時空の歪みと幽霊屋敷の謎

2章

幽霊屋敷への潜入

夕暮れが迫る中、神藤葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、その古びた洋館へと足を踏み入れた。重厚な扉を開けると、薄暗い廊下が二人を包み込む。

「わぁ、やっぱりすごい雰囲気…」

彩由美は、緊張した面持ちで葉羽の腕に手をかけた。葉羽は、そんな彩由美を優しく見つめながら、懐中電灯のスイッチを入れた。

「大丈夫、僕が一緒だから。きっと何もないさ」

そう言って、葉羽は先頭に立ち、廊下の奥へと進んでいく。壁には、先祖代々の肖像画がずらりと掛けられ、その無表情な瞳が二人を見つめているようだった。

「この屋敷、本当に古いんだって。おじいちゃんのひいおじいちゃんが建てたんだとか」

彩由美は、そんな話をしながら、壁に飾られた肖像画を一つ一つ眺めていた。

「すごいね。この絵、なんか生きてるみたい」

葉羽が指さしたのは、特に古いと思われる肖像画だった。その肖像画の女性は、どこか悲しげな表情を浮かべていた。

「そう言われると、そう見えるね」

彩由美も、その肖像画に目を奪われた。

廊下の奥にたどり着くと、そこには大きな書斎があった。書棚には、古びた書物や巻物がぎっしり詰まっている。

「ここが、おじいちゃんの書斎なんだって。昔は、よくここで本を読んでたんだって」

彩由美は、書棚を指さしながらそう言った。葉羽は、書棚を一つ一つ丁寧に調べていく。

「何か、手がかりになるものはないかな？」

そう呟きながら、葉羽は、書棚の一番上の段から、一冊の古ぼけた日記帳を見つけ出した。

「これは？」

彩由美が、日記帳に興味を示した。葉羽は、日記帳を開き、最初のページから読み始めた。

日記帳には、屋敷の歴史や、過去の出来事が詳しく書かれていた。そして、あるページに、目を引く一文を見つけた。

「…この屋敷には、恐ろしい秘密が隠されている…」

葉羽は、心臓がドキドキするのを感じた。彼は、この日記帳が、屋敷の謎を解く鍵になるのではないかと確信した。