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戦闘は否応なしに開始される―――鏡の国の葵―――⑦
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―――緊張した顔つきの6人は気配のする練習場へせーので飛び込んだ。
「明かりを点けるっす」
30畳くらいの練習場で奥が一面鏡張りになっている。
天井のライトが付く・・・かなり明るくなる。
“反鏡群現”
三守沙羅の魔法だ、防御用の魔法楯を5枚出現させている。
そして前回でこりたのだろう。ロミオは一番早く魔装している。
迅速に進み、アスモは奥の鏡に触れつつ調べている。
「反応があるであります・・・具象を可視化するであります」
鏡に黒い文字が浮かび上がる!
―――キサラギアオイ ヒトリデコイ ヒトジチガシヌ―――
みんな目を疑ったが・・・錯覚ではない。
「な、なんやこれ。なんか出てきたで」
「なんだいこりゃ?キサラギアオイ・・ヒトリデ・・・ええ!」レオナがギョっとしている。
「・・・なめやがって」一瞬周りがゾッとする気配をだしつつ瞬時に葵は魔装した。
そして鏡の中央に黒い穴がだんだん大きくなる・・・ひと一人通れるくらいの穴・・・入り口のようなものが浮かび上がる!
「上等だ!!」
いや葵、罠だろう・・・罠だってば・。
いきり立つ葵を後ろから緑川が抱きついている。
「・・・だめっす姐さん!罠っす!」
「うるせえ!中にどれだけいても全員ぶっつぶしてやるぜ!」
魔力と気合をねじり合わせて鋼鉄のような硬さと重厚感をかもし出す葵を緑川は止められない。葵は緑川をひきずりつつスタスタ鏡の穴に近づく。
「だめっす!姐さん罠っす!」
「わかってるぜ!そんなこと!中に入りに来たんだろ!」
引きずられながら緑川は叫んでいる。
「違うんす!聞いてくださいっす!誘拐された生徒は人質なんすよ!戦えるんすか?」
「はあ?人質だぁ?」
多少効果あったようで葵は立ち止まっている。
眼を閉じて三守は考え込んでいる。
「・・・もしそうなら敵の目的は・・・如月さん一人?・・・しかも文字を書いている・・・魔族ではなくて魔族を使役する人間が相手・・・」
その通りだ。
何の気配を感じているのだろう・・・アスモは?
「アスモちゃんも賛成できないであります・・・葵さまが入った瞬間空間を閉じる気であります」
「なら最初にわしらが入るか?」
「え?・・・あたいも入るのかい?」
いやおまえらに期待してはいない・・・だいたい自分の戦闘力を考えろ・・・。
「用意周到な罠っす!それくらい敵は考えているはずっす!ロミオ!入っちゃダメっす!レオナさんも!」
―――しばらく押し問答が続いたがなんとか葵を止められたようだ。
人質の状態にもよるが敵側にうまく立ち回られると葵は無力化されるだろう。
連れて逃げるにも入り込んだ先に未来たちがいるとは限らないからだ。
人質がどうなってもいい覚悟がなければ大立ち回りは難しい・・・。
ただしこれほど大掛かりな異界化結界となると・・・他にも仕掛けが・・・目的があるかもしれない。
端末を取り出している・・・緑川の端末に連絡があったようだ。
「ズー・ハンさんから連絡っす・・・だれが鏡に捕らわれたか・・・もう分かってる情報はいいっす・・・あ!・・ああ!」あいつらちゃんと仕事しているのか、意外だな。
「なんだよ?緑川?」
「ゲヘナっす・・・例のテロ組織っす・・・ほら横浜で事件を起こした連中っす」
「そいつらがなんなんだ?犯人なんだな?」
返事をせず緑川は端末を見ている。
・・・かなりの情報が緑川の端末に送られてきた様子だ。
「すごいっす!職員会議をハオ・ランさんとズー・ハンさんっすけど外から上手に探知してくれたみたいっす・・・第1高校の人が言ってるみたいっす!こないだのQMでの襲撃に引き続いてゲヘナの攻撃と断定するそうっす!」
それは予想通りだけど。しっかしハオ・ランとズー・ハン・・・なんでこんなに協力的なんだ?
「なんてこと!!じゃあ!そんな!」
三守さんはやっぱり賢いね・・・そういうことだ。
「なんや!なんやって!こないだ魔族に襲われたんも!ゲヘナかいな!」
珍しく燃える顔をしている・・・重症を負ったからなロミオは。
でもコイツは分かってないな。
「今回も作り物の魔族の匂いがするであります」
この子のことも少し調べたいな・・・江上明日萌・・・何者だ?
「うちそんな・・・そんなことって。ゲヘナの目的は・・・」
「そうっすね。それしかないっす。目的は・・・如月葵の姐さんっす」
「如月の姉御がなんだってのさ?分かりやすく言ってよね?」三守にまたバカにされそうだなレオナ。
「ゲヘナは魔族信仰の強いテロ集団で、悪魔崇拝者とも呼ばれてるっす。全員が何らかの特殊能力者なんす。活発な活動はやっぱ450年ぶりの・・・来年の聖魔大戦が目的だろうっていわれてるっす。ここ数年テロ行為をするとゲヘナは声明を出すことがあるっすが。人の世は終わりをつげ何とかって魔王の時代が始まるみたいなことを言ってる連中っす・・・最近の情報だとやっぱり横浜に潜んでるって言われてるっす・・・もう少し情報が欲しいっすね」
「そ。それと如月の姉御と何の関係があるんだい?」
「それは4000年前の第一回の聖魔大戦のころからっすけど、魔族の大侵攻・・・定期的に繰り返される・・・いわゆる聖魔大戦はほとんどが竜王家の血筋のものに撃退されているからっす。4000年来の魔族の仇敵なんすよ竜王家は・・・つまり神明家・・・姐さんの実家っす。悪魔崇拝者のゲヘナが姐さん一人に的を絞るのは姐さんが危険・・生かしておくと危険だという判断なんでしょう・・・最後のは多分っすけど」
納得いったようだレオナはなるほどねと言っている。
「ああ?神明家かい?・・・姉御は神明家の・・・お姫様かい・・・驚いたね。え~でも・・・それならあんた第2高校に神明帝って名前の王子がいるはずだよ。こいつがいけ好かない奴だけど竜王になるってうわささ。・・・あれ?じゃあいつと兄妹かい?」
「その第2高校の神明帝さんって人は襲われていないっすよね?この鏡の事件は第3高校でしか起きてないっすから。つか姐さんお兄様がいるんすね?一回肉親の方にご挨拶する必要があるっす」
一回葵がそれはもうボッコボコにして緑川、君が戦闘偏差値30って言っちゃってる相手だけど・・・。
そうか未来は知ってるけど緑川は知らないままか・。
「明かりを点けるっす」
30畳くらいの練習場で奥が一面鏡張りになっている。
天井のライトが付く・・・かなり明るくなる。
“反鏡群現”
三守沙羅の魔法だ、防御用の魔法楯を5枚出現させている。
そして前回でこりたのだろう。ロミオは一番早く魔装している。
迅速に進み、アスモは奥の鏡に触れつつ調べている。
「反応があるであります・・・具象を可視化するであります」
鏡に黒い文字が浮かび上がる!
―――キサラギアオイ ヒトリデコイ ヒトジチガシヌ―――
みんな目を疑ったが・・・錯覚ではない。
「な、なんやこれ。なんか出てきたで」
「なんだいこりゃ?キサラギアオイ・・ヒトリデ・・・ええ!」レオナがギョっとしている。
「・・・なめやがって」一瞬周りがゾッとする気配をだしつつ瞬時に葵は魔装した。
そして鏡の中央に黒い穴がだんだん大きくなる・・・ひと一人通れるくらいの穴・・・入り口のようなものが浮かび上がる!
「上等だ!!」
いや葵、罠だろう・・・罠だってば・。
いきり立つ葵を後ろから緑川が抱きついている。
「・・・だめっす姐さん!罠っす!」
「うるせえ!中にどれだけいても全員ぶっつぶしてやるぜ!」
魔力と気合をねじり合わせて鋼鉄のような硬さと重厚感をかもし出す葵を緑川は止められない。葵は緑川をひきずりつつスタスタ鏡の穴に近づく。
「だめっす!姐さん罠っす!」
「わかってるぜ!そんなこと!中に入りに来たんだろ!」
引きずられながら緑川は叫んでいる。
「違うんす!聞いてくださいっす!誘拐された生徒は人質なんすよ!戦えるんすか?」
「はあ?人質だぁ?」
多少効果あったようで葵は立ち止まっている。
眼を閉じて三守は考え込んでいる。
「・・・もしそうなら敵の目的は・・・如月さん一人?・・・しかも文字を書いている・・・魔族ではなくて魔族を使役する人間が相手・・・」
その通りだ。
何の気配を感じているのだろう・・・アスモは?
「アスモちゃんも賛成できないであります・・・葵さまが入った瞬間空間を閉じる気であります」
「なら最初にわしらが入るか?」
「え?・・・あたいも入るのかい?」
いやおまえらに期待してはいない・・・だいたい自分の戦闘力を考えろ・・・。
「用意周到な罠っす!それくらい敵は考えているはずっす!ロミオ!入っちゃダメっす!レオナさんも!」
―――しばらく押し問答が続いたがなんとか葵を止められたようだ。
人質の状態にもよるが敵側にうまく立ち回られると葵は無力化されるだろう。
連れて逃げるにも入り込んだ先に未来たちがいるとは限らないからだ。
人質がどうなってもいい覚悟がなければ大立ち回りは難しい・・・。
ただしこれほど大掛かりな異界化結界となると・・・他にも仕掛けが・・・目的があるかもしれない。
端末を取り出している・・・緑川の端末に連絡があったようだ。
「ズー・ハンさんから連絡っす・・・だれが鏡に捕らわれたか・・・もう分かってる情報はいいっす・・・あ!・・ああ!」あいつらちゃんと仕事しているのか、意外だな。
「なんだよ?緑川?」
「ゲヘナっす・・・例のテロ組織っす・・・ほら横浜で事件を起こした連中っす」
「そいつらがなんなんだ?犯人なんだな?」
返事をせず緑川は端末を見ている。
・・・かなりの情報が緑川の端末に送られてきた様子だ。
「すごいっす!職員会議をハオ・ランさんとズー・ハンさんっすけど外から上手に探知してくれたみたいっす・・・第1高校の人が言ってるみたいっす!こないだのQMでの襲撃に引き続いてゲヘナの攻撃と断定するそうっす!」
それは予想通りだけど。しっかしハオ・ランとズー・ハン・・・なんでこんなに協力的なんだ?
「なんてこと!!じゃあ!そんな!」
三守さんはやっぱり賢いね・・・そういうことだ。
「なんや!なんやって!こないだ魔族に襲われたんも!ゲヘナかいな!」
珍しく燃える顔をしている・・・重症を負ったからなロミオは。
でもコイツは分かってないな。
「今回も作り物の魔族の匂いがするであります」
この子のことも少し調べたいな・・・江上明日萌・・・何者だ?
「うちそんな・・・そんなことって。ゲヘナの目的は・・・」
「そうっすね。それしかないっす。目的は・・・如月葵の姐さんっす」
「如月の姉御がなんだってのさ?分かりやすく言ってよね?」三守にまたバカにされそうだなレオナ。
「ゲヘナは魔族信仰の強いテロ集団で、悪魔崇拝者とも呼ばれてるっす。全員が何らかの特殊能力者なんす。活発な活動はやっぱ450年ぶりの・・・来年の聖魔大戦が目的だろうっていわれてるっす。ここ数年テロ行為をするとゲヘナは声明を出すことがあるっすが。人の世は終わりをつげ何とかって魔王の時代が始まるみたいなことを言ってる連中っす・・・最近の情報だとやっぱり横浜に潜んでるって言われてるっす・・・もう少し情報が欲しいっすね」
「そ。それと如月の姉御と何の関係があるんだい?」
「それは4000年前の第一回の聖魔大戦のころからっすけど、魔族の大侵攻・・・定期的に繰り返される・・・いわゆる聖魔大戦はほとんどが竜王家の血筋のものに撃退されているからっす。4000年来の魔族の仇敵なんすよ竜王家は・・・つまり神明家・・・姐さんの実家っす。悪魔崇拝者のゲヘナが姐さん一人に的を絞るのは姐さんが危険・・生かしておくと危険だという判断なんでしょう・・・最後のは多分っすけど」
納得いったようだレオナはなるほどねと言っている。
「ああ?神明家かい?・・・姉御は神明家の・・・お姫様かい・・・驚いたね。え~でも・・・それならあんた第2高校に神明帝って名前の王子がいるはずだよ。こいつがいけ好かない奴だけど竜王になるってうわささ。・・・あれ?じゃあいつと兄妹かい?」
「その第2高校の神明帝さんって人は襲われていないっすよね?この鏡の事件は第3高校でしか起きてないっすから。つか姐さんお兄様がいるんすね?一回肉親の方にご挨拶する必要があるっす」
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