おじ専が異世界転生したらイケおじ達に囲まれて心臓が持ちません

一条弥生

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6.天然系イケオジと護衛イケオジ

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水無瀬さんは軽く噴き出して、顔を逸らした。

「失礼。あまりにも直球だったもので。」

自分でも胡散臭いこと言ってるなって思ってたんだ...。それで噴き出しちゃうって、ちょっと天然なのかな...。

ダメだ、考えちゃダメだ。今は水無瀬さんの色気に浮かされている場合じゃないんだから。

「他者の思惑がどうであれ、未来を決めるのは貴女に他ならない。だから、我々は当たり障りのないことしか言えません。」

「私が国を出たいと言ったら?」

「貴女の方針に沿って総理も動かれます。ただ、身の安全を考えると、出国は難しいですね。」

つまり、保護という名の監視。私は一生牢屋の中だということだ。

「神凪さん。幸いなことに、日本政府は貴女を他者に利用させる気はありません。」

「それは脅しですよね。海外なら酷い目に遭うから、日本に留まってろ、悪いようにはしないからって。」

語気を強めると、水無瀬さんの言葉を遮って、雪野さんが口を開いた。

「貴女が不幸にならない様に善処する気がある。それが保証できるのは自国だけ。だから海外には行かせられない。ここにあるのは、自国民を守らなければならないという国の使命です。一度、利害関係から離れてお考えになるべきだと思います。」

雪野さんの淡々とした話し方と余分なものがない言葉は、棘を生やした心を落ち着かせた。

「出過ぎたことを、申し訳ございません。」

私はかぶりを振った。

「...今は信じます。」

「ありがとうございます。外に見張りを付けていますが、もし護衛の同行無く医師看護師以外が入って来た場合は...」

小太りのおじさんがカバンから小さな袋を取り出し、水無瀬さんに渡した。

水無瀬さんは袋から小さな無線機の様な物を取り出した。

無線機には丸いボタンと首から掛けるためのストラップが付いていた。

無線機を受け取る時に水無瀬さんの手に触れて、ちょっとだけドキッとしてしまった。

これは水無瀬さんが悪いんだ。私の趣味どストライクのイケオジ過ぎるから。私は悪くない。

「これは緊急時の連絡用無線機です。このボタンを押すと、私共と護衛チームに繋がり、護衛チームがすぐさま救出に向かいます。肌身離さず持っておいてください。」

「わかりました。」

「私共との連絡はそちらの固定電話でできます。受話器を上げれば繋がります。携帯電話も用意していますので、欲しい物がある場合は、この携帯電話から連絡してください。女性の担当者が対応します。コンシェルジュの様なものだとお考え下さい。」

「わかりました。ありがとうございます。あの、私のスマホは...」

「申し訳ございませんが、最重要機密が詰まって降りますので、しばらくは預からせていただきます。ご了承ください。」

「...わかりました。」

「空腹でしょう。食事をお持ちいたします。何がいいですか?」

「パンとおにぎり以外ならなんでもいいです。入社してから、ほとんどそれしか食べていないので。」

「承知しました。栄養バランスの取れた美味しい食事をお持ちいたします。一通りのお菓子と果物、飲み物はあちらのキッチンに用意しておりますので、ご自由にどうぞ。」

至れり尽くせりだ。病室から出られないことを除けば。

「では、今日はこれで失礼します。頭を整理する時間が必要でしょうから、明日また参ります。」

終わってくれて助かる。早く一人になりたい。

「外に二人護衛が付いておりますので、私も失礼致します。」

会釈も美しい雪野さんの前髪から覗く瞳は少しじとっとしていて、とても良かった。

そうして、四人は部屋を出て行った。

今日、痛感したことがある。

私はイケオジに弱すぎる。
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