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102.神凪楓の身勝手
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途端に私は過呼吸を起こして蹲った。
徐々にまともな思考が消えていく中で思った。
もう、私のせいで人が死ぬのは見たくない。
「楓ちゃん!これを口に当てて!」
瑠璃川先生が差し出したビニール袋を口に当てて、徐々に思考が戻ると、私はさっき自分が思った事が蘇って、自分はなんて傲慢で卑劣な人間なのかと恥じた。
私が教えて貰えないだけで、きっと今まで沢山の人が理の巫女に関わったがために死んでいる。
でなければ、巫女に関わる事案だったらある程度の殺人は容認するなんて法律は存在しない。
私は雅楽代さんがそういう事を専門としている事もとっくに気付いていた。
私が存在しているから殺された人はいる。
それなのに私は、見るのが嫌だと思った。見なければいい訳が無いのに。
情けない。そんなことを思ったことも、何もできない事も。
流した涙は虚しく床に広がった。
「楓ちゃん。」
伊海先生が私の背中を優しく摩った。
普段なら落ち着けただろうけど、今の私は余計自分が腹立たしくなるだけだった。
こんな時、物語のヒロインはシェルターを飛び出して、主人公を助けに行く。私はその展開が大嫌いだ。
結局、ヒロインを守って主人公が深手を追うからだ。
足でまといになるなら、行かない方がいい。
「楓ちゃん。戦力は世界最強と言っていい。だから心配は無用だよ。」
確かにそうだ。でも、私のせいで争いが起こっている以上、役に経つことをするのが道理だ。
何かここでできること、と頭をフル回転させて案を思い浮かべてみても、どれも現実問題無理な物ばかりだった。
あのテロ事件の時に力の放出で多くの人を癒すことができたけど、テロリスト達も癒してしまった。
どれだけ考えても、解決案は浮かんでこなかった。
気付けば、床には血が滴っていて、唇を噛んだ痛みは気付いてからやってきた。
やっぱり私にはここで待つことしかできないんだ。
それで良い訳が無いのに。
「楓ちゃん、奥に行こう。」
瑠璃川先生と伊海先生に支えられて立ち上がり、ドアに背を向けた時だった。
『彼を助けて』
その声ははっきりと聞こえた。魂の事はよく分からないけど、声が魂から聞こえてきた事は理解できた。
これはきっと、これまでの理の巫女の誰かで、前世の私の声だ。
踵を返して、私はドアノブに手を掛けた。
「楓ちゃん!?」
行かなきゃ。声に突き動かされて、諦めるものかと思った。
「楓ちゃん、ドアから離れて!」
自分の言葉に私はハッとした。
そうだ、私は理の巫女。理を変えられる。どんな常識も法則も覆せるんだ。
頭の中を更にして、やるべき事を浮かべて優先順位を付けてフローを決めた。
ここから出ても今の私じゃ、大嫌いなヒロインよろしく誰かに余計な怪我をさせてしまうから、コントロールができるようにならないと出られない。
だから、私の魂を覆っているという魔力の殻を破らないといけない。
私は握り締めていた物に目を落とした。
滅魂刀《めっこんとう》水仙。これなら。
私は迷わず鞘から刀を抜いた。
徐々にまともな思考が消えていく中で思った。
もう、私のせいで人が死ぬのは見たくない。
「楓ちゃん!これを口に当てて!」
瑠璃川先生が差し出したビニール袋を口に当てて、徐々に思考が戻ると、私はさっき自分が思った事が蘇って、自分はなんて傲慢で卑劣な人間なのかと恥じた。
私が教えて貰えないだけで、きっと今まで沢山の人が理の巫女に関わったがために死んでいる。
でなければ、巫女に関わる事案だったらある程度の殺人は容認するなんて法律は存在しない。
私は雅楽代さんがそういう事を専門としている事もとっくに気付いていた。
私が存在しているから殺された人はいる。
それなのに私は、見るのが嫌だと思った。見なければいい訳が無いのに。
情けない。そんなことを思ったことも、何もできない事も。
流した涙は虚しく床に広がった。
「楓ちゃん。」
伊海先生が私の背中を優しく摩った。
普段なら落ち着けただろうけど、今の私は余計自分が腹立たしくなるだけだった。
こんな時、物語のヒロインはシェルターを飛び出して、主人公を助けに行く。私はその展開が大嫌いだ。
結局、ヒロインを守って主人公が深手を追うからだ。
足でまといになるなら、行かない方がいい。
「楓ちゃん。戦力は世界最強と言っていい。だから心配は無用だよ。」
確かにそうだ。でも、私のせいで争いが起こっている以上、役に経つことをするのが道理だ。
何かここでできること、と頭をフル回転させて案を思い浮かべてみても、どれも現実問題無理な物ばかりだった。
あのテロ事件の時に力の放出で多くの人を癒すことができたけど、テロリスト達も癒してしまった。
どれだけ考えても、解決案は浮かんでこなかった。
気付けば、床には血が滴っていて、唇を噛んだ痛みは気付いてからやってきた。
やっぱり私にはここで待つことしかできないんだ。
それで良い訳が無いのに。
「楓ちゃん、奥に行こう。」
瑠璃川先生と伊海先生に支えられて立ち上がり、ドアに背を向けた時だった。
『彼を助けて』
その声ははっきりと聞こえた。魂の事はよく分からないけど、声が魂から聞こえてきた事は理解できた。
これはきっと、これまでの理の巫女の誰かで、前世の私の声だ。
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「楓ちゃん!?」
行かなきゃ。声に突き動かされて、諦めるものかと思った。
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そうだ、私は理の巫女。理を変えられる。どんな常識も法則も覆せるんだ。
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だから、私の魂を覆っているという魔力の殻を破らないといけない。
私は握り締めていた物に目を落とした。
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私は迷わず鞘から刀を抜いた。
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