時空の歪みと幽霊屋敷の謎

3章

動く肖像画の秘密

日記帳に記された恐ろしい秘密という言葉に、葉羽と彩由美は息をのんだ。二人は、より一層この屋敷に秘められた謎を解き明かしたいという気持ちに駆られた。

書斎を後にし、再び廊下に出て、先ほど気になった肖像画の前に立った。それは、悲しげな表情を浮かべた若い女性の姿だった。

「この人、一体誰なんだろう？」

葉羽が呟くと、彩由美が頷いた。

「もしかして、この人が日記帳に書かれていた人物なのかな？」

二人で肖像画をじっと見つめていると、突然、肖像画の女性の目がゆっくりと動き始めた。

「えっ！？」

彩由美が驚きの声を上げる。葉羽も、自分の目を疑った。

「気のせいじゃないよね？」

葉羽は、もう一度肖像画を見つめた。すると、今度は口角がわずかに上がり、薄暗い部屋の中で、得体の知れない笑みを浮かべていた。

「うわぁ！」

彩由美は、思わず後ずさりした。葉羽は、冷静さを保とうと努めながら、懐中電灯を肖像画に照らした。

「これは…、まさか…」

葉羽は、日記帳に書かれていたことを思い出した。屋敷には、恐ろしい秘密が隠されている。そして、その秘密は、この肖像画に関係しているのかもしれない。

「葉羽くん、どうするの？」

彩由美は、不安そうに葉羽を見上げた。

「まずは、この肖像画がなぜ動くのか、理由を突き止めないと」

葉羽は、そう決意し、肖像画を詳しく観察し始めた。すると、肖像画の額縁の裏側に、小さなボタンのようなものを見つけた。

「これは…？」

葉羽は、慎重にボタンを押してみた。すると、肖像画がゆっくりと壁から浮き上がり、その裏側に隠された仕掛けが現れた。

それは、小さな機械仕掛けの人形だった。人形は、肖像画の女性にそっくりで、まるで生きているように動いていた。

「これは…、自動人形？」

葉羽は、息をのんで見入った。日記帳に書かれていた恐ろしい秘密とは、この自動人形のことなのかもしれない。