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4 王立べラム訓練学校 高等部2
4-17話 卒業試験2
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光月暦 一〇〇九年 二月五日
ルーセントたちが最初に卒業試験に訪れたのは、メーデル王国ロイゼン子爵領パストラル。そこより二キロメートル離れたディフィニクス前将軍の軍営だった。
十八万人が暮らすパストラルの街は、アンゲルヴェルク王国との国境から西側の海を背に、西北から南東方向に続く山脈の東側に存在する。亜熱帯気候により、年間を通して気温は高く、夏場は三十五度、冬場は十六度にしかならないが、雨が多く降る高温多湿の国である。
円状に形作られた街には三重の城壁が存在している。その中心部にロイゼン子爵の本城があった。
街の中央にある城壁内には、城や兵舎など国の施設がある以外には民家などは存在していない。城を中心に半径十五キロメートルは湖で囲まれていた。
最大で二万の兵士が、ディフィニクス前将軍の軍営の後方を守るように、厳戒体制で待機している。
ルーセントたち戦闘教練科の生徒四百名はパストラルの街を通り過ぎて、ディフィニクス前将軍が派遣した兵士の百五十名に引率されて軍営へとたどり着いた。
引率の兵士に練兵場まで案内されると、五十人単位で四行二列に並ぶ。しばらくすると、ディフィニクス前将軍、その弟ウォルビス、軍師バーゼルを含む部隊長が姿を表した。ディフィニクスは、黙したまま左右を見渡す。
「よく来たな訓練生。俺はこの軍を統率するディフィニクス・ローグだ。右隣にいるのは、この軍の軍師を務めるバーゼル。他の者はお前らの面倒を見る部隊長だ」
ディフィニクスから紹介を受けたバーゼルは「よろしく」と一言だけつぶやいた。
部隊長たちは名前を大声で伝える。全員の紹介を終えると、ディフィニクスがにらみつけるような顔で再び訓練生を見た。
その圧倒的な威圧感に訓練生の多くが恐怖に固唾を飲んだ。
「いいか、ここでは軍規は絶対だ。たとえ貴族の子息、息女であろうとも、王族であろうが軍規に従わないものは容赦なく罰する」
ディフィニクスのその表情には“甘えを一切許さない”と言った厳しい表情が浮かんでいた。
訓練生は、緊張したまま大声で返事を返した。
緊迫した雰囲気が漂うなか、一部の訓練生は軍営が物珍しいのか、観光客のように周囲を興味深そうにキョロキョロと眺めていた。
そこに、生徒に指をさすディフィニクスのすごみのある声が響いた。
「おい貴様! 戦争の目的とはなんだ!」
前将軍の指先にいる生徒がビクッと身体を硬直させる。
「せ、戦争の目的は、相手を倒して国を守ることです」
「そうだ。そのためには、すべての力を尽くして勝利のために全員が統一して動かなければならん。戦争には戦争の道徳がある。ここでは普通の場合の仁義など無力だ。人を傷つけることを許され、戦争目的に沿った行動を起こしたものが勇士として迎え入れられる。その者が英雄となり、傑人となる。ここは観光地でもなければ、ましてや戦争はスポーツでもゲームでもない! 国家を賭けて争う命を賭けた場所だ。安価な感傷は絶対に許されない。お前たちの身勝手な行動一つで、何十、何百、何千、何万の命を危険にさらす。ここを職業体験の場所か何かだと勘違いしているなら、今すぐ失せろ! その首がつながっている内にな」
多くの死線を潜り抜け、数多の戦をこなしてきた前将軍の言葉に生徒全員が気を引き締める。いままでにない真剣な表情を浮かべる生徒を見て、ディフィニクスが満足げにうなづく。
「戦争を長引かせることよりも、最も大きな打撃を与えて敵を屏息させることが肝要だ。敵愾心を燃やせ、高めろ! 戦争自体が相手をたたきつぶす目的にある。敵を憐れみ、愛するなどの言葉を平時の感情と同じように持ち出すのは、雨の日に杖をかざして歩こうとする馬鹿のすることだ。見敵必殺が戦争の仁義であり道徳だ。勝つためのあらゆる力が、そのままに肯定されるのが戦争というものだ。生きて帰りたいなら忘れるな」
ディフィニクスの言葉は、ルーセント、ティア、パックスだけではなく、上級守護者を持っていると言うだけで優遇され、甘やかされて育った者。命のやり取りもしたことがなく、訓練学校のバトルフィールドシミュレーターのせいでゲーム感覚で楽しみに来ていた生徒たちに重く響いた。
生徒全員が沈黙するなか、軍師のバーゼルが一歩前に出た。並び立つ五十人で一隊を作っている生徒たちに部隊長を一人ずつあてていく。ルーセントが率いる部隊の前に現れたのはディフィニクスの弟、ウォルビス・ローグであった。
「よお、久しぶりだなルーセント。ティアもいるじゃねぇか。こいつは大当たりだな」
前日の内に部隊長が集まって、誰がどの部隊を担当するかくじ引きで決められていた。
ウォルビスは、ルーセントとティアがいる部隊を引き当てて、うれしそうに顔をほころばせていた。
「久しぶりです、ウォルビス将軍」
「ふっふっふ、分かってますね、ウォルビスさん。私たちがいれば無敵ですよ」
ルーセントは、なじみ深い兄のような存在のウォルビスのうれしそうな顔を見て、自分も自然と笑顔となっていた。ティアも続いて自信に満ちあふれた笑みを送った。
ウォルビスはルーセントを少し遠目に眺めると、右手を銀髪の頭の上まで上げて前後に動かし背比べを始めた。
「それにしても、お前ずいぶんと背が伸びたな。あと少しで追い付かれそうだ」
「そうですね、十センチほど伸びて一七五センチくらいになりましたよ」
「成長期だな。ところで、フェリシアはどうしたんだ? いないのか?」
「ああ、フェリシアは神聖科です。こっちとは別行動ですよ」
「そうか、そうだったな。無駄に強いから忘れてたぞ。あいつもいれば完璧だったんだけどな」
「あの、ウォルビス将軍、おれも居るんですけど……」
一向に見向きもされずに名前すら出てこなかったパックスが、申し訳なさそうにウォルビスに声を掛けた。
「あー……、知ってるぞ」ウォルビスはパックスの顔をじっと見て言いよどんだ。
「忘れてますよね。完璧に! パックスですよ、盗賊退治の時にもいたんですよ!」
「覚えてるさ、魔法が得意だっただろ?」
「記憶に残ってないからって、適当に言ってませんか?」
「……そんなことない、メガネの坊主と一緒にいただろ」
「まあ、いいですけど。お久しぶりです。将軍」
「おう、今回も期待してるぞ」
疑わしい目を向けるパックスだったが、ヴィラの名前とともに出てきたことに安堵した。
「バスターいるか?」ここでウォルビスが聞き覚えのある人物の名前を呼んだ。
「ここに」そういって一人の男がウォルビスの前に現れた。
「じゃあ、あとは任せたぞ」
「かしこまりました」
盗賊退治の際にルーセントの面倒を見ていた男、バスター・ヘルレイが訓練生たちに振り向いた。
「今日からお前たちの面倒を見るバスターだ。これより幕舎へと案内する。女性はここで別れてもう一人の面倒見役に従え」
ルーセントの隊にいた三分の一ほどの女子訓練生が返事とともに離れていく。残った男子訓練生がバスターのうしろを付いていった。
「いいか。ここで過ごす間は、お前たちにも軍規が適用される。誰であろうと罰を受けることになる、それを忘れるな」
訓練生たちは、緊張した面持ちで返事を返す。たどり着いたテントの前でバスターが足を止めた。
「よし、それではこれからお前たちをテントに振り分けていくが、軍規の一部をここで教えておく。詳しくはそれぞれが戻った幕舎の兵士に聞くように」
再びそろった返事を返す訓練生にバスターが告げる。
「まずひとつ、日常では軍営門、ならびにこの中の警備、野菜等の買い出しや訓練に分けられる。太鼓と角笛の合図で朝は五時に起床、そこで身体と髪を洗う。その後は振り分けられた任務に当たるが、軍営門では訪れる者があれば、二十歩の距離で止めて用件を聞き出せ。もしも、敵対的行動もしくは無理に侵入しようとする者あらば、その時点で殺せ。軍営内の警備も同じだ、この木柵から出ていくもの、忍び込もうとするやつはその時点で死罪だ。誰であろうとすぐに殺せ。そして、夜中は十八時に銅鑼が三度なる。そうしたら、すべての火を消して騒ぐな。巡回の警備以外の外出は禁止だ。トイレは幕舎のなかに簡易的なものがある、それを使え。何であろうと外出すれば棒罰三十回だ。ケンカ、傷害を起こしたものも同様だ、注意しろ」
ルーセントたちは、訓練学校のときとは違う厳格な軍規に気を引き締めプレッシャーにのどを鳴らした。
バスターは、緊張した顔の訓練生をよそにさらに続ける。
「まず、俺たちの任務はここから五キロ離れたところにある発電所の防衛ならびに、二十キロほど離れたところにある街“ベロ・ランブロア”の解放だ。これはお前たちの卒業試験も兼ねている。日頃の行動、軍務での働きを見られている。それも忘れるな」
再びそろった返事を返す訓練生を振り分けていくバスター、その目の前にルーセントの隊の五人がいた。
「久しぶりだな、ルーセント。今回もまた俺がお前の面倒を見る。よろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
あいさつを交わす二人、こうして卒業試験の一日目が終了していった。
ルーセントたちが最初に卒業試験に訪れたのは、メーデル王国ロイゼン子爵領パストラル。そこより二キロメートル離れたディフィニクス前将軍の軍営だった。
十八万人が暮らすパストラルの街は、アンゲルヴェルク王国との国境から西側の海を背に、西北から南東方向に続く山脈の東側に存在する。亜熱帯気候により、年間を通して気温は高く、夏場は三十五度、冬場は十六度にしかならないが、雨が多く降る高温多湿の国である。
円状に形作られた街には三重の城壁が存在している。その中心部にロイゼン子爵の本城があった。
街の中央にある城壁内には、城や兵舎など国の施設がある以外には民家などは存在していない。城を中心に半径十五キロメートルは湖で囲まれていた。
最大で二万の兵士が、ディフィニクス前将軍の軍営の後方を守るように、厳戒体制で待機している。
ルーセントたち戦闘教練科の生徒四百名はパストラルの街を通り過ぎて、ディフィニクス前将軍が派遣した兵士の百五十名に引率されて軍営へとたどり着いた。
引率の兵士に練兵場まで案内されると、五十人単位で四行二列に並ぶ。しばらくすると、ディフィニクス前将軍、その弟ウォルビス、軍師バーゼルを含む部隊長が姿を表した。ディフィニクスは、黙したまま左右を見渡す。
「よく来たな訓練生。俺はこの軍を統率するディフィニクス・ローグだ。右隣にいるのは、この軍の軍師を務めるバーゼル。他の者はお前らの面倒を見る部隊長だ」
ディフィニクスから紹介を受けたバーゼルは「よろしく」と一言だけつぶやいた。
部隊長たちは名前を大声で伝える。全員の紹介を終えると、ディフィニクスがにらみつけるような顔で再び訓練生を見た。
その圧倒的な威圧感に訓練生の多くが恐怖に固唾を飲んだ。
「いいか、ここでは軍規は絶対だ。たとえ貴族の子息、息女であろうとも、王族であろうが軍規に従わないものは容赦なく罰する」
ディフィニクスのその表情には“甘えを一切許さない”と言った厳しい表情が浮かんでいた。
訓練生は、緊張したまま大声で返事を返した。
緊迫した雰囲気が漂うなか、一部の訓練生は軍営が物珍しいのか、観光客のように周囲を興味深そうにキョロキョロと眺めていた。
そこに、生徒に指をさすディフィニクスのすごみのある声が響いた。
「おい貴様! 戦争の目的とはなんだ!」
前将軍の指先にいる生徒がビクッと身体を硬直させる。
「せ、戦争の目的は、相手を倒して国を守ることです」
「そうだ。そのためには、すべての力を尽くして勝利のために全員が統一して動かなければならん。戦争には戦争の道徳がある。ここでは普通の場合の仁義など無力だ。人を傷つけることを許され、戦争目的に沿った行動を起こしたものが勇士として迎え入れられる。その者が英雄となり、傑人となる。ここは観光地でもなければ、ましてや戦争はスポーツでもゲームでもない! 国家を賭けて争う命を賭けた場所だ。安価な感傷は絶対に許されない。お前たちの身勝手な行動一つで、何十、何百、何千、何万の命を危険にさらす。ここを職業体験の場所か何かだと勘違いしているなら、今すぐ失せろ! その首がつながっている内にな」
多くの死線を潜り抜け、数多の戦をこなしてきた前将軍の言葉に生徒全員が気を引き締める。いままでにない真剣な表情を浮かべる生徒を見て、ディフィニクスが満足げにうなづく。
「戦争を長引かせることよりも、最も大きな打撃を与えて敵を屏息させることが肝要だ。敵愾心を燃やせ、高めろ! 戦争自体が相手をたたきつぶす目的にある。敵を憐れみ、愛するなどの言葉を平時の感情と同じように持ち出すのは、雨の日に杖をかざして歩こうとする馬鹿のすることだ。見敵必殺が戦争の仁義であり道徳だ。勝つためのあらゆる力が、そのままに肯定されるのが戦争というものだ。生きて帰りたいなら忘れるな」
ディフィニクスの言葉は、ルーセント、ティア、パックスだけではなく、上級守護者を持っていると言うだけで優遇され、甘やかされて育った者。命のやり取りもしたことがなく、訓練学校のバトルフィールドシミュレーターのせいでゲーム感覚で楽しみに来ていた生徒たちに重く響いた。
生徒全員が沈黙するなか、軍師のバーゼルが一歩前に出た。並び立つ五十人で一隊を作っている生徒たちに部隊長を一人ずつあてていく。ルーセントが率いる部隊の前に現れたのはディフィニクスの弟、ウォルビス・ローグであった。
「よお、久しぶりだなルーセント。ティアもいるじゃねぇか。こいつは大当たりだな」
前日の内に部隊長が集まって、誰がどの部隊を担当するかくじ引きで決められていた。
ウォルビスは、ルーセントとティアがいる部隊を引き当てて、うれしそうに顔をほころばせていた。
「久しぶりです、ウォルビス将軍」
「ふっふっふ、分かってますね、ウォルビスさん。私たちがいれば無敵ですよ」
ルーセントは、なじみ深い兄のような存在のウォルビスのうれしそうな顔を見て、自分も自然と笑顔となっていた。ティアも続いて自信に満ちあふれた笑みを送った。
ウォルビスはルーセントを少し遠目に眺めると、右手を銀髪の頭の上まで上げて前後に動かし背比べを始めた。
「それにしても、お前ずいぶんと背が伸びたな。あと少しで追い付かれそうだ」
「そうですね、十センチほど伸びて一七五センチくらいになりましたよ」
「成長期だな。ところで、フェリシアはどうしたんだ? いないのか?」
「ああ、フェリシアは神聖科です。こっちとは別行動ですよ」
「そうか、そうだったな。無駄に強いから忘れてたぞ。あいつもいれば完璧だったんだけどな」
「あの、ウォルビス将軍、おれも居るんですけど……」
一向に見向きもされずに名前すら出てこなかったパックスが、申し訳なさそうにウォルビスに声を掛けた。
「あー……、知ってるぞ」ウォルビスはパックスの顔をじっと見て言いよどんだ。
「忘れてますよね。完璧に! パックスですよ、盗賊退治の時にもいたんですよ!」
「覚えてるさ、魔法が得意だっただろ?」
「記憶に残ってないからって、適当に言ってませんか?」
「……そんなことない、メガネの坊主と一緒にいただろ」
「まあ、いいですけど。お久しぶりです。将軍」
「おう、今回も期待してるぞ」
疑わしい目を向けるパックスだったが、ヴィラの名前とともに出てきたことに安堵した。
「バスターいるか?」ここでウォルビスが聞き覚えのある人物の名前を呼んだ。
「ここに」そういって一人の男がウォルビスの前に現れた。
「じゃあ、あとは任せたぞ」
「かしこまりました」
盗賊退治の際にルーセントの面倒を見ていた男、バスター・ヘルレイが訓練生たちに振り向いた。
「今日からお前たちの面倒を見るバスターだ。これより幕舎へと案内する。女性はここで別れてもう一人の面倒見役に従え」
ルーセントの隊にいた三分の一ほどの女子訓練生が返事とともに離れていく。残った男子訓練生がバスターのうしろを付いていった。
「いいか。ここで過ごす間は、お前たちにも軍規が適用される。誰であろうと罰を受けることになる、それを忘れるな」
訓練生たちは、緊張した面持ちで返事を返す。たどり着いたテントの前でバスターが足を止めた。
「よし、それではこれからお前たちをテントに振り分けていくが、軍規の一部をここで教えておく。詳しくはそれぞれが戻った幕舎の兵士に聞くように」
再びそろった返事を返す訓練生にバスターが告げる。
「まずひとつ、日常では軍営門、ならびにこの中の警備、野菜等の買い出しや訓練に分けられる。太鼓と角笛の合図で朝は五時に起床、そこで身体と髪を洗う。その後は振り分けられた任務に当たるが、軍営門では訪れる者があれば、二十歩の距離で止めて用件を聞き出せ。もしも、敵対的行動もしくは無理に侵入しようとする者あらば、その時点で殺せ。軍営内の警備も同じだ、この木柵から出ていくもの、忍び込もうとするやつはその時点で死罪だ。誰であろうとすぐに殺せ。そして、夜中は十八時に銅鑼が三度なる。そうしたら、すべての火を消して騒ぐな。巡回の警備以外の外出は禁止だ。トイレは幕舎のなかに簡易的なものがある、それを使え。何であろうと外出すれば棒罰三十回だ。ケンカ、傷害を起こしたものも同様だ、注意しろ」
ルーセントたちは、訓練学校のときとは違う厳格な軍規に気を引き締めプレッシャーにのどを鳴らした。
バスターは、緊張した顔の訓練生をよそにさらに続ける。
「まず、俺たちの任務はここから五キロ離れたところにある発電所の防衛ならびに、二十キロほど離れたところにある街“ベロ・ランブロア”の解放だ。これはお前たちの卒業試験も兼ねている。日頃の行動、軍務での働きを見られている。それも忘れるな」
再びそろった返事を返す訓練生を振り分けていくバスター、その目の前にルーセントの隊の五人がいた。
「久しぶりだな、ルーセント。今回もまた俺がお前の面倒を見る。よろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
あいさつを交わす二人、こうして卒業試験の一日目が終了していった。
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