序盤に倒したのが魔王でした!?~世界最強の賢者、王宮から追放されたので旅をしていたら最初に魔王を倒しちゃいました~

暁山桜

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第1章  オーレスト王国編

1章プロローグ その男、王宮から追放される

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 オーレスト王国、王宮



 「レオール、お前を王宮から追放とする。すぐに荷物をまとめて出ていってくれ」



 「はい…………そうします。俺もここから出ることが出来て嬉しいので。もう、会うことはないでしょう」



 俺は、オーレスト王国の宮廷魔導師だった。誰にも言っていないし、俺と陛下しか知らないことだが、俺は世界最強の賢者だ。

 だから、俺は同僚や先輩の宮廷魔導師たちとは接さないでいた。だって、戦うことになったり、一緒に討伐に行ったりすれば俺のこの力がばれてしまうからだ。

 俺からすれば、この世界の人々や魔物は人から見た蟻に等しいレベルだ。だから、他の宮廷魔導師や貴族たちに無愛想に接していた結果がこれだ。



 『無愛想で無能な魔導師、レオール』



 これが、俺の周りにつけられた名前だ。

 おかしいだろ!! 俺は自分の力を隠すために一人で陛下からの討伐依頼に向かい、陛下を陰ながら護衛し、ドラゴン討伐の時なんか、隠れながら、いい感じにドラゴンに傷を負わせてやったというのに……



 まあな、最初からこうなることはわかってたよ。でも、これはないだろう。俺にありもしない横領の罪を着せやがったくそ貴族と貧弱な同僚。

 陛下は俺の事情を知っているから、王宮から追放するだけにしてくれた。ホント、いいおっさんだよ。そりゃ国民から"賢帝”って言われるわ。



 そして、その国王のおっさんは俺に少しばかりのお金を渡してくれた。…………ヤバイ、おっさんが仏に見えてきた!! とそんな感じで俺は王宮から追放された訳だが、別に嫌じゃない。むしろセイセイしたくらいだ。



 ところで、俺がなんでこんなに自分が最強だって言ってるのかというと、この世界の人々が12、13歳頃に神から渡されると言われている"祝福ギフト”と"職業ジョブ”が絡んでくる。



 まずに"職業ジョブ”についてだが、これは「剣士」やら、「魔法使い」やらのことだ。これは将来、自分が何で働くのか? ということに大きく関わってくる。

 例えば、「剣士」なら、王国の「近衛騎士団」に入るとか。「魔法使い」なら、俺がしてたみたいに「王宮魔導師」になるとか。このように道が決まる。

 そのため、職業が「無職」とか「農民」とか「商人」とかだったらとてもまずい。この3つの職業は大成することが非常に難しい上に冒険者になることもできない。

 ちなみに冒険者っていうのは、ギルドに登録してギルドが仲介となってダンジョン攻略や護衛、討伐依頼を受けて金を稼ぐやつらのことだ。俺も、まずはギルド登録しようと思っているところだからな。

 ここで話を戻すが俺の職業は「賢者」だった。

 しかし、「賢者」なんてレア職業ジョブすぎて何になればいいかなんてわからない。しかも、俺が「賢者」と言ったところで信じる人もいない。

 そんな俺を拾ってくれたのが国王のおっさんなのだが。やはり、魔法使いではない俺が王宮魔導師に入ったのは失敗だった。

 そして、それぞれの職業ジョブには職業ジョブスキルがある。魔法使いなら、「魔法攻撃力アップ」とか魔法に関わるものが多い。剣士なら、「接近戦で強くなる」とかの剣に関わるものが多い。

 そして、俺の「賢者」の能力はなんと3つあった。ちなみに普通は1つなのだが。

 一つ目、魔法創作:自分の使いたい効果を持つあらゆる魔法を 創ることができる。

 二つ目、魔力無限:魔力が無限になる。あらゆる属性の魔力を持つ。

 三つ目、全知全能:あらゆる魔法を使うことができ、あらゆることを知ることができる。

 完全にチートだった。しかもこれが、世の中に知り渡ったら、世界中のあらゆるものが壊れる。商売であったり、戦争であったり、そして結局国が滅びて世界が崩壊する。

 つまり、俺の得た職業ジョブは人間がもっていい範囲を越えすぎた、正に「規格外」だったのである。



 次に"祝福ギフト”についてだが、これは職業ジョブとともに神様からもらうことができる加護みたいなもので、一人につき一つ持っているものだ。

 職業ジョブが自分の将来の働きかたを決めるものだとしたら、祝福ギフトは働く場所での序列が決まるものだ。

 だから、俺が働いていた王宮魔導師のリーダーは「魔法の加護」を持っていた。ちなみに近衛騎士団の団長の祝福ギフトは「聖剣、シエル」といって、聖剣を使えるようになるスキルのようだ。

 俺はこの祝福ギフトさえもチートだった。

 無限祝福解放、創造:祝福ギフトを何個も持つことができ、また祝福ギフトを創ることができる。

 世の中のルールをぶち壊すものなのだ。



 つまり、俺が言いたいのはこんなヤバイ能力だったら、そりゃ周りに隠すしかないだろということだ。

 俺も好きで無能を演じていた訳じゃないし、無愛想に接していた訳ではない。

 確かに、俺も徹底的にそうしてしまったのでみんなに嫌われるところまではよかった。……………追い出すまではしなくてもいいだろ。

 俺は冒険者になることに決めた。冒険者なら、実力を隠す必要もないし、一人で勝手にダンジョンを攻略して、討伐依頼をクリアすれば問題ない。

 それに、もうあのくそ貴族や貧弱な同僚たちの顔を見ないですむ。俺は冒険者になって自由にいきるぞ。



 そして、俺にはもう一つ目的がある。俺にこんなヤバイ能力を授けた神とやらにあって問い詰めることだ。

 冒険者になるのもこの目標を達成するためでもある。

 この世界の伝承によれば世界の中心に神がいると言われている。

 世界中を冒険していたら、奇跡的に世界の中心にいくための方法がわかったり、行ける道に繋がったりするかもしれないと思ったからだ。



 「俺は絶対に神を見つけてやる」



 俺は王宮の外で大きく広がる青い空に向かって叫んだのだった。そして、俺の第二の人生が始まる。

 王宮魔導師としては失敗してしまったが、冒険者になったら、好きに生きて、目標を達成して、自由を謳歌してやる。



 レオール=アルマン、23歳。彼の旅が始まろうとしていた。
 それが波乱のものになるとはまだ、誰も知らない。
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