ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第3章 組織編

話が通じない二人

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 仮面を外した少年は、メルガーに向かって自己紹介を始めた。

「初めまして、魔法協会会長メルガー・メンデス。僕がこの事件の首謀者、です。あっ、覚えてもらわなくていいですよ。必要ないから」
「……何だと?」
「あんたらはこれから叩きのめして、魔法を失ってもらうからさ。僕の復讐の邪魔をした罪でね」
「…………」

 メルガーは目の前の少年の言葉を、すぐには理解できなかったが、メルガーはこの後、少年に対して思ったことを素直に口に出した。

「随分、頭のおかしいガキだな。そんな理由でこんなことをしでかしただと? 自分が何をしたのか分かっているのか?」
「魔法協会と後ろ盾の王国、騎士団も敵に回すことか?」
「……分かってやっているのか、おかしいことを通り越して狂ってるようだな」
「誉め言葉として受け取っておこう」
「…………」

 メルガーは少年の言葉に苛立ちを感じる。話が通じる気がしないのだ。それは黙って話を聞いている構成員たちも同じ気持ちでいた。彼らのほうは恐怖すら感じているようだが。そんな中で、ミーラだけは違っていた。

(やっぱり! ロー……ローグ様はすごい! あの怖い会長に全く恐れないなんて! 本当は私、あの男が怖くて仕方なかったのに。ローグ様は違う! 本当に素敵! 憧れる!)

 ……本当に、ミーラは変わってしまった。魔法を持つ身も心も。

 メルガーは戦闘班が来るまでの時間稼ぎのために、少年とミーラに質問をしてみた。

「だが、お前の行動に不可解な点があるぞ。お前がロー・ライトなら復讐が目的のはず。なのに何故、ミーラがお前の隣にいる? その娘こそが復讐の対象だろう?」
「その通り。だからこそ、俺の好きなように連れまわし、振り回し、利用するんだ。死ぬまでずっとな」
「その通り! 言ったはずよ、今の私は彼の共犯者にして忠実な奴隷なのよ!」
「…………なるほどな」

 少年とミーラの話から、メルガーはこの二人を理解するのは無理だと早々に諦めた。やはり話は通じないと判断したのだ。今度は少年から質問してきた。

「僕が復讐を目的にしてることが分かってるってことは、その情報はあの村か冒険者役場のものか? まあ、どっちでもいいけどな」
「ほう、私の言葉からそこまで推測したか。思ったより利口じゃないか。その通り、情報元は両方だ。村に唯一無事だった古い通信用魔道具で村長から冒険者役場に連絡が入ったのだ」
「また村長か。もっと痛めつけてやればよかったな、あの爺」
「そうよね。もともとの元凶はあの爺さんだったもんね」

 メルガーは何かを狙うかのように眼を鋭くして話を続ける。

「お前が引き起こした魔法が使えなくなる事件のことで冒険者役場は大騒ぎだ。それで騎士団も動き出すほど大ごとになったぞ、?」
「は?」
「え?」

 少年とミーラは呆けた顔になってしまった。メルガーが少年の改名した名前を言い当てたのだから。
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