ドラゴンディセンダント

ドクターわたる

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戦闘は否応なしに開始される―――初めての全国大会―――⑨

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―――団体戦最終日―――

5チーム総当たり戦・・・一つの闘技場で順番に10戦行うわけだが・・・もっとも大事なのは第7戦だ・・・。
第7戦は“ホーリーライト”と“DD-stars”が戦うのだ・・・両チームが他のチームと戦って負ける可能性はほとんどない。

「“ホーリーライト”が相手っすから・・・きっついとは思うんすけど“DD-stars”を応援するっす」
「そやな先輩やからな・・・わしまで緊張するで・・・」
「雌雄決す・・・うち、大津留せんぱいを応援・・・」

今から始まる第7戦が事実上の決勝戦になる。



先鋒戦・・・。

“ホーリーライト”の高成崋山と“DD-stars”の纐纈守人の1戦だ。

高成弟は妖刀を振り回し・・・纐纈君は竜紋のミドルシールドで捌きながらロングソードで迎え撃つ・・・。
少しでも距離があくと纐纈君の雷属性魔法が飛んでくるため高成弟は密着する必要があった。

ほぼ互角だ・・・高成弟の方がいい形だったが・・・纐纈君にはこれがある。葵には使わなかった技だ。

“武神モード”!!

ほんの10秒程だが爆発的にTMPAをブーストする技で桔梗とすら戦えると言われている技・・・高成弟は惜敗した。



次鋒戦は佐薙亮一と武野島環奈の戦いだった。
“ホーリーライト”の佐薙亮一は炎竜の召喚士で非常に強力・・・桔梗と葵さえいなければ降魔六学園随一の炎の使い手だっただろう。
“ホーリーライト”の次鋒は炎竜の佐薙亮一か、雷竜の仁久崎星真か、土竜の土斐崎之平の3人のうち誰かが担当する・・・他にも候補者はいる。
武野島環奈のブラストハンマー凶はとんでもない威力で闘技場は半壊したが接近戦も遠距離戦も隙のない佐薙亮一に敗れた。



中堅ダブルスは天野・安福ペア対藤崎・大津留ペアで戦う。
ダブルスは闘技場が広くなり通常の魔装鎧も魔装武器もほとんど―――膨大な魔力消費をすれば可能だが―――基本的に使用できない、獣人化を始めとする肉体を変化させるような系統の特殊魔装は可能である。

巨漢の天野哲夫とその左肩に乗っている小柄な安福絵美里ペアは“ゴールデンアイ・スチールレッグス”になる・・・鋼鉄の巨大蜘蛛のような特殊魔装だ。
3つの金色の目を持ちレーザーを撃ちまくる。
蜘蛛の身体部分は降魔六学園でも最硬レベルとなる・・・つまり防御力も魔法無効化率もトップクラスなのだ、ちなみに岩壁魔人と呼ばれる天野よりも魔法無効化率の高い魔装を作れるものは学園に一人だけいるが・・・全く動けなくなるため・・・存在すら知られていない。
天野の身体はもちろん安福絵美里の身体も鋼鉄の4本足の蜘蛛の中に入り操縦するようなイメージだ。エミリーが操るのは3つの金色の目だけだ。

・・・エミリーは1人で戦う時、3つのゴールデンアイを操る・・・直系8.8㎝のゴールドの球体だ。特殊魔装の一種でエミリーは通常の魔装鎧は構築できない。
このゴールデンアイは別々に操作可能で飛行、空中で静止、レーザー攻撃、結界防壁、視覚情報、探知が可能で操作するには非常に高い処理能力・・・つまり高い知性と魔力と集中力を要する、だが魔力の消費は激しい。
エミリーが一人で戦う場合は1つのゴールデンアイに自分を守らせ残り2つのゴールデンアイで相手を攻撃する。
ただし魔術ではないためゴールデンアイを破壊された場合・・・戦闘中の回復は不可能に近い。

大津留ジェニファーは説明不要だろう・・・六学園で最速クラス、本人曰くマーシャルアーツの達人らしい、最近両手足を硬質化する特殊魔装を覚えている。
藤崎成城は古武術と拳法の達人で魔装鎧は構築できるが苦手で防御力は低く、だがかわりにジェニファーより劣るが非常に戦闘スピードは速い、ちなみに苦学生で放課後は校内戦よりバイトを優先している。

中堅ダブルスは戦闘開始した瞬間・・・エミリーは3つのゴールデンアイをまとい結界を構築・・・普段の戦闘ではしないが・・・理由は簡単だ・・・藤崎・大津留の二人はすでに目の前に差し迫っているからだ。

硬質化している水晶のような右腕でジェニファーは防御結界を切り裂く!その綻びから藤崎が器用に足から飛び込んでそのままエミリーを攻撃する・・・がエミリーに攻撃は届かない・・・天野の特殊魔装しかけている鉄塊のような右腕で防がれている。

中堅戦を戦っている4人はとっさに悟っている・・・前回の時よりも相手は手強くなっていると・・・。
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