26 / 115
結成!1年生だけのチーム①
しおりを挟む
第3高校1-Aの教室に今日もカッコつけている緑川尊が来ている、ついでに何故か和風美人の三守沙羅も来ている。つまり頬杖を付いている如月葵の机の周りには他のクラスの緑川尊と三守沙羅と、同じクラスの金髪ショートの秋元未来がいるのだ。
冷静なイメージのある三守沙羅がやや熱く語っている。
「驚異的、驚異的です。如月葵さん。あの戦い信じられない・・・もう、うちのクラスでも・・・多分学校中で評判」腕組みをしつつ緑川はウンウンと相槌をうつ。
「まあそうでしょう、そうでしょう。うちの姐さんはすげえんすよ。沙羅ちゃん」お前がすごいわけじゃないけどね。
2人と対照的に不満そうなのが秋元未来だ。
「でも心配したのなの。・・・相手の人にひどい怪我させたらどうしようって思ってたのなの」そして今日の如月葵はかな~りご機嫌斜めなようだ、目が座っている。
「頼むぜ、おまえら。あたしの机はたまり場じゃねえんだよ、最近は全くよ。いろいろ来やがって休む暇もねえぜ」本当に機嫌悪そうだな、噛みつきそうだ。
学園最強クラスの3年生である纐纈守人を倒してから葵は一躍時の人となりひっきりなしに人が来たり、写真を撮られたりサインをねだられたり結構迷惑しているのである。
「それなんすよね。姐さん、すっかり有名になっちゃったから」
「すっかりじゃねえぜ、まじうぜー」
「休み時間の度に人が来るのなの。葵ちゃんを助けないと周りも危険なのなの」
「それはよくないっすね。このままじゃ姐さんのプライバシーが丸見えになってしまうっす。なにか策を練るっす・・・まあうれしい悲鳴なんでしょうけどね」
「安心立命です、そのうち落ち着くでしょうけど。何か対策を」古風な風格の三守沙羅は熟語をよく使う。本人は気持ちよく語っているのだが・・・ただし周囲はあまり理解していない。
「アンシンリツメイってなんすか?沙羅ちゃん」こうして緑川が聞き返すと会話は段々ずれていく。
「些細な事は気にしないような意味です」
「へえ沙羅ちゃんって賢いんすね。その上かわいいし」
「そんなかわいいとか無い無い・・・」
「三守さん博学なのなの、こないだも思ったの」
機嫌悪い葵以外はわいわい楽しそうだ。
「―――大丈夫っす。未来たまもめっちゃ可愛いっすよ」
「たまって付けるのやめてなの」
「・・・結局、なんの話になってんだ?おまえらなあ」ひとりだけ葵は目が座っている。
一向に話が進展しないが緑川はまじめに考えているようだ。
「そうそう、話をもどすっす。確かに人が多いっすね。まあ纐纈先輩を倒すような戦士は一度は見たいっすよね、あとスカウトも多いっすよね」
「葵ちゃんが迷惑しているのなの。緑川君、助けてあげてなの」
「でも緑川さんも強かった。うちが負けるなんて・・・」三守沙羅は自分を“うち”と呼んでいる・・・どこの出身か今度調べておかないと。
「いやあ。あれはたまたまっすよ、沙羅ちゃん」
「緑川君もびっくりするくらい強かったのなの」
「未来ちゃんまでなんなんすか」緑川は褒められてまんざらでもない。
今日はしかし何があったのか如月葵は終始ぶすっとしている。
冷静なイメージのある三守沙羅がやや熱く語っている。
「驚異的、驚異的です。如月葵さん。あの戦い信じられない・・・もう、うちのクラスでも・・・多分学校中で評判」腕組みをしつつ緑川はウンウンと相槌をうつ。
「まあそうでしょう、そうでしょう。うちの姐さんはすげえんすよ。沙羅ちゃん」お前がすごいわけじゃないけどね。
2人と対照的に不満そうなのが秋元未来だ。
「でも心配したのなの。・・・相手の人にひどい怪我させたらどうしようって思ってたのなの」そして今日の如月葵はかな~りご機嫌斜めなようだ、目が座っている。
「頼むぜ、おまえら。あたしの机はたまり場じゃねえんだよ、最近は全くよ。いろいろ来やがって休む暇もねえぜ」本当に機嫌悪そうだな、噛みつきそうだ。
学園最強クラスの3年生である纐纈守人を倒してから葵は一躍時の人となりひっきりなしに人が来たり、写真を撮られたりサインをねだられたり結構迷惑しているのである。
「それなんすよね。姐さん、すっかり有名になっちゃったから」
「すっかりじゃねえぜ、まじうぜー」
「休み時間の度に人が来るのなの。葵ちゃんを助けないと周りも危険なのなの」
「それはよくないっすね。このままじゃ姐さんのプライバシーが丸見えになってしまうっす。なにか策を練るっす・・・まあうれしい悲鳴なんでしょうけどね」
「安心立命です、そのうち落ち着くでしょうけど。何か対策を」古風な風格の三守沙羅は熟語をよく使う。本人は気持ちよく語っているのだが・・・ただし周囲はあまり理解していない。
「アンシンリツメイってなんすか?沙羅ちゃん」こうして緑川が聞き返すと会話は段々ずれていく。
「些細な事は気にしないような意味です」
「へえ沙羅ちゃんって賢いんすね。その上かわいいし」
「そんなかわいいとか無い無い・・・」
「三守さん博学なのなの、こないだも思ったの」
機嫌悪い葵以外はわいわい楽しそうだ。
「―――大丈夫っす。未来たまもめっちゃ可愛いっすよ」
「たまって付けるのやめてなの」
「・・・結局、なんの話になってんだ?おまえらなあ」ひとりだけ葵は目が座っている。
一向に話が進展しないが緑川はまじめに考えているようだ。
「そうそう、話をもどすっす。確かに人が多いっすね。まあ纐纈先輩を倒すような戦士は一度は見たいっすよね、あとスカウトも多いっすよね」
「葵ちゃんが迷惑しているのなの。緑川君、助けてあげてなの」
「でも緑川さんも強かった。うちが負けるなんて・・・」三守沙羅は自分を“うち”と呼んでいる・・・どこの出身か今度調べておかないと。
「いやあ。あれはたまたまっすよ、沙羅ちゃん」
「緑川君もびっくりするくらい強かったのなの」
「未来ちゃんまでなんなんすか」緑川は褒められてまんざらでもない。
今日はしかし何があったのか如月葵は終始ぶすっとしている。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる