運命のパズル

7章

隠された真実の糸口

第7章: 隠された真実の糸口

翌日の放課後、葉羽と彩由美は図書室に集まっていた。机の上には、これまでに集めた情報や手がかりが散らばっている。二人の表情は真剣そのものだ。
「ここまでの情報を整理しよう」葉羽は静かに言った。
彩由美はうなずき、ノートを開いた。「まず、文化祭の資金が消えたこと。そして山田さんの失踪...」
「ああ」葉羽は続けた。「そして、暗号のメッセージ。"JOIN"と"真実は闇の中に"...」
彼は眉をひそめ、深く考え込んだ。突然、彩由美が小さく声を上げた。
「あ！思い出した！」
葉羽は驚いて顔を上げた。「何を？」
「山田さん、最近よく図書室に来てたの」彩由美は興奮気味に話し始めた。「特に、歴史のセクションをよく見ていたわ」
葉羽の目が輝いた。「それは重要な情報かもしれない。一緒に調べてみよう」
二人は歴史のセクションに向かい、山田が見ていたであろう本棚を調べ始めた。しばらくすると、彩由美が一冊の本を手に取った。
「これ...」
それは学校の創立100周年を記念して作られた校史だった。葉羽はその本を受け取り、パラパラとページをめくった。
突然、一枚の紙が本から滑り落ちた。
「これは...」葉羽は紙を拾い上げ、目を凝らした。
そこには、複雑な図形と数字の羅列が描かれていた。
「暗号...？」彩由美が覗き込んだ。
葉羽はうなずいた。「ああ、間違いない。しかも、これは単純な置換暗号じゃない。もっと複雑なものだ」
彼は紙をポケットにしまった。「これを解読すれば、何か分かるかもしれない」
その時、図書室のドアが開き、佐々木が慌てた様子で入ってきた。
「大変だ！新たな脅迫状が...」
葉羽と彩由美は顔を見合わせた。
「内容は？」葉羽が冷静に尋ねた。
佐々木は震える手でスマートフォンを差し出した。そこには次のようなメッセージが表示されていた。
「過去の闇を暴け。さもなくば、未来は永遠に失われる」
葉羽の表情が引き締まった。「過去の闇...」
彩由美が小さく息を呑んだ。「この学校の歴史に何か秘密があるのかしら...」
葉羽は校史の本を見つめ直した。「ああ、そうかもしれない。そして、その秘密が今回の事件と関係しているんだ」
彼は突然、立ち上がった。「佐々木、先生たちにこのことは内緒にしてくれ。俺たちで調べる」
佐々木は困惑した表情を浮かべたが、うなずいた。「分かった。でも、危険なことはするなよ」
葉羽は微笑んだ。「心配するな。俺たちなりのやり方で真実に迫る」
彩由美も立ち上がり、葉羽の隣に立った。「私も全力でサポートするわ」
葉羽は彼女を見つめ、静かにうなずいた。「ありがとう、彩由美」
図書室を出る際、葉羽は校史の本を借りることにした。
「これから徹夜になるかもしれないぞ」葉羽は彩由美に言った。
彩由美は明るく笑った。「平気よ。こんなにワクワクするのは初めて」
二人は夕暮れの校舎を後にした。その背中には、未知の謎を解き明かそうとする決意が満ちていた。