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校内戦は竜の顔③
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14人は影から連続する形で魔方陣を生成してそれぞれの召喚獣をサモンする。
2人ほど魔方陣の生成にとまどったが全員が召喚できたようだ。14体のクリーチャーと魔装鎧を着た14人の召喚士はなかなか見ごたえがある。半分ほどが竜族だ、竜族の割合は全召喚士の2%前後ということを考えればこのグループの竜族の割合は非常に多い。各地区から優秀な召喚士が入学してきているのだ。中学の時点で魔装化できる召喚士は大概、公式戦の経験があるわけでほとんど魔装化にコーチ達の助けを必要としない。
如月葵が見渡すと赤く光った40人を除く、他のグループでも召喚が行われ始めている、なかなかスムーズにいかないようだ・・・どこかしこで軽い悲鳴が起きている。
「姐さんの魔装鎧、まじカッコいいっす、すごいっす。全身真っ赤で金の縁取りなんすね。赤い鱗みたいのが強そうっす。名前とかあるんすか?」
「すごいってこの鎧か?ああ紅龍の鎧っていうらしいぜ」そういう葵は自分の鎧を見て珍しく口元を緩め笑っている。
「ちょ、超絶かわいいっす・・・。あ、いや、俺の鎧は普通のチェーンメイルっす。たいしたことないっす」
「謙遜すんなよな。いいアーマーじゃね?」
「あと、あの姐さんの後ろの竜ですけど、なんて言ったらいいかわかんないっすけど。すげえ怖いっすね・・・王様みたいっす。火竜っすよね?」
ほとんどの召喚獣は宿主である生徒が落ち着いてないせいかキョロキョロしたりやや浮足立った感じだが葵の竜だけは座っており前足を組み赤と黒を基調とした外骨格は威厳があり、確かに王者の風格をかもし出いている。
「てめえも竜を召喚してるじゃねえか」
「いやなんかレベルが違う感じがするっす、おれの竜は“セプター”って名前の風竜っす。姐さんの竜はなんて名前―――」
「はい、注目。他のグループは他のグループです。基本的に体育の授業中は召喚獣を召喚し、魔装鎧を着装した状態で負荷をかけて行います、50分維持するのは最初は難しいですが、まあ慣れましょう」
淡々と話しながら権藤先生がラプラスの魔光器を取り出して何らかの魔術を施行している。
「みなさんは召喚獣を操ることができ、魔装鎧を着装できます。召喚戦闘における基本事項は完了しています。まあ魔装鎧は必ずしもいりませんが。あとは研鑽を積み召喚獣と魔装鎧を育てていって下さい」
召喚獣のレベルが上がれば召喚士も同時にレベルアップし能力は強くなる。ただし魔術を含める戦闘技術を取得するのはまた別物である。ついでに忘れている召喚士は多いが、魔晶石によって契約し構築する魔装鎧もレベルアップがあるのだ。ずっと使っている魔装鎧の方が初めて使う上級魔装鎧より強くなっていることはしばしばある。
「ケンサンってなんすかね?そういえば姐さんは魔晶石を二つ持ってましたよね?両方とも魔装鎧化して鍛えるんすか?」
「ん?あぁ緑の石のほうは魔力を失っててな、ただのお守りだぜ」
「ああ、お守りなんすね。喪失石って言うやつっすね」緑川はお守りなんて持ちそうもないのにという表情だ。
そこそこ眠そうな権藤先生は私語をしまくっている葵と緑川をジッと見ている。表情から何か読み取るのは難しい。
「そこの二人?ちょっと前に来てください」
自分を指さしながら緑川はバツが悪そうに「すいません姐さん、すいません」と葵にあやまった。
「基本的な訓練です。公式戦や校内戦での召喚獣の召喚および使用は禁止されていますが、召喚獣の使役は重要です」権藤先生は2人に背を向けて円柱状の結界を二つ同時に作成している。
「えっと名前は如月さんと緑川くんですね、二人の召喚獣をそれぞれ結界の中へ。サンドゴーレムが出現しますので倒してください。二人は結界の外から召喚獣を使役してください。まあ結界はかなり強力ですのでおもいきりで、どうぞ。制限時間は3分です」
右手を振って権藤先生はそれぞれの結界に魔晶石を投げ入れた。魔晶石をコアとして砂が大量に出現し形作っていく。体長3m程の手足の異様に太い砂の鬼がそれぞれの結界に2体出現した。
―――如月葵の火竜と2本角の青鬼、緑川の風竜“セプター”と1本角の赤鬼のバトル開始だ。
「こういうのがやりたかったんだよ、眠くてしょうがなかったからなぁ」ふぁああと葵は背伸びしている。
「姐さん、どっちが早く倒すか勝負っす!勝ったらデートしてもらうっす!」
「あぁいいぜぇ!」
「ではいきますよ~。制限時間2分。結界内鬼退治~開始~!」
権藤先生が手を挙げると鬼たちが動き出した。
―――14人の新入生召喚士が結界内鬼退治をトライし、制限時間内に倒せたのは如月葵と三守沙羅という名前の女子生徒だけだった。砂の鬼はほとんど物理攻撃は効かず遠距離攻撃も防御もしくはさっと崩れて回避したのだ。ほとんどの生徒はダメージすら与えられなかった。
初めての体育授業が終わって生徒たちは体育館から去っていく。いつもの調子の緑川尊は相変わらず喋っている。
「いやあ、こんなに強いなんて聞いてないっす。他のグループはもっと緩い課題みたいだったっすね、選ばれしもの達はつらいっす。しかし姐さんは一瞬でしたっす、恐ろしい火炎ブレスっすね、鬼が蒸発したっす。その火竜ヤバいっすね」
しばらく体育中は組むことになった仲間たちからも如月葵は一目置かれたようだ。代わる代わる挨拶が飛んでくる。
「めちゃくちゃ強いですね。ぼ、ぼくは埼玉出身の―――」
「如月さん、新人王とるんじゃないんですか?」
「どこのチームはいるんですか?」
「鎧からして違いますもんねー」
「体育は毎日あるんで楽しみでっす」
複雑な表情の葵は歩きながら男子生徒たちに囲まれている。ちやほやされるのは葵は慣れていないようだ、やや困惑・・・といったところか。
「ま、まあ大したことないぜ」
「えーい、俺の姐さんに気易く声をかけるんじゃないっす」という緑川の声はかき消されている。
突然、葵は立ち止まった、日本人形のような黒髪の女生徒が目の前に現れておじぎをしたのだ。身長は160㎝ほど、葵より少し大きいかもしれない。
「はじめまして。うちB組の三守沙羅と申します。お見知りおきを」鬼を撃破したもう一人の生徒だ、静かに喋る子だ。サンドゴーレム戦では戦闘が開始して・・・少しして葵と違い鬼は突然崩れ動かなくなったのだ。魔力の消費で言えばこの三守沙羅に軍配があがるだろう。
「如月様は驚異的攻撃力。今後とも良しなに」そう言って再び歩き出した。
そして緑川尊の美女レーダーが働き出す。
「1年C組の緑川尊っす、三守沙羅ちゃんて言うんすね、美しい響きっす。沙羅ちゃん、おしとやかで美人っすね。あの?聞いてもいいすっか。あの砂のバケモノどうやって倒したんすか?」
「一目瞭然・・・」歩きながら三守沙羅は軽く会釈しつつ一言だけ答えた。「三守沙羅ちゃん、あのID交換しませんか・・・」
華麗にスルーされたようだ。
2人ほど魔方陣の生成にとまどったが全員が召喚できたようだ。14体のクリーチャーと魔装鎧を着た14人の召喚士はなかなか見ごたえがある。半分ほどが竜族だ、竜族の割合は全召喚士の2%前後ということを考えればこのグループの竜族の割合は非常に多い。各地区から優秀な召喚士が入学してきているのだ。中学の時点で魔装化できる召喚士は大概、公式戦の経験があるわけでほとんど魔装化にコーチ達の助けを必要としない。
如月葵が見渡すと赤く光った40人を除く、他のグループでも召喚が行われ始めている、なかなかスムーズにいかないようだ・・・どこかしこで軽い悲鳴が起きている。
「姐さんの魔装鎧、まじカッコいいっす、すごいっす。全身真っ赤で金の縁取りなんすね。赤い鱗みたいのが強そうっす。名前とかあるんすか?」
「すごいってこの鎧か?ああ紅龍の鎧っていうらしいぜ」そういう葵は自分の鎧を見て珍しく口元を緩め笑っている。
「ちょ、超絶かわいいっす・・・。あ、いや、俺の鎧は普通のチェーンメイルっす。たいしたことないっす」
「謙遜すんなよな。いいアーマーじゃね?」
「あと、あの姐さんの後ろの竜ですけど、なんて言ったらいいかわかんないっすけど。すげえ怖いっすね・・・王様みたいっす。火竜っすよね?」
ほとんどの召喚獣は宿主である生徒が落ち着いてないせいかキョロキョロしたりやや浮足立った感じだが葵の竜だけは座っており前足を組み赤と黒を基調とした外骨格は威厳があり、確かに王者の風格をかもし出いている。
「てめえも竜を召喚してるじゃねえか」
「いやなんかレベルが違う感じがするっす、おれの竜は“セプター”って名前の風竜っす。姐さんの竜はなんて名前―――」
「はい、注目。他のグループは他のグループです。基本的に体育の授業中は召喚獣を召喚し、魔装鎧を着装した状態で負荷をかけて行います、50分維持するのは最初は難しいですが、まあ慣れましょう」
淡々と話しながら権藤先生がラプラスの魔光器を取り出して何らかの魔術を施行している。
「みなさんは召喚獣を操ることができ、魔装鎧を着装できます。召喚戦闘における基本事項は完了しています。まあ魔装鎧は必ずしもいりませんが。あとは研鑽を積み召喚獣と魔装鎧を育てていって下さい」
召喚獣のレベルが上がれば召喚士も同時にレベルアップし能力は強くなる。ただし魔術を含める戦闘技術を取得するのはまた別物である。ついでに忘れている召喚士は多いが、魔晶石によって契約し構築する魔装鎧もレベルアップがあるのだ。ずっと使っている魔装鎧の方が初めて使う上級魔装鎧より強くなっていることはしばしばある。
「ケンサンってなんすかね?そういえば姐さんは魔晶石を二つ持ってましたよね?両方とも魔装鎧化して鍛えるんすか?」
「ん?あぁ緑の石のほうは魔力を失っててな、ただのお守りだぜ」
「ああ、お守りなんすね。喪失石って言うやつっすね」緑川はお守りなんて持ちそうもないのにという表情だ。
そこそこ眠そうな権藤先生は私語をしまくっている葵と緑川をジッと見ている。表情から何か読み取るのは難しい。
「そこの二人?ちょっと前に来てください」
自分を指さしながら緑川はバツが悪そうに「すいません姐さん、すいません」と葵にあやまった。
「基本的な訓練です。公式戦や校内戦での召喚獣の召喚および使用は禁止されていますが、召喚獣の使役は重要です」権藤先生は2人に背を向けて円柱状の結界を二つ同時に作成している。
「えっと名前は如月さんと緑川くんですね、二人の召喚獣をそれぞれ結界の中へ。サンドゴーレムが出現しますので倒してください。二人は結界の外から召喚獣を使役してください。まあ結界はかなり強力ですのでおもいきりで、どうぞ。制限時間は3分です」
右手を振って権藤先生はそれぞれの結界に魔晶石を投げ入れた。魔晶石をコアとして砂が大量に出現し形作っていく。体長3m程の手足の異様に太い砂の鬼がそれぞれの結界に2体出現した。
―――如月葵の火竜と2本角の青鬼、緑川の風竜“セプター”と1本角の赤鬼のバトル開始だ。
「こういうのがやりたかったんだよ、眠くてしょうがなかったからなぁ」ふぁああと葵は背伸びしている。
「姐さん、どっちが早く倒すか勝負っす!勝ったらデートしてもらうっす!」
「あぁいいぜぇ!」
「ではいきますよ~。制限時間2分。結界内鬼退治~開始~!」
権藤先生が手を挙げると鬼たちが動き出した。
―――14人の新入生召喚士が結界内鬼退治をトライし、制限時間内に倒せたのは如月葵と三守沙羅という名前の女子生徒だけだった。砂の鬼はほとんど物理攻撃は効かず遠距離攻撃も防御もしくはさっと崩れて回避したのだ。ほとんどの生徒はダメージすら与えられなかった。
初めての体育授業が終わって生徒たちは体育館から去っていく。いつもの調子の緑川尊は相変わらず喋っている。
「いやあ、こんなに強いなんて聞いてないっす。他のグループはもっと緩い課題みたいだったっすね、選ばれしもの達はつらいっす。しかし姐さんは一瞬でしたっす、恐ろしい火炎ブレスっすね、鬼が蒸発したっす。その火竜ヤバいっすね」
しばらく体育中は組むことになった仲間たちからも如月葵は一目置かれたようだ。代わる代わる挨拶が飛んでくる。
「めちゃくちゃ強いですね。ぼ、ぼくは埼玉出身の―――」
「如月さん、新人王とるんじゃないんですか?」
「どこのチームはいるんですか?」
「鎧からして違いますもんねー」
「体育は毎日あるんで楽しみでっす」
複雑な表情の葵は歩きながら男子生徒たちに囲まれている。ちやほやされるのは葵は慣れていないようだ、やや困惑・・・といったところか。
「ま、まあ大したことないぜ」
「えーい、俺の姐さんに気易く声をかけるんじゃないっす」という緑川の声はかき消されている。
突然、葵は立ち止まった、日本人形のような黒髪の女生徒が目の前に現れておじぎをしたのだ。身長は160㎝ほど、葵より少し大きいかもしれない。
「はじめまして。うちB組の三守沙羅と申します。お見知りおきを」鬼を撃破したもう一人の生徒だ、静かに喋る子だ。サンドゴーレム戦では戦闘が開始して・・・少しして葵と違い鬼は突然崩れ動かなくなったのだ。魔力の消費で言えばこの三守沙羅に軍配があがるだろう。
「如月様は驚異的攻撃力。今後とも良しなに」そう言って再び歩き出した。
そして緑川尊の美女レーダーが働き出す。
「1年C組の緑川尊っす、三守沙羅ちゃんて言うんすね、美しい響きっす。沙羅ちゃん、おしとやかで美人っすね。あの?聞いてもいいすっか。あの砂のバケモノどうやって倒したんすか?」
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