時空の歪みと幽霊屋敷の謎

6章

過去の悲劇

見慣れない絵画が飾られ、絨毯が敷き詰められた異様な空間。葉羽と彩由美は、この空間が、屋敷の過去のある時点を映し出しているのではないかと推測した。

「もしかして、この空間は、この屋敷が建てられたばかりの頃の姿なのかも」

葉羽は、そう呟きながら、壁に掛けられた絵画を一つ一つ眺めていった。絵画には、屋敷の庭で楽しそうに遊ぶ人々の姿が描かれていた。

「この人たちは、誰だろう？」

彩由美は、絵画に顔を近づけ、人物の顔をよく観察した。

「もしかして、この屋敷の昔の住人？」

葉羽は、そう考え、さらに他の絵画も調べてみた。すると、ある絵画に、見覚えのある人物の姿を見つけた。それは、先ほど肖像画が動いていた部屋に飾られていた、悲しげな表情の女性だった。

「この人、さっきの肖像画の女性だ！」

彩由美は、驚きの声を上げた。葉羽も、そのことに気づき、深く考え込んだ。

「もしかして、この女性は、この屋敷に何か悲しい出来事を起こしてしまったのかもしれない」

葉羽は、そう推測し、魔導書に書かれていた内容を思い出した。時空を操る力には、恐ろしい結果を招く可能性がある。

「この女性は、この魔導書を使って、何か悪いことをしてしまったのかもしれない」

彩由美は、震え声でそう言った。葉羽は、彩由美の手を握りしめ、優しく微笑んだ。

「大丈夫、僕たちがこの謎を解けば、きっとすべてが解決する」

葉羽は、そう言い、再び魔導書を開いた。そして、魔導書に書かれた呪文を唱え始めた。

「時空の歪みを正せ！真実を告げよ！」

葉羽の声が、静かな空間に響き渡る。すると、突然、部屋が揺れ始め、絵画が光を放ち始めた。

「うわっ！」

彩由美は、驚きながらも、葉羽のそばから離れなかった。光が収まると、二人は元の書斎に戻っていた。

「やった！元の空間に戻ってきた！」

彩由美は、安堵の表情を浮かべた。葉羽は、再び魔導書を開き、慎重にページをめくった。

すると、あるページに、次の言葉を見つけた。

「時空の歪みは、永遠に続くわけではない。いつか、すべては元に戻るだろう」

葉羽は、この言葉の意味を深く考え込んだ。