無限の迷路

葉羽

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16章

トリックの全貌

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第16章: トリックの全貌

彩由美は母親に連絡を取り、過去の出来事について話を聞き始めた。母親は当時のことを思い出しながら、彩由美に詳細を語り始めた。

「彩由美、あの時のことは本当に辛かったの。でも、今こそ話す時が来たのかもしれない。」母親の声には決意が込められていた。

「母さん、教えて。あの時何があったの?」彩由美が問いかける。

「実は、高橋氏と鈴木氏の間で大きなビジネスの取引があったの。私はその取引に関与していたんだけど、ある日突然、高橋氏が鈴木氏を裏切るような行動を取ったの。」母親は続けた。

「それが原因で、鈴木氏は全てを失ったの?」彩由美が確認する。

「そうよ。そして、私はその真実を知ってしまったために、高橋氏から圧力をかけられた。そのため、私たちは田舎に引っ越すことにしたの。」母親の声には悔しさがにじんでいた。

葉羽はその話を聞いて、全てのピースが揃ったことを感じた。「つまり、鈴木氏は高橋氏に裏切られたことで復讐を誓い、今回の事件を計画したということか。」

「ええ、そして母さんがその事実を知っていたということね。」彩由美は頷いた。

「これで事件の全貌が見えた。鈴木氏の動機、手口、そして全てが繋がった。」葉羽は確信を持って言った。

葉羽と彩由美は再び現場に戻り、最後の確認を行うことにした。全ての証拠を揃え、鈴木氏の犯行を裏付けるためだ。

「この時計のタイマー装置、毒ガスの痕跡、通気口の仕掛け、そして鈴木氏の証言。全てが一致している。」葉羽は証拠を整理しながら言った。

「これで鈴木氏の犯行は確定的ね。」彩由美も同意した。

葉羽と彩由美は、鈴木氏を警察に引き渡す準備を始めた。「鈴木さん、全ての証拠が揃いました。あなたは高橋氏に復讐するためにこの計画を練り上げましたね。」

鈴木氏は深くため息をつき、やがて静かに頷いた。「そうだ。全ては高橋氏への復讐のためだった。」

「しかし、その行動は許されるものではありません。これからは法の下で償ってください。」葉羽は厳しい口調で言った。

事件はついに解決し、葉羽と彩由美は安堵の息をついた。全てのピースが揃い、真実が明らかになったことで、二人は新たな一歩を踏み出す準備が整った。

「葉羽、ありがとう。あなたのおかげで全てが解決したわ。」彩由美は感謝の気持ちを込めて言った。

「いや、君のおかげだよ、彩由美。君の協力なしでは解決できなかった。」葉羽は微笑んだ。
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