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第1章 悪童編
幕間・冒険者役場
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とある宿で複雑な心境の女性二人がいた。二人は、死んだ仲間のことで悲しむなかで、ある人物のことが頭から離れないでいた。それは、彼女達を救ってくれた少年のことだった。
「言わなくてよかったのかな? 一応、彼との約束は守ったことになるんだけど……」
「そうね。このまま何事もなければいいんだけどね」
二人は結局、彼の名前や目的を明かさなかったのだ。命の恩人との約束というのもあるが、それ以上に彼が怖かったのだ。それでも、二人は悩む。あれでよかったのだろうか。そう思えてならないのだ。
「もうこの話はやめましょう。死んだ兄さん達の葬式がまだなんだし」
「……うん」
二人は話をやめて、眠りに着いた。
翌日。
二人は、葬式の資金調達のために冒険者役場に出向いた。掲示板を見ようとしたが、職員達が話し合っているのが見えた。職員達が二人に気付くと声をかけてきた。
「ちょうどよかった。お二人とも少し時間をもらってもいいですか?」
「え? 何ですか?」
「あの事件でまだ何か?」
「そうです。あなた方を助けたという少年のことで話があります」
「「え!?」」
二人は、ビクッと震えた。彼のことはもう話題にしたくなかったのだ。あまりいい思い出ではなかったために。だが、職員はそれに構わず話を続ける。
「その少年と思われる人物が辺境の村で、とんでもない事件を引き起こしたようなんです」
「と、とんでもない事件?」
「何ですか? それは?」
何か嫌な予感がする。だが、聞かないわけにはいかない。二人は何故か、そう思った。
「村人全員が、たったひとりの少年に痛めつけられた挙げ句、魔術によって魔法を使えなくされたそうです」
「ま、魔法を使えなくされた!?」
「そ、それってまさか!?」
二人は顔を見合わせた。二人を助けた彼が、それができることを知ってるため、間違いないだろうと思ったのだ。この反応を職員は見逃さなかった。
「お二人とも、やはり何か知っていますね」
「あっ!」
「そ、それは……!」
「失礼ですが、最初からおかしいと思っていたんです。命の恩人のことを言いにくそうにしていた辺りから、何かあると思っていました。それに、あの3人の罪は間違いないですが、必要以上に痛め付けられていたのも怪しかったんです」
「「…………」」
職員の二人を見る眼が鋭くなった。この二人を逃がすわけにはいかない。はっきりそう思っている。
「お二人とも、その少年について知っていることを全て話していただけますか? その少年を放っておく訳にはいきません。あなた方なら分かるのではありませんか?」
「「…………」」
「村人全員が不自由を強いられる状況になっているんです! その少年は危険な存在です! あの3人から話が聞けない以上、あなた方しか情報源がないんです!」
二人は職員に詰め寄られ、結局、その少年について知っていることを全て話すことにしてしまった。
役場会議室。
役場の幹部が集まって、一人の職員が入手した情報について話し合った。
「その少年は復讐目的で行動していることが分かった。魔法についても、かなり厄介だ」
「登録している冒険者では対処は難しいでしょう。あの3人をたった一人で倒すほどの実力者なのですから。我々の手には負えません。そうなると」
「そうだ。騎士団に任せるしかあるまい、気乗りはしないがな」
「分かりました。それでは、私から騎士団に連絡しておきます」
「うむ。頼むぞ。では、次の議題は……」
数時間後。
一人の男が、会議室で、その少年の資料を見直していた。
「実に興味深いな。魔法協会に報告しよう。稀少な魔法の可能性が高いからな」
「言わなくてよかったのかな? 一応、彼との約束は守ったことになるんだけど……」
「そうね。このまま何事もなければいいんだけどね」
二人は結局、彼の名前や目的を明かさなかったのだ。命の恩人との約束というのもあるが、それ以上に彼が怖かったのだ。それでも、二人は悩む。あれでよかったのだろうか。そう思えてならないのだ。
「もうこの話はやめましょう。死んだ兄さん達の葬式がまだなんだし」
「……うん」
二人は話をやめて、眠りに着いた。
翌日。
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「え? 何ですか?」
「あの事件でまだ何か?」
「そうです。あなた方を助けたという少年のことで話があります」
「「え!?」」
二人は、ビクッと震えた。彼のことはもう話題にしたくなかったのだ。あまりいい思い出ではなかったために。だが、職員はそれに構わず話を続ける。
「その少年と思われる人物が辺境の村で、とんでもない事件を引き起こしたようなんです」
「と、とんでもない事件?」
「何ですか? それは?」
何か嫌な予感がする。だが、聞かないわけにはいかない。二人は何故か、そう思った。
「村人全員が、たったひとりの少年に痛めつけられた挙げ句、魔術によって魔法を使えなくされたそうです」
「ま、魔法を使えなくされた!?」
「そ、それってまさか!?」
二人は顔を見合わせた。二人を助けた彼が、それができることを知ってるため、間違いないだろうと思ったのだ。この反応を職員は見逃さなかった。
「お二人とも、やはり何か知っていますね」
「あっ!」
「そ、それは……!」
「失礼ですが、最初からおかしいと思っていたんです。命の恩人のことを言いにくそうにしていた辺りから、何かあると思っていました。それに、あの3人の罪は間違いないですが、必要以上に痛め付けられていたのも怪しかったんです」
「「…………」」
職員の二人を見る眼が鋭くなった。この二人を逃がすわけにはいかない。はっきりそう思っている。
「お二人とも、その少年について知っていることを全て話していただけますか? その少年を放っておく訳にはいきません。あなた方なら分かるのではありませんか?」
「「…………」」
「村人全員が不自由を強いられる状況になっているんです! その少年は危険な存在です! あの3人から話が聞けない以上、あなた方しか情報源がないんです!」
二人は職員に詰め寄られ、結局、その少年について知っていることを全て話すことにしてしまった。
役場会議室。
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「その少年は復讐目的で行動していることが分かった。魔法についても、かなり厄介だ」
「登録している冒険者では対処は難しいでしょう。あの3人をたった一人で倒すほどの実力者なのですから。我々の手には負えません。そうなると」
「そうだ。騎士団に任せるしかあるまい、気乗りはしないがな」
「分かりました。それでは、私から騎士団に連絡しておきます」
「うむ。頼むぞ。では、次の議題は……」
数時間後。
一人の男が、会議室で、その少年の資料を見直していた。
「実に興味深いな。魔法協会に報告しよう。稀少な魔法の可能性が高いからな」
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