかんでもここに捨ててたんでしょう。ここまで酷いと、この辺りを除染するにはかなり時間が掛かりそうです。」
「みんな、運べる限りゴミを取り除け。冒険者も皆手伝うように。これでは魔物は寄って来ない。」
参加しようとしたら、マスターに呼ばれた。
「山の奥の魔物達の様子が気になる。一緒に確認に来てくれないか。」
「わかりました。」
2人で調査に向かうと、出会う魔物はみんな痩せていた。これでは下りてきても仕方ない。
「この魔物達は普段奥深くに生息しているから逃げはしなかったんだな。魔物達の食料をどうすべきか...」
「応急処置として、全域にヒールを掛けるのはどうでしょうか?」
「食事をしなくていい状態まで治すのか。」
「はい。空腹は変わりませんが、必要性は下がります。」
「山全体にヒールを掛けるなんて、できるのかい?」
「できるから言ってます。倒れたら連れ帰ってくださいね。」
「わかったよ。」
私は地面に手を付いて、術を掛ける範囲をイメージした。
少し長い詠唱が必要だったけど、動けなくなる程の疲れはなかった。
「本当にやってのけるなんてね。」
「これぐらいなら全然いけます。」
「恐ろしいねぇ。」
「私、除染が済むまで毎日ここに来てヒールを掛けます。それと、局地的に雨を振らせたいです。」
「君が気候を再現するの?」
「はい。雨を降らせるくらいはできますから。」
「だったらちゃんと計画を立てよう。専門家の意見を聞いて。」
「わかりました。」
こうして、ゴミの除去と土壌の除染作業が始まった。
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