おじ専が異世界転生したらイケおじ達に囲まれて心臓が持ちません

一条弥生

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61.人望

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スーツに着替えて外に飛び出すと、祐子さんと瑠璃川先生がバイクに跨る雅楽代さんの傍に立っていた。

「「楓ちゃん!!」」

駆け寄ると、二人は順に私を抱き締めてくれた。

「楓ちゃん、とやかく言われても、見てないあんた達に何が分かるんだ!って言ってやんな。全て見てた楓ちゃんが正義なんだからね。」

「楓ちゃん、女は泣かなければいけない時にだけ涙を見せるの。いい?泣かなければいけない時だけ。だけよ。クソジジイ共になんか絶対涙見せてやっちゃダメだからね!」

「うん。二人共ありがとう。行ってきます。」

私は雅楽代さんの運転する大型バイクの後ろに座った。

「楓様、こちらのヘッドセットをお付けください。移動しながら話します。」

「わかりました。」

私はヘッドセットを付けて、ヘルメットを被った。

「飛ばしますのでしっかり掴まってください。」

雅楽代さんの腰に掴まると、バイクは発進した。

門の手前で別のバイクが待っていて、私達が門を出ると後ろを着いて来た。

『後ろは高辻くんです。彼も少々向こうに用があるので、護衛として同行してもらいます。』

「用?」

『ええ。』

「雪野さんはどこに?」

『向こうに居ます。彼は向こうで先にやる事がありましたから。』

「私がする事、雪野さんも知ってるんですか?」

『私は元よりこうするつもりでしたが、これは彼に頼まれた事でもあります。』

「雪野さんが・・・?」

『彼は責任者ですから業務でこちらには戻れません。ですから、楓様に協力を頼んで欲しいと頼まれました。水無瀬さんは彼の恩人ですから、この世で最も嫌いな私に頭を下げてでも守りたかったのでしょう。』

「雪野さん・・・」

墓地に向かう車の中で、雪野さんは水無瀬さんが大学の先輩で可愛がってもらっていたと話してくれた。

その時の雪野さんの表情で、水無瀬さんの協力にお礼を言った理由がわかった。

「私が家から出た事は伝わってますよね。インタビューを受けるなんて着く頃には対策をされてませんか?」

『ご心配なく。屋敷の警護スタッフは全員、各々の部屋や仮眠室でぐっすり眠っています。向こうに自動で送信される屋敷内の映像等のデータも細工済みですので、楓様の姿を見るまで気付かれません。』

「高辻さん・・・」

『伊海先生が葉山さんの調合した眠り薬入りの食事を振舞ってくれました。葉山さんの話では、目覚める頃には体の疲れがすっかり取れるそうです。瑠璃川先生も、向こうの人物に近い女性達から情報を引き出してくれました。』

「流石瑠璃川先生・・・」

『瑠璃川先生は私が頼みに行った時には既に大体の情報を集め終えていました。いつか楓様の役に立つかもしれないと、方方の女性達と名刺を交換していたそうですよ。』

「私の為に・・・」

『ここまで素早く動けたのは、楓様の人望があったからです。政府からの高待遇で雇われているお二人がこういった事をするというのは、並大抵の関係ではできません。 』

私は感嘆し、また泣いてしまった。

『巫女様をお守りする事は我々守り手の義務です。ですが、楓様にお仕えする彼らは、楓様御自身の事も慕っております。』

「雅楽代さんは・・・?」

微かに、フッと笑った声が聞こえた。

『ご想像にお任せします。』

雅楽代さんの本当の笑顔、見たかったなぁ。

高速で流れる景色を眺めながらそう思った。
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