ドラゴンディセンダント

ドクターわたる

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魔族襲来⑤

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―――中央区には程なくついて5人はバスを降りた。

「走った方がはええぜ」健康優良児か・・・。
「まあまあ姐さん」引率の先生は大変だ。


スポーツ用品専門店QMまではまだ少し歩く必要がある。

「とにかくっす校内戦をのし上がってっす。まあ新入生は上級生に負けまくって秋までに1100点くらいまで下がるのが普通らしいっすけど。何回かやったっすけど3年生と当たるのは反則っす。・・・1200点切るとCからD級に落ちるんすよ。落ちるとD級同士で戦うことが増えるらしいんで・・・その方がいいって話もあるっす。でも700点切るとE級に落ちてそうすると対戦相手が激減するらしいっす。C級やD級から対戦拒否されることになるらしいっす」

「ほうか。わしはもう1400点切りそうや緑川は?」
「俺はなんとか1500点キープしてるっすけど。上級生はきっついっすね。もう優性負け狙いがギリギリっす。沙羅ちゃんは?」
「うちは1476点・・・まだ1年生でランク戦しているものは少数・・・上級生との戦闘は不可避」

「まじか二人とも強ええな。わしも頑張らんとな」
「あたしなんてまだ点数ももらえないのなの」

「ああ、未来ちゃんまだランク戦の出場許可ないっすからね・・・校内ランクB級、A級なんて夢のまた夢っす。ああ?そういえば姐さんは?」

しかし日曜日に楽しくみんなでお買い物とは・・・平和だ・・・。

「・・・あたし?何が?」
話をほとんど聞いていない葵は気になることがあるのかやや落ち着かない感じだ。

「俺たちが基礎訓練中に姐さん最近一人でランク戦いってるじゃないっすか?やっぱたまに負けるっすよね?」「・・いや」
まあ纐纈君に勝てればそうそう負けないとか思わんかな緑川。

「・・・いやって・・・え!・・・ま、まさか纐纈先輩から数えて連勝中っすっか?」
「ああ46連勝だな」
もうそんなにか。そりゃ不知火玲麻よりTMPA上だからな・・・。
レマと戦って勝てるかは置いて置いて。

「えええ!ポイントはいくつっすか?」
「たしか1885・・・多分そんなもんだぜ」

「・・・えええ?1800超えてB級上がってるじゃないっすか?」
まあ順当な所だろう。葵はしれっとして何言ってるんだって感じを出している。


「―――ああ。水曜に上がったぜ」
「な、な、なんで言わないんすか」
「驚異的数字・・・」
「す、すごいのなの。お、お祝いするのなの」
「このお姫さまは無茶苦茶や」
ロミオはようやく慣れてきたようだ普通に女子を見れている。

ん?なんか変な気配?違うか?・・・消えた?遠くてさすがによく分からないな。



そろそろ葵たちはQMが見えてくる。

「・・・ったく余計なもの作るから商売上がったりだ・・・20年前はみんなうちにな・・・」
服の田村山の前だ、丁度シャッターを開けている。
向かいにQMがある。シャッターを開けているのは男性、年配で60歳位か・・・身長160㎝位の中肉中背の白髪交じりのオジサンがぶっつぶっつ文句を言っている。

「どうしたのなのなの?おじさん」なんで話しかけてるん?未来。
「ん?ああ?いらっしゃい?お嬢ちゃん」

「未来ちゃんいくっすよ」
本当に引率の先生みたいだ。

「あ、はいなの」


中央区のQMは結構大きい店で2階建てだ。
外装はシンプルだがいいセンスなのだろう。世界最大規模のバトルスーツの大手だ。
機能性とデザインと耐久力に優れていて、そして少し安いため近年西園寺グループのバトルスーツ産業を抜いて売り上げは1位のはずだ。
まあ西園寺グループはパソコンから通信機器から軍事産業や医療機器、デパート、金融、召喚戦闘関連のものまで開発から販売まで部門は信じられないほどあるが。


―――そしてすぐ戦闘になる。

修羅場になるぞ。
葵だけは僅かに気づきかけている。

QMの一階・・・何かいる。・・・なんだこれは・・・魔族?

なんで魔族がいる?ん?強いぞ・・・。9体?いや・・奥にまだいる。

・・・なんだこれは・・・おかしいぞ。

従業員は・・・全員残念ながら・・・か。

悪魔感知警報はどうして作動しない?降魔の結界の中だぞ・・・。

罠?入れば確実に死人が出る・・・。


ブルルルルッ!

珍しく葵の端末が鳴る・・・。そして端末を見る。
「ん?ん!・・・し、師匠からだ!」こんな顔つきの葵を見るのは緑川は初めてだ。
やや最初は微笑んだが目を見開いた葵は凍り付いている。

ただ事で無いのは緑川にも分かったようだ。
「え?如月の姐さんの・・・師匠っすか・・・やっぱ師匠とかいるんすね。SNS?メールっすか。なんて?なにかあったんすか?」

恐る恐る読もうとする緑川に無言で葵は自分の端末を渡す。

「読んでいいっすか?姐さん?えっと・・・“従業員はすべて殺害されている、ゴールデンタイムは過ぎており蘇生魔術はできない。隊列を組め。戦闘開始。手加減・・・無用”ぉ?・・・な、なんすかコレは!!」
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