時空の歪みと幽霊屋敷の謎

4章

禁断の書物の力

自動人形の秘密を解き明かした葉羽と彩由美は、ますますこの屋敷に隠された謎に興味を深めた。日記帳に書かれていた「恐ろしい秘密」という言葉が、彼らの頭を離れない。

「この自動人形を作ったのは、一体誰なんだろう？」

葉羽は、再び書斎に戻り、書棚をくまなく調べ始めた。すると、一冊の古びた本が目に入った。表紙には、複雑な模様が描かれており、何やら神秘的な雰囲気を醸し出していた。

「この本、何かありそう」

葉羽は、その本を手に取り、ページをめくり始めた。本の中には、手書きの文字で、奇妙な図形や呪文のようなものが書かれていた。

「これは…、魔法の書？」

彩由美は、息をのんで葉羽を見つめた。葉羽は、その可能性に心が躍った。

「もしかしたら、この本が、自動人形を動かす力を持っているのかもしれない」

葉羽は、そう考え、本に書かれている内容を詳しく読み始めた。すると、あるページに、次のような一文を見つけた。

「この書物には、時空を操る力がある。しかし、その力を乱用すれば、恐ろしい結果を招くことになるだろう」

葉羽は、背筋が寒くなった。この本は、単なる古本ではなく、恐ろしい力を持つ魔導書だったのだ。

「この本を使うと、タイムトラベルもできるってこと？」

彩由美は、目を輝かせながら尋ねた。葉羽は、そんな彩由美を優しく見つめながら、ゆっくりと首を横に振った。

「そんなことはできないよ。この本には、危険が伴う。安易に力を乱用すれば、私たちだけでなく、この屋敷も、そして世界も滅亡させてしまうかもしれない」

葉羽は、真剣な表情でそう言った。彩由美は、葉羽の言葉に納得し、静かに頷いた。

二人は、この魔導書を再び書棚に戻し、慎重に扉を閉めた。そして、屋敷から出る前に、もう一度、肖像画を見つめた。

「この屋敷の秘密はまだ解き明かされていない。でも、私たちは、この秘密を絶対に暴いてみせる」

葉羽は、そう心に誓い、彩由美の手を握りしめた。