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第0章 豹変編
プロローグ
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魔法。それはこの世界の王国では一般常識なものである。思春期ごろに自然に身につくのだ。その力をいつまでたっても使えないでいる者は、無能・役立たず等と呼ばれる。
王国の辺境の村に生まれたロー・ライトという名のこの少年もその一人である。青い瞳で、赤い髪に少し黒が混ざった頭髪が特徴だ。彼は16歳にもなって魔法が身につかなかったのだ。その頃の彼の境遇は最悪で、周りから蔑まされる毎日である。その上、両親もいないためほとんど一人で生きているようなものだ。
そんな彼が今、迷宮の中で魔物を警戒しながら先へ進んでいる。心に暗い炎を燃やして。
「必ず...、生きて出てやる...」
何故こんなことになっているのかは、少し前にさかのぼる。
数日前。
ローとほぼ同年代の幼馴染たちが、生まれ育った村を旅立つことになった。戦闘向けの魔法を持ち、十分に使いこなせるようになっので、冒険者役場で働く冒険者を始めるつもりのようだ。
彼らは魔法を使えないローに魔法をぶつけていじめていたが、送別会が行われるこの日はいつもよりも過激だった。
家に帰りつくころには、仕事の疲れと痛みのせいでベッドの上でぐったりしていた。
「どうして僕だけこんな目に…」
何百回こんなことをつぶやいただろうか。ローは幼い頃からとてもやさしい子供なので幼馴染たちとも仲良しだった。しかし、魔法が使えないということが分かってしまった時から少しずつ疎遠になり、今の関係に至る。
気が付くと隣の家が騒がしい。どうやら送別会が行われているようだ。声が聞こえる。いろんな話をしている。
特に自分を嘲笑する声が聞こえる。
今も昔も悪ガキだった者、昔だけは仲が良かった者、あまり会話をしなかった者の声が。
そして、…一番仲が良かった隣の家の女の子の声が! 彼女がローを侮辱する声が!
「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
彼女の言葉が決定打になった。もう限界だ。傷ついた身でありながら、ローは窓から外へ飛び出してそのまま走り出した。頭の中は絶望しかなかった。負の感情でいっぱいだった。自分以外の、世界のすべてに怨嗟の声を口にしていた。
「どうして! どうして! 魔法がないだけでこんな! 僕が何をした! どうしていじめられるんだ! どうして裏切られるんだー!」
しばらく走り続けていると、空から大きな音と光が降ってきた。
「ワアッ!」
ローは雷に驚いて転んでしまった。
「ハアッハアッ…雷かぁ。ハアッハアッ」
そのまま倒れたまま気を失ってしまった。走り続けて体力が尽きたのだ。
翌日。
気が付くと朝日が目に入った。どうやらそのまま寝込んでしまったのだ。
「ああ、朝か。雷は嫌いだったけどおかげで死ぬまで走らずに済んじゃったな」
「あーもう嫌になった。あの村に戻ってもこれから先も同じことの繰り返しだしなぁ」
ローは自分の故郷に愛想が尽きてしまった。そのため村から出ていこうと決めたのだが、両親の墓参りだけが気がかりだった。彼が出ていけば誰も墓参りに来ないだろう。
少し悩んだ末に最後の墓参りをして出ていくことに決めた。
「父さんと母さんにお別れしないとな。もう戻ってくる気にもなれないし」
家に戻って万全の準備をしなければならない。魔法を持たない身で旅をするのはかなり危険が伴うことぐらいローは理解していた。
「さて、戻るか。ん? これは井戸かな?」
隣に古井戸があるのに気が付くとのどが渇いてきた。腹もすいている。
「ちょうどいいや」
ローが水を汲もうとしたその時だった。
ドンッ!!
「えっ!ちょっ!わあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
誰かがローを突き飛ばしたのだ。そしてローは古井戸の底の闇に落ちていった。
王国の辺境の村に生まれたロー・ライトという名のこの少年もその一人である。青い瞳で、赤い髪に少し黒が混ざった頭髪が特徴だ。彼は16歳にもなって魔法が身につかなかったのだ。その頃の彼の境遇は最悪で、周りから蔑まされる毎日である。その上、両親もいないためほとんど一人で生きているようなものだ。
そんな彼が今、迷宮の中で魔物を警戒しながら先へ進んでいる。心に暗い炎を燃やして。
「必ず...、生きて出てやる...」
何故こんなことになっているのかは、少し前にさかのぼる。
数日前。
ローとほぼ同年代の幼馴染たちが、生まれ育った村を旅立つことになった。戦闘向けの魔法を持ち、十分に使いこなせるようになっので、冒険者役場で働く冒険者を始めるつもりのようだ。
彼らは魔法を使えないローに魔法をぶつけていじめていたが、送別会が行われるこの日はいつもよりも過激だった。
家に帰りつくころには、仕事の疲れと痛みのせいでベッドの上でぐったりしていた。
「どうして僕だけこんな目に…」
何百回こんなことをつぶやいただろうか。ローは幼い頃からとてもやさしい子供なので幼馴染たちとも仲良しだった。しかし、魔法が使えないということが分かってしまった時から少しずつ疎遠になり、今の関係に至る。
気が付くと隣の家が騒がしい。どうやら送別会が行われているようだ。声が聞こえる。いろんな話をしている。
特に自分を嘲笑する声が聞こえる。
今も昔も悪ガキだった者、昔だけは仲が良かった者、あまり会話をしなかった者の声が。
そして、…一番仲が良かった隣の家の女の子の声が! 彼女がローを侮辱する声が!
「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
彼女の言葉が決定打になった。もう限界だ。傷ついた身でありながら、ローは窓から外へ飛び出してそのまま走り出した。頭の中は絶望しかなかった。負の感情でいっぱいだった。自分以外の、世界のすべてに怨嗟の声を口にしていた。
「どうして! どうして! 魔法がないだけでこんな! 僕が何をした! どうしていじめられるんだ! どうして裏切られるんだー!」
しばらく走り続けていると、空から大きな音と光が降ってきた。
「ワアッ!」
ローは雷に驚いて転んでしまった。
「ハアッハアッ…雷かぁ。ハアッハアッ」
そのまま倒れたまま気を失ってしまった。走り続けて体力が尽きたのだ。
翌日。
気が付くと朝日が目に入った。どうやらそのまま寝込んでしまったのだ。
「ああ、朝か。雷は嫌いだったけどおかげで死ぬまで走らずに済んじゃったな」
「あーもう嫌になった。あの村に戻ってもこれから先も同じことの繰り返しだしなぁ」
ローは自分の故郷に愛想が尽きてしまった。そのため村から出ていこうと決めたのだが、両親の墓参りだけが気がかりだった。彼が出ていけば誰も墓参りに来ないだろう。
少し悩んだ末に最後の墓参りをして出ていくことに決めた。
「父さんと母さんにお別れしないとな。もう戻ってくる気にもなれないし」
家に戻って万全の準備をしなければならない。魔法を持たない身で旅をするのはかなり危険が伴うことぐらいローは理解していた。
「さて、戻るか。ん? これは井戸かな?」
隣に古井戸があるのに気が付くとのどが渇いてきた。腹もすいている。
「ちょうどいいや」
ローが水を汲もうとしたその時だった。
ドンッ!!
「えっ!ちょっ!わあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
誰かがローを突き飛ばしたのだ。そしてローは古井戸の底の闇に落ちていった。
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