序盤に倒したのが魔王でした!?~世界最強の賢者、王宮から追放されたので旅をしていたら最初に魔王を倒しちゃいました~

暁山桜

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第1章  オーレスト王国編

1章2話  その男、美少女魔族と戦う

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 王都から次の街に向かっている道中、俺はとある噂を耳にした。

 それはこの道を歩いていると「食べ物をよこせ」と食べ物を強奪していく強い魔族がいるらしい。

 それも、とても美しい美少女で、なんでも長い銀髪で青い瞳を持っているという。

 これは男としても冒険者としても是非会ってみたい。

 だから、俺は2、3時間ほどその魔族が現れないかを待っていた。



 1時間後……



 「キャーー!!」



 少し先から悲鳴が聞こえた。これは魔族が現れたに違いない。

 待ってろよ!! 強敵!! 俺はストレスがたまってるんだ。

 どっかで魔法をぶちかましてえんだよ



 「食べ物を渡して!! さもないと貴方たちの馬車を破壊することになるわ」



 「やめて、ください。そこには王都で生活するためのものがたくさん入っていまして……」



 魔族がいた。そして、人をいじめていた。

 でも、おかしくないか? この国は魔族の国から大分離れている。

 そのため、魔族がこの国に来ることなんてほとんどない。

 なのに、なぜあの魔族の少女はこんなところに来ているんだ?



 「おい、魔族。やめてやれ。この人たちが困ってるだろ」



 「貴方、なにしに来たのですか? 私に殺されに来たのですか?」



 「俺はなーー、……」



 正直、考えてねえ。俺、なんでこの魔族が現れるの待ってたんだっけ?

 ……そうだ、強そうだからだ。とりあえず、戦ってから他のことを考えよう。



 「俺はお前と戦いに来たんだ。もし、俺に勝ったら食べ物をやるよ」



 「本当なのか? それなら、この人間族を見逃すとするわ。貴方たちはもういっていいわよ」



 そう少女がいうと旅商人の人たちは急いで逃げていった。

 もちろん、俺には礼をいってくれた。



 「兄さん。ありがとな。この恩はどこかで会ったら返すよ」



 「別にそんなのいいっすよ。それに俺も旅してるんで会うことはないと思うっす。じゃあ、お元気で」



 「ありがとう。本当にありがとう」



 こうして、商人一家は王都へ向かって逃げていった。



 「じゃあ、私と貴方との戦いを始めましょう」



 魔族の少女のまわりにはすでに火の玉が現れていた。



 「『フレア』」



 フレアは低級魔法だ。

 しかし、ここまで大量のフレアを飛ばしてくるとは結構の実力者だな。



 「『ムーロ』いくら大量の炎の玉でも、防御魔法で障壁をはっちまえば終わりだ」



 この世界の魔法には炎と水(氷)と風と土と雷の5属性と光と闇の陰陽属性がある。

 そして、同じ魔法でもさっきみたいに『ムーロ』というよりも『ドゥス・ムーロ』と言えば障壁が弱くなる。

 逆に『オー・ムーロ』と言えば障壁がより強くなる。

 つまり、普通に魔法の名前をいうのか魔法の前に『ドゥス』か『オー』とつけるのでは魔法の強さが違ってくる。

 でも、魔法を強くすればその分魔力を使うので疲れるのだ。



 「貴方、障壁魔法を使ったのね。面白くないわ。貴方も攻撃魔法を使いなさい」



 「言われなくてもそうさせてもらうぜ。でも、お前、俺の一発くらえば負けるから、戦い、終わるけどいいの?」



 「んなわけあるかーーーー!! 私を倒せるような職業ジョブを人間族が持っていることはないし、私を倒せる祝福ギフトも持っているはずないわ」



 この少女、人間を舐めすぎだろ。俺からしてみれば魔族なだけましだと思うんだが……

 魔族は希に進化して魔神になることがある。あれは強い。でも、魔族はそこそこだ。

 もしかしたら、魔王なら強いのかもと思っているので旅の途中に是非とも戦ってみたいと思っている。



 「あまり、人を舐めないでくれよ。俺は多分、お前に勝てるぜ。何しろ"賢者”だからな」



 「ハッ、笑わせないで。賢者ごときでは私を倒せないわ。次でおわりにしましょう」



 少女は複雑な術式を展開し始めた。彼女の周りの炎によって、この辺りの草や花はなくなっている。

 それほど、強力な魔法ということか。俺も少し本気を出してやろう。



 「私の奥義よ!! 『オー・インフェルノ』」



 インフェルノか炎の上級魔法じゃないか。なかなかやるな。



 「まあ、これでおわっちまうけど、『アブソリュート・ゼロ』」



 俺は相手の炎に対しわざと弱い氷魔法を使った。

 こうしないと少女を殺してしまうからだ。ここで水魔法なんか使えば大変なことになる。だから、やめた。



 「えっ!! 私の魔法の方が有利なのに……なんで……いやーー」



 少女は俺の魔法によって倒れてしまった。

 おかしい、威力は最小限にしたはずなんだけど……

 俺の魔法で少女は倒れてしまった。……仕方ない、運んでやるか。

 俺は少女を担いで野宿をする場所に向かった。





 数時間して、少女は目を覚ました。もう、日がくれている。



 「ここは……? あと、貴方は私を倒した……ハッ!! ここはどこですか? 私に変なことをしていないでしょうね?」



 「しねえよ。お前、俺の魔法で倒れっちまったからさ、ここまで運んできたんだよ。あと、肉でも食うか?」



 「いいのか!!」



 食べ物の話しになったとたん、目の色を変えたな。



 「たくさん食えよ。でさ、お前、なんで人を襲ってたんだ?」



 「それは、食べ物がなくて困っていたからに決まっているじゃない」



 そりゃそうだ。腹も減ってないのに食料を求めて人を襲うなんてやばすぎるだろう。

 やっぱ、はっきり聞くか。



 「お前、魔族だよな。なのに、なんでこんな魔族の国から離れた所にいるんだよ?」



 「貴方、デリカシーってものがないんじゃないの!?ここに魔族がいるのが普通と違うと思ったのなら触れないでいるべきよね?わかるわよね」



 なぜか怒られた。……俺はご飯を恵んだんだよ、それに勝負にも勝った。なんで怒られたんだろう。むしろ、感謝されてもいいぐらなんだけど。



 すると、突然少女が喋り始めた。



 「あと、私は覚悟はしています。私のことをにくなり焼くなり好きにしてください。でも、私の事情は話しませんよ」



 「ちょっと、なんでそんなこと言うんだよ? 俺、何もするきないし……」



 そう言うと、少女は驚いた顔をして、言った。



 「普通、人間が魔族を捕まえれば性奴隷にしたり民衆の前で処刑されたりするもののはずですが……私の勘違いなのでしょうか?」



 「確かに、そういうことをする人もいるけど、俺は別にそんなことするつもりはないしな。そういえば、何て言う名前なんだ? 名前がわからないと色々話しずらい」



 「確かにそうね。私の名前はアデリーネ=ゴルディノス。貴方の名前も教えなさいよ?」



 「俺はレオール=アルマン。レオールって呼んでくれ。なあ、リーネ、ひとついいか?」



 俺はアデリーネなのでリーネと呼ぶことにした。



 「ちょっと、リーネってレオール。そんなかわいい名前で呼んで私が喜ぶとでも、思ってるの?」



 そう言いながらもリーネは満更でもなさそうだ。

 嬉しいなら嬉しいって素直に言えよ。



 「で、レオール、私に話しって何?」



 「リーネ、お前、正直、困ってるだろ? だから、リーネさえよければ俺と旅でもしないか? 俺も一人だと寂しいし、お前、何か悩んだそうだし」



 リーネは少し考えてから言った。



 「そうね。私がしたいことも一人じゃ少し難しいわ。なら、貴方を利用するのもありね。ついていってあげる」



 「本当か!!」



 「もちろん、食料の確保は任せたわよ」



 そっちが目当てか。わかってた自分がいたけど……でも、一人で旅をするより楽しくなりそうでいいな。



 「なら、一緒に旅をすることになったんだから、お互いに自己紹介をしましょう。もちろん、嘘をつけないように、この嘘発見の魔導具を使って話しましょう」



 何? 嘘発見の魔導具って。魔族の技術スゲー。



 「では、まず私からの話すわ。さっきは貴方と旅に行くことになるとは思わなかったから言わなかったけど、ーー」



 リーネは息を大きく吸って俺に衝撃の事実を伝えた。



 「私、"魔王”なのよ!!」



 俺はリーネが何を言っているのか理解できなかった。

 だって、リーネはそこまで強くなかったのだから。

 魔王ってラスボス的な存在だから、神に会う前に戦う的なポジションじゃねえの!?
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