ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第0章 豹変編

迷宮攻略者

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 ローは出くわした魔物たちを笑って殺しながら迷宮を進み続けていたが、その道に変化が生じた。今までと雰囲気が違う広間にたどり着いたのだ。

「何だここは? まるで……神殿みたいだ」

 両親が生きていたころに見た神殿のような場所が迷宮の中にあることに、ローは困惑した。もしかしたら何かの罠がある可能性を考えて、警戒しながら調べてみることにした。

「あれはなんだ?」

 奥の方は行き止まりだったが、奇妙な形をした台座があった。魔法陣が描かれているところを見ると何か仕掛けがあるようだ。ここから先に進めないようなのでローはわざと魔法陣の仕掛けを動かすために、台座の上に立ってみた。

「この仕掛けを動かせば先に進めるかもしれないけど、ただ立つだけじゃダメなのか? そうだ、俺の魔法を流したらどうなるんだ?」
 
 台座に立つだけじゃ何も起こらないと分かったので、魔法を流すことにしたところ、変化が起こった。魔法陣が光りだしたのだ。そして、部屋全体も光りだし、ローの立つ台座が形を変え始めた。

「な、何だ、何が起こっているんだ? 俺、何したんだ!?」

 動揺するローだったが、更に奇妙なことが起こった。

『迷宮の攻略者を確認しました』
「な、何!? 誰だ!? どこにいるんだ!?」

 突然、声が聞こえ始めたのだ。さっきまでロー以外は誰もいなかったはずなのにだ。

『迷宮攻略、おめでとうございます』
「どこにいやがる! 出てきやがれ!」
『これより迷宮の特典を授与します』
「何を言ってやがる! どこにいるんだ! くそ!」

 奇妙なことを言う声に、さすがにローも混乱してしまいそうになる。台座の上に大きな魔法陣が出来上がっていたのが気付かないほどに。

「くそ! ってなんだこれは!? いつの間に!?」
『どうぞお受け取りください。攻略者様に良き未来がありますように』
「はあ!? 受け取る? 攻略者様? 良き未来だと? 本当に何を言って……」

 その時だった。魔法陣からローに向けて強い光が放たれた。

「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!」
『あなたが受け取る特典は『前世の自分』です。攻略、ありがとうございました。迷宮の外に出る場合は、これから出現する魔法陣をお使いください』




数時間後。

「うう……」

 少年は目を覚ました。迷宮の奥で。どうやらさっきの光の衝撃で気を失ったらしい。見た目は何ともないようだが……。

「ここは……? なんだ? 俺はどうして? 研究所の崩落に巻き込まれて……あれ? なんだ、これは? ってなんだこの体は!? これが俺!? 背が縮んでる!?」

 変化があった。少年はもうロー・ライトではなかった。いや、というよりも……

「俺に一体何が!? 落ち着け! 俺はナイトウ・ログだ!……え? ロー・ライト?……これは別の誰かの記憶か!?」

 少年はもうロー・ライトだけではなかった。

「さっきまで何があったんだ!? 確か迷宮が前世のとか言ってたけど……! この記憶がそうか! ……ナイトウ・ログは死んだ俺だ……ナイトウ・ログが『前世の自分』か!!」
 
こうして彼は再び変わった。ロー・ライトとナイトウ・ログ、二人分の記憶を持つ者として。
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