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第2章 奴隷編
罰を望む少女
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ミーラの話によると、『ローが叫びながら走り去る姿』を目撃したミーラ達5人は、そのことをからかってやろうという話になった。その翌日、レントの【解析魔法】で探し出した『ロー・ライト』を順番にいじめるという遊びを始め、最初にミーラが手を出したのだ。
ミーラは【透明魔法】を使って近づき、『ロー・ライト』を井戸に突き落とした。彼女はその時はうまくいって喜んだそうだ。その直後、レントが突然井戸の中を確認しだして、「ローが死んだかもしれない」と言い出したのだ。その言葉の意味を理解したミーラはさすがに怖くなったが、レオンやケリーがつまらなさそうにしていただけで、「気にすることじゃない」と言い出したので、深く考えないようにした。
その後、ミーラはそのことを忘れるために、レオンやケリーたちと距離を置くようになった。これが、『ロー・ライト』が井戸に落とされるまでの経緯だ。
「……これがすべてよ、私の犯した罪の経緯は。何か質問ある?」
「…………」
「村の連中には話さなかったのか?」
「うん……ケリーたちは言いふらそうとしてたけど、私が嫌だって言ったらレオンも言わないほうがいいって言いだしたから……私たち以外知る人はいない……」
「そうか、言ったとしても村の誰も気にしないだろうがな」
「……そうね……」
ミーラはローブを脱いで、死んだ魚のようにも見える両目で、はっきりローグを見た。ローグもミーラを見る。左半身がひどい火傷したミーラを。
「ロー、私はあなたに伝えたい気持ちがあるんだけど、聞いてくれる?」
「……嬢ちゃん?」
「なんだ?」
「私は魔法なしになるまで、あなたの気持ちを考えてあげることができませんでした。魔法がないという理由で周りに見捨てられて、嫌われ、蔑まれる苦しみがこんなにつらいものだなんて知りませんでした。あなたが私に復讐したい気持ちも今なら分かる。その気持ちは、私をこんな目に合わせたレオンを許せないという気持ちと同じ、ううん、それ以上だと思うから」
「……ミーラ……」
「だから、私は償いになるのならあなたに何をされても受け入れる。私の命をあげる。あなたの好きにしてください」
「……そうか……」
ミーラからすべてを聞いたローグは、自分でも少し驚くほど落ち着いていた。許せないという気持ちがあるが、以前ほど憎しみがわかないのだ、復讐心はあるはずなのに。その理由はミーラにあるのだろう。彼女が覚悟を決めていることは、十分理解したのだから。
「……坊主、今この嬢ちゃんに何もしないでくれないか、嬢ちゃんも、すぐに早まるんじゃねえよ……」
「え?」
「……何?」
ここでルドガーが口を開きだした。彼も黙って聞いていたが、二人の会話と今の状況に思うことがあるようだ。
「坊主が、この嬢ちゃんやほかの幼馴染の連中が許せないってことは分かった。だがよ、この嬢ちゃんはもう十分ひどい目にあったんだ、女の子なのにこんな大やけどだぞ! どんな復讐か知らねえがこれ以上何をするってんだ!?」
「ルドガーさん、これは俺とミーラの話なんだが……」
「だとしてもよ! 見てられねえんだよ! 俺はこの嬢ちゃんがこの外町に来てから苦労してる様子を知ってんだ! こんな格好をしなけりゃ外に出歩けねえし、町のこともわからねえ、挙句は馬鹿にされる始末だった。今はもう十分報いは受けたはずなんだ!」
「ルドガーさん……」
「…………」
ルドガーは必死になってローの復讐を止めようとしている。だが、「もう十分報いは受けた」と言われても納得するはずがない。ローグはミーラよりも長い間、虐げられてきたのだから。ミーラもそう考えているはずだ。しかし、ここで予期しなかったことが起こる。
「……今は、か……それもそうかもしれないな」
「え!? ロー!?」
「分かってくれたのか!?」
「勘違いするなよ、この話は後だってこと、っだ!」
突然、ローグは後ろを振り返って魔法を放った。【外道魔法・怠惰】『堕落の壁』がローグたちを包み込んだ。
ミーラは【透明魔法】を使って近づき、『ロー・ライト』を井戸に突き落とした。彼女はその時はうまくいって喜んだそうだ。その直後、レントが突然井戸の中を確認しだして、「ローが死んだかもしれない」と言い出したのだ。その言葉の意味を理解したミーラはさすがに怖くなったが、レオンやケリーがつまらなさそうにしていただけで、「気にすることじゃない」と言い出したので、深く考えないようにした。
その後、ミーラはそのことを忘れるために、レオンやケリーたちと距離を置くようになった。これが、『ロー・ライト』が井戸に落とされるまでの経緯だ。
「……これがすべてよ、私の犯した罪の経緯は。何か質問ある?」
「…………」
「村の連中には話さなかったのか?」
「うん……ケリーたちは言いふらそうとしてたけど、私が嫌だって言ったらレオンも言わないほうがいいって言いだしたから……私たち以外知る人はいない……」
「そうか、言ったとしても村の誰も気にしないだろうがな」
「……そうね……」
ミーラはローブを脱いで、死んだ魚のようにも見える両目で、はっきりローグを見た。ローグもミーラを見る。左半身がひどい火傷したミーラを。
「ロー、私はあなたに伝えたい気持ちがあるんだけど、聞いてくれる?」
「……嬢ちゃん?」
「なんだ?」
「私は魔法なしになるまで、あなたの気持ちを考えてあげることができませんでした。魔法がないという理由で周りに見捨てられて、嫌われ、蔑まれる苦しみがこんなにつらいものだなんて知りませんでした。あなたが私に復讐したい気持ちも今なら分かる。その気持ちは、私をこんな目に合わせたレオンを許せないという気持ちと同じ、ううん、それ以上だと思うから」
「……ミーラ……」
「だから、私は償いになるのならあなたに何をされても受け入れる。私の命をあげる。あなたの好きにしてください」
「……そうか……」
ミーラからすべてを聞いたローグは、自分でも少し驚くほど落ち着いていた。許せないという気持ちがあるが、以前ほど憎しみがわかないのだ、復讐心はあるはずなのに。その理由はミーラにあるのだろう。彼女が覚悟を決めていることは、十分理解したのだから。
「……坊主、今この嬢ちゃんに何もしないでくれないか、嬢ちゃんも、すぐに早まるんじゃねえよ……」
「え?」
「……何?」
ここでルドガーが口を開きだした。彼も黙って聞いていたが、二人の会話と今の状況に思うことがあるようだ。
「坊主が、この嬢ちゃんやほかの幼馴染の連中が許せないってことは分かった。だがよ、この嬢ちゃんはもう十分ひどい目にあったんだ、女の子なのにこんな大やけどだぞ! どんな復讐か知らねえがこれ以上何をするってんだ!?」
「ルドガーさん、これは俺とミーラの話なんだが……」
「だとしてもよ! 見てられねえんだよ! 俺はこの嬢ちゃんがこの外町に来てから苦労してる様子を知ってんだ! こんな格好をしなけりゃ外に出歩けねえし、町のこともわからねえ、挙句は馬鹿にされる始末だった。今はもう十分報いは受けたはずなんだ!」
「ルドガーさん……」
「…………」
ルドガーは必死になってローの復讐を止めようとしている。だが、「もう十分報いは受けた」と言われても納得するはずがない。ローグはミーラよりも長い間、虐げられてきたのだから。ミーラもそう考えているはずだ。しかし、ここで予期しなかったことが起こる。
「……今は、か……それもそうかもしれないな」
「え!? ロー!?」
「分かってくれたのか!?」
「勘違いするなよ、この話は後だってこと、っだ!」
突然、ローグは後ろを振り返って魔法を放った。【外道魔法・怠惰】『堕落の壁』がローグたちを包み込んだ。
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