76 / 252
第3章 組織編
暴走の原因
しおりを挟む
会長室。
暴走する防衛魔術を潜り抜けたトーレンとメルガーは、会長室にたどり着いた。会長室には他の幹部がいた。髭面の男と眼鏡をかけた女だった。
「会長! トーレン殿! ご無事でしたか!」
「よくぞご無事で! 安心しました!」
「おお! アンリルさん! パルサさん!」
「君らも無事だったか!」
魔法協会の幹部である『アルフレド・アンリル』と『ミエカ・パルサ』が、トーレンとメルガーと合流した。メルガーはすぐに状況を聞き出す。
「防衛魔術が暴走しているようだが状況はどうなっている? 少し前に流れてきた魔力と関係があるのだろうが、どう対処しているかも話してくれ」
「はい。あの魔力が流れてきた後すぐに警報ベルが鳴ったのですが、それと同時に防衛魔術が発動したのです。それも、魔力が流れた範囲に比例して」
「魔力が流れた範囲に比例して、だと?」
「その通りです、会長。おそらく、流れてきた魔力は、この前のように探りを入れるためではなく、魔法協会のあらゆる魔術を暴走させるためのものでと思われます」
アンリルとパルサの説明をによれば、防衛魔術の暴走は流れてきた魔力の影響が原因だったというものだ。その推測を聞いたトーレンとメルガーは……。
「そ、そんな……。我々の魔術を都合よく暴走させるなんて……」
「そうとしか思えんだろ」
「会長……!」
「「……………………」」
「トーレン、あれを見ろ」
「あ、あれは監視魔術の水晶……!?」
トーレンは会長室の全ての水晶玉を見てみたが、何も映っていなかった。いつもなら常時、内部の映像を映す水晶玉が透明なままなのだ。
「防衛魔術だけでなく、監視魔術も使い物にならん。警報ベルが鳴り続けているのもそのせいだろう。つまり、魔法協会に設置されている全ての魔術が役に立たないものに変えられたのだ」
「そんな……そんな……」
トーレンは絶句してしまったが、メルガーは落ち着いた様子で状況を整理できた。メルガーはここに来るまでに見た状況からある程度推測していたからだ。メルガーの言葉にアンリルは疑問を口にする。
「全てのということは地下でも影響があったということですか? 実験に支障が出たとか?」
「実験に支障が出たどころか収容施設のロックが全て解除されてしまったよ。実験体の脱走だ」
「そんな馬鹿な! そんなことを許したら……!」
「安心しろ。地下は全て封鎖した」
「そ、そうですか………………え?」
メルガーの告げた言葉に今度はパルサが口を出した。
「地下を封鎖ですって!? 会長がここにいるということは、地下にはまだ多くの構成員が残されているではありませんか!? 彼らを見殺しにするおつもりですか!?」
「それはやむを得んことだ。魔法協会の外に出すよりはましだと判断したのだよ。たとえ、犠牲者を出すことになってもな」
「会長……それは……」
今度はパルサが絶句してしまった。アンリルも同じ気持ちでいるようだ。だが、反論することはできない。彼ら、幹部にとっては、会長であるメルガーの言葉は絶対だ。何より、メルガーの言っていることは、立場上、彼らには正論にも聞こえなくはないのだ。メルガーは幹部たちに指示を出す。
「原因がある程度分かったなら対処しようがある。まず、ここで魔法協会の全ての魔術を強制的に停止させる。そしてすぐに、生存者を集めて、敵の捜索と内部の立て直しの二手に分かれて行動を開始する。今度はこちらから反撃だ!」
彼らは、会長室から出て全ての魔術を管理する『魔術管理室』に向かった。
暴走する防衛魔術を潜り抜けたトーレンとメルガーは、会長室にたどり着いた。会長室には他の幹部がいた。髭面の男と眼鏡をかけた女だった。
「会長! トーレン殿! ご無事でしたか!」
「よくぞご無事で! 安心しました!」
「おお! アンリルさん! パルサさん!」
「君らも無事だったか!」
魔法協会の幹部である『アルフレド・アンリル』と『ミエカ・パルサ』が、トーレンとメルガーと合流した。メルガーはすぐに状況を聞き出す。
「防衛魔術が暴走しているようだが状況はどうなっている? 少し前に流れてきた魔力と関係があるのだろうが、どう対処しているかも話してくれ」
「はい。あの魔力が流れてきた後すぐに警報ベルが鳴ったのですが、それと同時に防衛魔術が発動したのです。それも、魔力が流れた範囲に比例して」
「魔力が流れた範囲に比例して、だと?」
「その通りです、会長。おそらく、流れてきた魔力は、この前のように探りを入れるためではなく、魔法協会のあらゆる魔術を暴走させるためのものでと思われます」
アンリルとパルサの説明をによれば、防衛魔術の暴走は流れてきた魔力の影響が原因だったというものだ。その推測を聞いたトーレンとメルガーは……。
「そ、そんな……。我々の魔術を都合よく暴走させるなんて……」
「そうとしか思えんだろ」
「会長……!」
「「……………………」」
「トーレン、あれを見ろ」
「あ、あれは監視魔術の水晶……!?」
トーレンは会長室の全ての水晶玉を見てみたが、何も映っていなかった。いつもなら常時、内部の映像を映す水晶玉が透明なままなのだ。
「防衛魔術だけでなく、監視魔術も使い物にならん。警報ベルが鳴り続けているのもそのせいだろう。つまり、魔法協会に設置されている全ての魔術が役に立たないものに変えられたのだ」
「そんな……そんな……」
トーレンは絶句してしまったが、メルガーは落ち着いた様子で状況を整理できた。メルガーはここに来るまでに見た状況からある程度推測していたからだ。メルガーの言葉にアンリルは疑問を口にする。
「全てのということは地下でも影響があったということですか? 実験に支障が出たとか?」
「実験に支障が出たどころか収容施設のロックが全て解除されてしまったよ。実験体の脱走だ」
「そんな馬鹿な! そんなことを許したら……!」
「安心しろ。地下は全て封鎖した」
「そ、そうですか………………え?」
メルガーの告げた言葉に今度はパルサが口を出した。
「地下を封鎖ですって!? 会長がここにいるということは、地下にはまだ多くの構成員が残されているではありませんか!? 彼らを見殺しにするおつもりですか!?」
「それはやむを得んことだ。魔法協会の外に出すよりはましだと判断したのだよ。たとえ、犠牲者を出すことになってもな」
「会長……それは……」
今度はパルサが絶句してしまった。アンリルも同じ気持ちでいるようだ。だが、反論することはできない。彼ら、幹部にとっては、会長であるメルガーの言葉は絶対だ。何より、メルガーの言っていることは、立場上、彼らには正論にも聞こえなくはないのだ。メルガーは幹部たちに指示を出す。
「原因がある程度分かったなら対処しようがある。まず、ここで魔法協会の全ての魔術を強制的に停止させる。そしてすぐに、生存者を集めて、敵の捜索と内部の立て直しの二手に分かれて行動を開始する。今度はこちらから反撃だ!」
彼らは、会長室から出て全ての魔術を管理する『魔術管理室』に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
※2026年半ば過ぎ完結予定→七月に完結(決定)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる