54 / 115
魔族襲来⑤
しおりを挟む
―――中央区には程なくついて5人はバスを降りた。
「走った方がはええぜ」健康優良児か・・・。
「まあまあ姐さん」引率の先生は大変だ。
スポーツ用品専門店QMまではまだ少し歩く必要がある。
「とにかくっす校内戦をのし上がってっす。まあ新入生は上級生に負けまくって秋までに1100点くらいまで下がるのが普通らしいっすけど。何回かやったっすけど3年生と当たるのは反則っす。・・・1200点切るとCからD級に落ちるんすよ。落ちるとD級同士で戦うことが増えるらしいんで・・・その方がいいって話もあるっす。でも700点切るとE級に落ちてそうすると対戦相手が激減するらしいっす。C級やD級から対戦拒否されることになるらしいっす」
「ほうか。わしはもう1400点切りそうや緑川は?」
「俺はなんとか1500点キープしてるっすけど。上級生はきっついっすね。もう優性負け狙いがギリギリっす。沙羅ちゃんは?」
「うちは1476点・・・まだ1年生でランク戦しているものは少数・・・上級生との戦闘は不可避」
「まじか二人とも強ええな。わしも頑張らんとな」
「あたしなんてまだ点数ももらえないのなの」
「ああ、未来ちゃんまだランク戦の出場許可ないっすからね・・・校内ランクB級、A級なんて夢のまた夢っす。ああ?そういえば姐さんは?」
しかし日曜日に楽しくみんなでお買い物とは・・・平和だ・・・。
「・・・あたし?何が?」
話をほとんど聞いていない葵は気になることがあるのかやや落ち着かない感じだ。
「俺たちが基礎訓練中に姐さん最近一人でランク戦いってるじゃないっすか?やっぱたまに負けるっすよね?」「・・いや」
まあ纐纈君に勝てればそうそう負けないとか思わんかな緑川。
「・・・いやって・・・え!・・・ま、まさか纐纈先輩から数えて連勝中っすっか?」
「ああ46連勝だな」
もうそんなにか。そりゃ不知火玲麻よりTMPA上だからな・・・。
レマと戦って勝てるかは置いて置いて。
「えええ!ポイントはいくつっすか?」
「たしか1885・・・多分そんなもんだぜ」
「・・・えええ?1800超えてB級上がってるじゃないっすか?」
まあ順当な所だろう。葵はしれっとして何言ってるんだって感じを出している。
「―――ああ。水曜に上がったぜ」
「な、な、なんで言わないんすか」
「驚異的数字・・・」
「す、すごいのなの。お、お祝いするのなの」
「このお姫さまは無茶苦茶や」
ロミオはようやく慣れてきたようだ普通に女子を見れている。
ん?なんか変な気配?違うか?・・・消えた?遠くてさすがによく分からないな。
そろそろ葵たちはQMが見えてくる。
「・・・ったく余計なもの作るから商売上がったりだ・・・20年前はみんなうちにな・・・」
服の田村山の前だ、丁度シャッターを開けている。
向かいにQMがある。シャッターを開けているのは男性、年配で60歳位か・・・身長160㎝位の中肉中背の白髪交じりのオジサンがぶっつぶっつ文句を言っている。
「どうしたのなのなの?おじさん」なんで話しかけてるん?未来。
「ん?ああ?いらっしゃい?お嬢ちゃん」
「未来ちゃんいくっすよ」
本当に引率の先生みたいだ。
「あ、はいなの」
中央区のQMは結構大きい店で2階建てだ。
外装はシンプルだがいいセンスなのだろう。世界最大規模のバトルスーツの大手だ。
機能性とデザインと耐久力に優れていて、そして少し安いため近年西園寺グループのバトルスーツ産業を抜いて売り上げは1位のはずだ。
まあ西園寺グループはパソコンから通信機器から軍事産業や医療機器、デパート、金融、召喚戦闘関連のものまで開発から販売まで部門は信じられないほどあるが。
―――そしてすぐ戦闘になる。
修羅場になるぞ。
葵だけは僅かに気づきかけている。
QMの一階・・・何かいる。・・・なんだこれは・・・魔族?
なんで魔族がいる?ん?強いぞ・・・。9体?いや・・奥にまだいる。
・・・なんだこれは・・・おかしいぞ。
従業員は・・・全員残念ながら・・・か。
悪魔感知警報はどうして作動しない?降魔の結界の中だぞ・・・。
罠?入れば確実に死人が出る・・・。
ブルルルルッ!
珍しく葵の端末が鳴る・・・。そして端末を見る。
「ん?ん!・・・し、師匠からだ!」こんな顔つきの葵を見るのは緑川は初めてだ。
やや最初は微笑んだが目を見開いた葵は凍り付いている。
ただ事で無いのは緑川にも分かったようだ。
「え?如月の姐さんの・・・師匠っすか・・・やっぱ師匠とかいるんすね。SNS?メールっすか。なんて?なにかあったんすか?」
恐る恐る読もうとする緑川に無言で葵は自分の端末を渡す。
「読んでいいっすか?姐さん?えっと・・・“従業員はすべて殺害されている、ゴールデンタイムは過ぎており蘇生魔術はできない。隊列を組め。戦闘開始。手加減・・・無用”ぉ?・・・な、なんすかコレは!!」
「走った方がはええぜ」健康優良児か・・・。
「まあまあ姐さん」引率の先生は大変だ。
スポーツ用品専門店QMまではまだ少し歩く必要がある。
「とにかくっす校内戦をのし上がってっす。まあ新入生は上級生に負けまくって秋までに1100点くらいまで下がるのが普通らしいっすけど。何回かやったっすけど3年生と当たるのは反則っす。・・・1200点切るとCからD級に落ちるんすよ。落ちるとD級同士で戦うことが増えるらしいんで・・・その方がいいって話もあるっす。でも700点切るとE級に落ちてそうすると対戦相手が激減するらしいっす。C級やD級から対戦拒否されることになるらしいっす」
「ほうか。わしはもう1400点切りそうや緑川は?」
「俺はなんとか1500点キープしてるっすけど。上級生はきっついっすね。もう優性負け狙いがギリギリっす。沙羅ちゃんは?」
「うちは1476点・・・まだ1年生でランク戦しているものは少数・・・上級生との戦闘は不可避」
「まじか二人とも強ええな。わしも頑張らんとな」
「あたしなんてまだ点数ももらえないのなの」
「ああ、未来ちゃんまだランク戦の出場許可ないっすからね・・・校内ランクB級、A級なんて夢のまた夢っす。ああ?そういえば姐さんは?」
しかし日曜日に楽しくみんなでお買い物とは・・・平和だ・・・。
「・・・あたし?何が?」
話をほとんど聞いていない葵は気になることがあるのかやや落ち着かない感じだ。
「俺たちが基礎訓練中に姐さん最近一人でランク戦いってるじゃないっすか?やっぱたまに負けるっすよね?」「・・いや」
まあ纐纈君に勝てればそうそう負けないとか思わんかな緑川。
「・・・いやって・・・え!・・・ま、まさか纐纈先輩から数えて連勝中っすっか?」
「ああ46連勝だな」
もうそんなにか。そりゃ不知火玲麻よりTMPA上だからな・・・。
レマと戦って勝てるかは置いて置いて。
「えええ!ポイントはいくつっすか?」
「たしか1885・・・多分そんなもんだぜ」
「・・・えええ?1800超えてB級上がってるじゃないっすか?」
まあ順当な所だろう。葵はしれっとして何言ってるんだって感じを出している。
「―――ああ。水曜に上がったぜ」
「な、な、なんで言わないんすか」
「驚異的数字・・・」
「す、すごいのなの。お、お祝いするのなの」
「このお姫さまは無茶苦茶や」
ロミオはようやく慣れてきたようだ普通に女子を見れている。
ん?なんか変な気配?違うか?・・・消えた?遠くてさすがによく分からないな。
そろそろ葵たちはQMが見えてくる。
「・・・ったく余計なもの作るから商売上がったりだ・・・20年前はみんなうちにな・・・」
服の田村山の前だ、丁度シャッターを開けている。
向かいにQMがある。シャッターを開けているのは男性、年配で60歳位か・・・身長160㎝位の中肉中背の白髪交じりのオジサンがぶっつぶっつ文句を言っている。
「どうしたのなのなの?おじさん」なんで話しかけてるん?未来。
「ん?ああ?いらっしゃい?お嬢ちゃん」
「未来ちゃんいくっすよ」
本当に引率の先生みたいだ。
「あ、はいなの」
中央区のQMは結構大きい店で2階建てだ。
外装はシンプルだがいいセンスなのだろう。世界最大規模のバトルスーツの大手だ。
機能性とデザインと耐久力に優れていて、そして少し安いため近年西園寺グループのバトルスーツ産業を抜いて売り上げは1位のはずだ。
まあ西園寺グループはパソコンから通信機器から軍事産業や医療機器、デパート、金融、召喚戦闘関連のものまで開発から販売まで部門は信じられないほどあるが。
―――そしてすぐ戦闘になる。
修羅場になるぞ。
葵だけは僅かに気づきかけている。
QMの一階・・・何かいる。・・・なんだこれは・・・魔族?
なんで魔族がいる?ん?強いぞ・・・。9体?いや・・奥にまだいる。
・・・なんだこれは・・・おかしいぞ。
従業員は・・・全員残念ながら・・・か。
悪魔感知警報はどうして作動しない?降魔の結界の中だぞ・・・。
罠?入れば確実に死人が出る・・・。
ブルルルルッ!
珍しく葵の端末が鳴る・・・。そして端末を見る。
「ん?ん!・・・し、師匠からだ!」こんな顔つきの葵を見るのは緑川は初めてだ。
やや最初は微笑んだが目を見開いた葵は凍り付いている。
ただ事で無いのは緑川にも分かったようだ。
「え?如月の姐さんの・・・師匠っすか・・・やっぱ師匠とかいるんすね。SNS?メールっすか。なんて?なにかあったんすか?」
恐る恐る読もうとする緑川に無言で葵は自分の端末を渡す。
「読んでいいっすか?姐さん?えっと・・・“従業員はすべて殺害されている、ゴールデンタイムは過ぎており蘇生魔術はできない。隊列を組め。戦闘開始。手加減・・・無用”ぉ?・・・な、なんすかコレは!!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。
蛇崩 通
ファンタジー
ネットオークションに、異世界転移魔方陣が出品されていた。
三千円で。
二枚入り。
手製のガイドブック『異世界の歩き方』付き。
ガイドブックには、異世界会話集も収録。
出品商品の説明文には、「魔力が充分にあれば、異世界に行けます」とあった。
おもしろそうなので、買ってみた。
使ってみた。
帰れなくなった。日本に。
魔力切れのようだ。
しかたがないので、異世界で魔法の勉強をすることにした。
それなのに……
気がついたら、魔王軍と戦うことに。
はたして、日本に無事戻れるのか?
<第1章の主な内容>
王立魔法学園南校で授業を受けていたら、クラスまるごと徴兵されてしまった。
魔王軍が、王都まで迫ったからだ。
同じクラスは、女生徒ばかり。
毒薔薇姫、毒蛇姫、サソリ姫など、毒はあるけど魔法はからっきしの美少女ばかり。
ベテラン騎士も兵士たちも、あっという間にアース・ドラゴンに喰われてしまった。
しかたがない。ぼくが戦うか。
<第2章の主な内容>
救援要請が来た。南城壁を守る氷姫から。彼女は、王立魔法学園北校が誇る三大魔法剣姫の一人。氷結魔法剣を持つ魔法姫騎士だ。
さっそく救援に行くと、氷姫たち守備隊は、アース・ドラゴンの大軍に包囲され、絶体絶命の窮地だった。
どう救出する?
<第3章の主な内容>
南城壁第十六砦の屋上では、三大魔法剣姫が、そろい踏みをしていた。氷結魔法剣の使い手、氷姫。火炎魔法剣の炎姫。それに、雷鳴魔法剣の雷姫だ。
そこへ、魔王の娘にして、王都侵攻魔王軍の総司令官、炎龍王女がやって来た。三名の女魔族を率いて。交渉のためだ。だが、炎龍王女の要求内容は、常軌を逸していた。
交渉は、すぐに決裂。三大魔法剣姫と魔王の娘との激しいバトルが勃発する。
驚異的な再生能力を誇る女魔族たちに、三大魔法剣姫は苦戦するが……
<第4章の主な内容>
リリーシア王女が、魔王軍に拉致された。
明日の夜明けまでに王女を奪還しなければ、王都平民区の十万人の命が失われる。
なぜなら、兵力の減少に苦しむ王国騎士団は、王都外壁の放棄と、内壁への撤退を主張していた。それを拒否し、外壁での徹底抗戦を主張していたのが、臨時副司令官のリリーシア王女だったからだ。
三大魔法剣姫とトッキロたちは、王女を救出するため、深夜、魔王軍の野営陣地に侵入するが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる