ドラゴンディセンダント

ドクターわたる

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結成!1年生だけのチーム①

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第3高校1-Aの教室に今日もカッコつけている緑川尊が来ている、ついでに何故か和風美人の三守沙羅も来ている。つまり頬杖を付いている如月葵の机の周りには他のクラスの緑川尊と三守沙羅と、同じクラスの金髪ショートの秋元未来がいるのだ。

冷静なイメージのある三守沙羅みもりさらがやや熱く語っている。
「驚異的、驚異的です。如月葵さん。あの戦い信じられない・・・もう、うちのクラスでも・・・多分学校中で評判」腕組みをしつつ緑川はウンウンと相槌をうつ。
「まあそうでしょう、そうでしょう。うちの姐さんはすげえんすよ。沙羅ちゃん」お前がすごいわけじゃないけどね。
2人と対照的に不満そうなのが秋元未来だ。
「でも心配したのなの。・・・相手の人にひどい怪我させたらどうしようって思ってたのなの」そして今日の如月葵はかな~りご機嫌斜めなようだ、目が座っている。
「頼むぜ、おまえら。あたしの机はたまり場じゃねえんだよ、最近は全くよ。いろいろ来やがって休む暇もねえぜ」本当に機嫌悪そうだな、噛みつきそうだ。
学園最強クラスの3年生である纐纈守人を倒してから葵は一躍時の人となりひっきりなしに人が来たり、写真を撮られたりサインをねだられたり結構迷惑しているのである。

「それなんすよね。姐さん、すっかり有名になっちゃったから」
「すっかりじゃねえぜ、まじうぜー」
「休み時間の度に人が来るのなの。葵ちゃんを助けないと周りも危険なのなの」
「それはよくないっすね。このままじゃ姐さんのプライバシーが丸見えになってしまうっす。なにか策を練るっす・・・まあうれしい悲鳴なんでしょうけどね」
「安心立命です、そのうち落ち着くでしょうけど。何か対策を」古風な風格の三守沙羅は熟語をよく使う。本人は気持ちよく語っているのだが・・・ただし周囲はあまり理解していない。
「アンシンリツメイってなんすか?沙羅ちゃん」こうして緑川が聞き返すと会話は段々ずれていく。
「些細な事は気にしないような意味です」
「へえ沙羅ちゃんって賢いんすね。その上かわいいし」
「そんなかわいいとか無い無い・・・」
「三守さん博学なのなの、こないだも思ったの」
機嫌悪い葵以外はわいわい楽しそうだ。
「―――大丈夫っす。未来たまもめっちゃ可愛いっすよ」
「たまって付けるのやめてなの」
「・・・結局、なんの話になってんだ?おまえらなあ」ひとりだけ葵は目が座っている。

一向に話が進展しないが緑川はまじめに考えているようだ。
「そうそう、話をもどすっす。確かに人が多いっすね。まあ纐纈先輩を倒すような戦士は一度は見たいっすよね、あとスカウトも多いっすよね」
「葵ちゃんが迷惑しているのなの。緑川君、助けてあげてなの」
「でも緑川さんも強かった。うちが負けるなんて・・・」三守沙羅は自分を“うち”と呼んでいる・・・どこの出身か今度調べておかないと。
「いやあ。あれはたまたまっすよ、沙羅ちゃん」
「緑川君もびっくりするくらい強かったのなの」
「未来ちゃんまでなんなんすか」緑川は褒められてまんざらでもない。
今日はしかし何があったのか如月葵は終始ぶすっとしている。
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