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最悪
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2時間に及ぶ部長の説教、怒号の繰り返し……同じ内容を3度繰り返した辺りから、眠気も相まって何を言われてるのか分からなかった。
部長がとにかく言いたかった事は…
・お前が悪い。
・辞めようなんて思うな。
・お局様と佐川に謝れ。
・お前が仕事を早く済ませられれば、早く帰れる。
・気合いが足りない。
・やる気を出せ。
ここまで錆び付いた精神論を吐かれたのはいつぶりだろうか。
中学時代の狂った部活顧問に、道場で3時間正座で説教を食らった時以来かもしれない。
なんて、無駄な時間だ……。
不鮮明な意識の中、とりあえずお局様のデスクへ向かった。
「あら、なーにー?まだ言い足りない事があるのかしらー?」
こちらも見ずにパソコン画面を見たまま無表情のお局様。
「こ、この度は…誠に……」
「うるさいわねぇ……会議室の話し声はダダ漏れなのよ!私はそんな謝り方で許すわけないから!」
「…」
膝を折り、床に正座する。
手を前に着き、腰をゆっくり折っていく。
頭を下げ、また声を発しようとした瞬間後頭部に鋭い物がぶつかり、そのまま額を床に打ち付ける。
「うっ…!」
少し目が覚めた。
辺りでコソコソと声がしているのは聞こえる。
「ま、誠に申し訳ありませんでした!」
「フンッ……まあ、いいわ。今日はコレ、お願いね?」
頭の上にあったお局様のピンヒールが退かされ、書類がバサバサと降ってきた。
ゆっくり頭を持ち上げ、額と後頭部がジンジンと痛むのを無視し散らばる書類を拾い上げる。
一礼し、次は佐川のデスクへ向かう。
「あの、今回は……本当に……」
「かっちゃん!俺全然気にしてないよ~!むしろなんかゴメンね?」
後ろの方から近づいて来る音がする。
「やーん!佐川くん優しい~♡」
お局様だった。
「でも~、今回はかっちゃんの気持ちも汲んであげよう?ほら、この打ち込みとかさ?」
「え、でもそれ、俺の今日の仕事ですし、昨日は用事があったから頼んだけど、今日は時間もありますし!」
なんだなんだ、周りの目を気にしていいヤツぶるのか。
「佐川、俺にやらせてくれないか?頼む!」
頼むからこの空気から俺を解放してくれ!
「え、でも……なんか、悪いな」
そう言って手元にあった書類を全て手渡す佐川。
そう、全て……。
「今度何か奢るよ!」
そう言ってパソコンに向き直る佐川。
パソコン画面は、作成中だった書類ではなくソリティアだった。
……渋っ!!
部長がとにかく言いたかった事は…
・お前が悪い。
・辞めようなんて思うな。
・お局様と佐川に謝れ。
・お前が仕事を早く済ませられれば、早く帰れる。
・気合いが足りない。
・やる気を出せ。
ここまで錆び付いた精神論を吐かれたのはいつぶりだろうか。
中学時代の狂った部活顧問に、道場で3時間正座で説教を食らった時以来かもしれない。
なんて、無駄な時間だ……。
不鮮明な意識の中、とりあえずお局様のデスクへ向かった。
「あら、なーにー?まだ言い足りない事があるのかしらー?」
こちらも見ずにパソコン画面を見たまま無表情のお局様。
「こ、この度は…誠に……」
「うるさいわねぇ……会議室の話し声はダダ漏れなのよ!私はそんな謝り方で許すわけないから!」
「…」
膝を折り、床に正座する。
手を前に着き、腰をゆっくり折っていく。
頭を下げ、また声を発しようとした瞬間後頭部に鋭い物がぶつかり、そのまま額を床に打ち付ける。
「うっ…!」
少し目が覚めた。
辺りでコソコソと声がしているのは聞こえる。
「ま、誠に申し訳ありませんでした!」
「フンッ……まあ、いいわ。今日はコレ、お願いね?」
頭の上にあったお局様のピンヒールが退かされ、書類がバサバサと降ってきた。
ゆっくり頭を持ち上げ、額と後頭部がジンジンと痛むのを無視し散らばる書類を拾い上げる。
一礼し、次は佐川のデスクへ向かう。
「あの、今回は……本当に……」
「かっちゃん!俺全然気にしてないよ~!むしろなんかゴメンね?」
後ろの方から近づいて来る音がする。
「やーん!佐川くん優しい~♡」
お局様だった。
「でも~、今回はかっちゃんの気持ちも汲んであげよう?ほら、この打ち込みとかさ?」
「え、でもそれ、俺の今日の仕事ですし、昨日は用事があったから頼んだけど、今日は時間もありますし!」
なんだなんだ、周りの目を気にしていいヤツぶるのか。
「佐川、俺にやらせてくれないか?頼む!」
頼むからこの空気から俺を解放してくれ!
「え、でも……なんか、悪いな」
そう言って手元にあった書類を全て手渡す佐川。
そう、全て……。
「今度何か奢るよ!」
そう言ってパソコンに向き直る佐川。
パソコン画面は、作成中だった書類ではなくソリティアだった。
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