おじ専が異世界転生したらイケおじ達に囲まれて心臓が持ちません

一条弥生

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34.狐目のミステリアスおじ様

「巫女様、お初にお目に掛かります。お会いできて恐悦至極に御座います。わたくし、守り手の一族、雅楽代うたしろ家代34代目当主、雅楽代かおると申します。43歳です。」

狐目でずっと笑顔を貼り付けているその人は、ミステリアスな雰囲気のイケおじだった。

「この命に変えても巫女様をお守りいたします。」

もう一人はイケおじでは無かったのは幸いだった。

「巫女様?」

「あっ、よ、よろしくお願いします!」

「よろしくお願い致します。紫々井さんから呼び方と口調に指定があるとお聞きしましたが、我々は護衛の身ですので、タメ口は致しかねます。ですが、巫女様という呼び名を窮屈に感じるお気持ちはお察ししますので、楓様とお呼びさせていただいてよろしいでしょうか?」

「は、はい!」

楓様って呼び方もやばい。ムズムズするけど受け入れた。

雅楽代さんももう一人も帯刀していた。

勉強して知ったけど、この世界の日本は向こうの日本に比べると治安は悪い方だ。それでも海外よりはマシみたいだけど、刀まで所持しているのはそういう理由だ。

私は横目で雪野さんを見た。気が立っている様に見える。

予想に違わず、雪野さん達の護衛チームと雅楽代さんの護衛チームは対立しているからだろう。

「事前の打ち合わせ通り、こちらの作戦に従っていただきます。勝手な行動はなされないようにお願いします。」

「心得ていますよ。雪野くん。」

知り合いなんだろうか?知り合いというより因縁の相手の様な緊張感を感じるけど。

「楓様、僕はとても耳が良いので、緊急事態の際には、薫、とお呼びください。」

「分かりました。」

若干のアヒル口が笑みを作った。

この人多分、ニコニコしてるけど本当は何にも笑ってなくて、何を考えてるか分からないタイプだ。

「では楓様、お手をどうぞ。」

玄関から出て、車に乗り込むだけなのに、雅楽代さんは手を貸してくれた。

体に合った高級なスーツが、雅楽代さんの細長い手足を引き立たせて、スタイルの良さが際立っている。

私は黒塗りのバンに乗り込んだ。

左に雪野さん、右に雅楽代さんが座り、私はイケおじにサンドイッチにされた。

「むさ苦しくて申し訳ありません。警備上の都合ですのでご了承下さい。」

「は、はい。」

外の景色を見たいのに、これじゃ見ることができない。見ようものならイケおじのドアップにやられてしまう。

移動中、雅楽代さんは私のことをあれこれ聞いてきたけど、心を感じなかった。私の見立ては合ってるんだろう。

雅楽代さんの手を借り手車を降り、周りを見渡した。

「余り周りを見ないでください。」

「すみません。私が居た世界の総理官邸と同じだったので・・・」

中もやっぱり同じだった。ニュースで見た事のある場所だ。

私が連れて行かれた会談場所もまた、ニュースで見た事のある部屋だった。
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