42 / 88
*番外編2 新婚生活に新しい変化が?
新婚生活に新しい変化が?4
しおりを挟む「あの、今日からこの料理教室に通う鏡谷 杏凛です。よろしくお願いします。」
私達が同じグループだと分かると、丁寧な挨拶をしてくれる杏凛さん。やっぱりこの人は真面目そうな人よね、どうして旦那さんにはあんな態度なのかしら?
「奇遇ね、私達も今日からなのよ。私の名前は狭山 香津美、こちらこそよろしくね。早く仲良くなりたいし杏凛さんと呼ばせていただくわ。」
私がそう自己紹介をすると、杏凛さんは嬉しそうな顔で私の出した手をギュッと握る。意外と……力が強いのね、杏凛さん。
「そうなんですか?ああ、やっぱり勇気を出してあの人から離れる時間を作ってよかったわ!」
あの人って多分、旦那さんの匡介さんの事よね?何だかこの夫婦、訳ありな感じがするわ。
「あの……私も今日から通い始めた二階堂 月菜です。杏凛さん、私とも仲良くして頂けますか?」
「もちろんです。香津美さん、月菜さん……お願いです、これから私のお友達になってくれませんか?」
そう言って深々と頭を下げる杏凛さん。まさかこんな風にお願いされるなんて思ってもいなかったけれど、こんな面白そうなお友達なら大歓迎よ。
「ええ、もちろんよ。こちらこそこれから仲良くしましょうね?」
「よろしくお願いします、杏凛さん。」
ふふふ。新しいお友達も出来たし、これから料理教室が楽しくなりそうね。
「それでは新しい方もいますので、改めて自己紹介させてもらいます。僕の名前は生方 優弥、30歳です。」
ホワイドボードに少し大きめに書かれた先生の名前、なんだか芸能人みたいよね。よく見れば優し気なその顔も結構私の好みのタイプだったりする。
聖壱さんに言えばヤキモチを妬きそうだったから黙っていたけれど、実は私は優男みたいな人が好みだったりするのよね。
「……カッコイイですね、生方先生。杏凛さんの旦那さんがヤキモチ妬くのも仕方ない気がします。」
「そうでしょうか……?けれど匡介さんはいつもあんな風に過保護で嫉妬深い、私は結婚してからずっと彼にどう接していいのか分からないでいます。」
ああ、それで杏凛さんは匡介さんにあんな態度を……やっぱり彼女は旦那さんの匡介さんを嫌っているわけではないのでしょうね。
「そうなの、もし私達に話して少しでも気が晴れるのならば何でも相談して頂戴ね?さあ。先生がこちらを睨んでいるし、調理に取り掛かりましょうか。」
そう言ってニコッと笑って見せると、杏凛さんも少しホッとしたような表情になった。月菜さんも私の意見に賛成らしく、「今度一緒にお茶しましょう?」と杏凛さんを誘っていた。
こうして料理教室の初日は月菜さん、杏凛さんと協力して美味しい料理を作る事が出来たのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
531
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる