39 / 88
*番外編2 新婚生活に新しい変化が?
新婚生活に新しい変化が?
しおりを挟む「きちんとしたご挨拶が遅れてすみません。私は二階堂 月菜です。狭山さん、香津美さんにはお世話になったのに、ずっとお礼も言えないままで……」
再会するなりペコペコと頭を下げる月菜さん。確かに真面目そうな彼女は、人一倍そういう事を気にしそうな感じではあったけれど。
「いいのよ、月菜さん。私も貴女がいてくれたから頑張れたの、世話になったのはお互い様だわ。」
あの時一人じゃなかったことがどれだけ心強かったか、あの状況でも一生懸命だった月菜さんに私は勇気をもらったのよ?
それに……柚瑠木さんは月菜さんには隠していそうだけれどね。
私はチラリと聖壱さんを見て微笑んで見せる、きっと彼なら分かってくれると思ったから。
「……ああ、その事なら何度も柚瑠木から礼を言われているよ。もちろん月菜さんの分も含めて。あと、俺の事は狭山ではなく聖壱と呼んで欲しいかな。」
そう言うと聖壱さんが月菜さんにニッと人懐っこく笑って見せた。きっと彼も月菜さんの緊張を解してあげたいんでしょうね。
「聖壱はどうしてそうやって余計なことまで話すんですか?僕は何度も聖壱の口を縫い付けてしまいたいと思っているんですけどね。」
隠していたことを月菜さんに話されて不満そうな柚瑠木さん。この二人のやり取りって結構楽しいかも。
「……柚瑠木さん、また私には何も言ってくれなかったんですね?」
聖壱さんに不満そうな柚瑠木さんをじっと睨んでいるのは月菜さん。どうやら月菜さんは柚瑠木さんに何も聞かされていなかったようね。
その何でも月菜さんには話さずに済ませようとするの、良くないと思うわ。
「いえ、月菜さんに話せば余計に気にしてしまうかと思ったので。聖壱達にはきちんと僕から話しましたし……」
「柚瑠木さん、私が言いたいのはそういう事では無くて……」
あら?この二人、前に会った時とずいぶん雰囲気が変わってない?事件の時にはまだ二人に距離があったように感じたけれど、今はちょっと近くなったような。
もしかしてあれから二人に進展があったのなら、ちょっと話を聞いてみたいわね。月菜さんの方がすんなり話してくれそうだし、ここは……
「まあまあ、喧嘩は二人の時にゆっくりとやってちょうだい?それより月菜さんが甘いものが好きと聞いていたのでお菓子を用意しておいたの。2人でお茶を飲みながらゆっくりお話しましょう?」
「え?でも……柚瑠木さんと聖壱さんは?」
そうね、邪魔な男2人は……
「そう言えば聖壱さん、久しぶりに身体を動かしたいと言っていたわよね?柚瑠木さんとジムにでも行って来たらどうかしら。」
「ああ、そうだな。柚瑠木、行くぞ。」
こうして柚瑠木さんは聖壱さんに任せて、私はゆっくりと月菜さんと二人の時間を楽しんだ。これなら問題なく料理教室も一緒に通う事が出来そうね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
531
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる