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198.リーベエ視点/これが報い
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(リーベエ視点)
………王前裁判にまで発展してしまった。まさか、ワカマリナのことでここまでのことになるなど思ってもみなかった。少し目を放しただけでこんなことになるなんて……!
裁判沙汰になるのは最悪の展開として予想していたから、何としてでも私だけでも処罰が軽くなるように言い訳をしなければと思っていたのだが、王前裁判となると国王陛下がいる。流石に陛下の御前で嘘を口にできるほど私も図太くはない。……嘘をついてバレた時がまずいから、本当のことを『遠回し』に口にするしかない。なおかつ責任をワカマリナやフミーナに背負ってもらえればいいんだ。
ワカマリナ、あの娘は本当に可愛かったのにあんなの太ってしまって……しかも顔が殴られて腫れ上がるとは……もはやお世辞にも可愛いとは言えん。しかし、同情もできないな。私達家族と多くの貴族たちに迷惑をかけて、そのうちの一人に殴られたとか……自業自得、もう庇いようもない。
そんなワカマリナの実母のフミーナは私以上に顔を青褪めている。しかも、娘のワカマリナのことも目を背けるしまつ。もう自分のことしか頭にないようだ。人のこと言えないがな。……はあ、何で私はこんな女と再婚したのだろうか。こんなことなら前妻と仲良くし、アキエーサのことも可愛がってやればよかったのだ。顔やスタイルよりも中身を重視すればよかった……昔の私が恨めしい。
アキエーサはフミーナとワカマリナに比べれば地味だが賢い。知らぬうちに商会を立ち上げて大成功しているというのだからな。あの娘が味方でいればどれほど助かったことだろう。親子の縁を切ってしまったことを心底後悔する。……もうすでに遅いことだがな。アキエーサは証人側にいる。ワカマリナに殺されそうになった被害者として。
◇
裁判の事前調査によって私達イカゾノス一家のことは調べられていたことは分かっていた。無論、私自身のことも。
「リーベエ・イカゾノスには、貴族領主でありながら職務怠慢と領民からの税金の横領、国内で違法な賭博にオークションへの参加が確認されました。領地の定められた高すぎる税金額から国の許可なく税を上げたことも判明しています」
なんということだ! よりにもよって賭博とオークションのことがバレるなんて! っていうか税金を少し上げただけでも犯罪と捉えられるというのか!? そもそも職務怠慢とは何だ! 領主の職務なら部下に代行させてきたから問題ないだろうが! 職務怠慢は私の責任じゃない!
「私室も調査したところ、非売品の壺や精力剤などが見つかりました。違法なルートで手に入れたであろう動物の剥製も証拠として押さえております」
「な、何だと!?」
しまった! そういえば部屋に置いたままだった! あんな物でも売り払えば金になったというのに、くそ! 見落としていた! しかも、違法な手段で手に入れた証拠にされてしまうとは!
「はあ!? 精力剤って何よ!? どうしてそんなものを持ってんのよ! やっぱり屋敷に戻らないのは他の女と遊び歩いていたわけ!?」
「お、おい、何を言い出すんだ!」
「若い頃からいかがわしい店に出入りしたんだものね! どうせまだ女遊びでもしてたんでしょ、だから職務怠慢とか言われてんのよ。このボンクラ野郎! ●●●●!」
「だ、黙れええええええええ!!」
さ、最悪だーっ! この女、こんな時と場所で何ということを言ってくれるんだ! 若い頃の過ちまで口にするなんて、大恥をかかせやがって! しかも貴族夫人らしからぬ暴言まで!
「ち、違う! この女、妻の言うことは間違っているんだ! だから信じ、」
「られないのは貴方でしょうが! よくも私に隠れて変な物ばっかり集めたわね。私達の立場が悪くなったじゃないのよ!」
「あああああああ、黙れええええええええ!!」
妻の、フミーナのせいで、私を見る貴族たちの目が更に冷たくなった。その中には国王陛下や兄ルカス、そしてアキエーサもいた。まるでゴミを見るような目で私達を見ている。何という屈辱……。
……これが報いだというのか。
………王前裁判にまで発展してしまった。まさか、ワカマリナのことでここまでのことになるなど思ってもみなかった。少し目を放しただけでこんなことになるなんて……!
裁判沙汰になるのは最悪の展開として予想していたから、何としてでも私だけでも処罰が軽くなるように言い訳をしなければと思っていたのだが、王前裁判となると国王陛下がいる。流石に陛下の御前で嘘を口にできるほど私も図太くはない。……嘘をついてバレた時がまずいから、本当のことを『遠回し』に口にするしかない。なおかつ責任をワカマリナやフミーナに背負ってもらえればいいんだ。
ワカマリナ、あの娘は本当に可愛かったのにあんなの太ってしまって……しかも顔が殴られて腫れ上がるとは……もはやお世辞にも可愛いとは言えん。しかし、同情もできないな。私達家族と多くの貴族たちに迷惑をかけて、そのうちの一人に殴られたとか……自業自得、もう庇いようもない。
そんなワカマリナの実母のフミーナは私以上に顔を青褪めている。しかも、娘のワカマリナのことも目を背けるしまつ。もう自分のことしか頭にないようだ。人のこと言えないがな。……はあ、何で私はこんな女と再婚したのだろうか。こんなことなら前妻と仲良くし、アキエーサのことも可愛がってやればよかったのだ。顔やスタイルよりも中身を重視すればよかった……昔の私が恨めしい。
アキエーサはフミーナとワカマリナに比べれば地味だが賢い。知らぬうちに商会を立ち上げて大成功しているというのだからな。あの娘が味方でいればどれほど助かったことだろう。親子の縁を切ってしまったことを心底後悔する。……もうすでに遅いことだがな。アキエーサは証人側にいる。ワカマリナに殺されそうになった被害者として。
◇
裁判の事前調査によって私達イカゾノス一家のことは調べられていたことは分かっていた。無論、私自身のことも。
「リーベエ・イカゾノスには、貴族領主でありながら職務怠慢と領民からの税金の横領、国内で違法な賭博にオークションへの参加が確認されました。領地の定められた高すぎる税金額から国の許可なく税を上げたことも判明しています」
なんということだ! よりにもよって賭博とオークションのことがバレるなんて! っていうか税金を少し上げただけでも犯罪と捉えられるというのか!? そもそも職務怠慢とは何だ! 領主の職務なら部下に代行させてきたから問題ないだろうが! 職務怠慢は私の責任じゃない!
「私室も調査したところ、非売品の壺や精力剤などが見つかりました。違法なルートで手に入れたであろう動物の剥製も証拠として押さえております」
「な、何だと!?」
しまった! そういえば部屋に置いたままだった! あんな物でも売り払えば金になったというのに、くそ! 見落としていた! しかも、違法な手段で手に入れた証拠にされてしまうとは!
「はあ!? 精力剤って何よ!? どうしてそんなものを持ってんのよ! やっぱり屋敷に戻らないのは他の女と遊び歩いていたわけ!?」
「お、おい、何を言い出すんだ!」
「若い頃からいかがわしい店に出入りしたんだものね! どうせまだ女遊びでもしてたんでしょ、だから職務怠慢とか言われてんのよ。このボンクラ野郎! ●●●●!」
「だ、黙れええええええええ!!」
さ、最悪だーっ! この女、こんな時と場所で何ということを言ってくれるんだ! 若い頃の過ちまで口にするなんて、大恥をかかせやがって! しかも貴族夫人らしからぬ暴言まで!
「ち、違う! この女、妻の言うことは間違っているんだ! だから信じ、」
「られないのは貴方でしょうが! よくも私に隠れて変な物ばっかり集めたわね。私達の立場が悪くなったじゃないのよ!」
「あああああああ、黙れええええええええ!!」
妻の、フミーナのせいで、私を見る貴族たちの目が更に冷たくなった。その中には国王陛下や兄ルカス、そしてアキエーサもいた。まるでゴミを見るような目で私達を見ている。何という屈辱……。
……これが報いだというのか。
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